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(オープニングタイトル)

scene 01一族の栄枯盛衰を語る『平家物語』
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琵琶法師(びわほうし)によって何百年にもわたって語り伝えられてきた『平家物語』。権力を上り詰め、栄華を極めたものの、あっという間に滅び去った平家一族の物語です。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ」。――この世は絶えず移り変わり、栄える者もいつか滅びるのが定め。まるで、春の夜の夢のように、風の前の塵(ちり)のように。

scene 02一門の繁栄を築いた平清盛
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物語の舞台は、平安末期の12世紀。政治の実権が、貴族から武士に移っていった時代です。その中心として活躍したのが、平清盛です。戦いで功績を挙げ、平家一門の繁栄の基礎を築きます。順調に出世を重ねていった清盛は、その後、武士として初めて、政治に関わることが許されます。清盛が次に目指したのが、天皇家との太いパイプ作りでした。娘を天皇と結婚させ、生まれたばかりの子どもを天皇に即位させます。安徳天皇です。清盛は、天皇の祖父という絶大な権威を手に入れたのです。

scene 03「平家でなければ人ではない」
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こうして、政府の重要な役職をことごとく独占していく平家。物語では、権勢をほしいままにする一族の様子が歌い上げられます。「人のしたがひつく事、吹く風の草木をなびかすがごとし。世のあまねく仰げる事、ふる雨の国土をうるほすに同じ」。――人々は、風になびく草木のように平家に従い、大地をうるおす雨に皆が空を仰ぐように、平家を仰ぎ見ました。さらに、こんな言葉まで飛び出しました。「此一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」。――平家でなければ、人ではない。

scene 04栄華の絶頂、そして清盛の最期
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清盛を中心とした平家一族は、まさに栄華の絶頂にありました。その繁栄ぶりを今に伝えるのが、世界遺産にも登録されている厳島神社です。海に浮かぶ壮麗な社殿は、清盛が私財を投じて造営したものです。この世のあらゆる権力を手に入れた平清盛。そんな彼にも、最期が訪れます。原因不明の熱病にかかり、この世を去ったのです。

scene 05 追い詰められていく平家
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清盛の死後、平家一族の転落が始まります。人々にくすぶっていた不満が一気に噴出。その急先鋒に立ったのが、東国の武士である源氏でした。京の都を追われた平家一族は、自らの拠点であった瀬戸内海に逃れ、源氏を迎え撃ちます。平家と源氏は、各地で激しい戦いを繰り広げました。しかし、一の谷や屋島の戦いで破れた平家は、西へと追い詰められていきます。最後に平家が決戦の地として選んだのが、壇の浦でした。

scene 06雌雄を決する戦い
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平家物語のクライマックス、壇の浦の戦い。物語によると、源氏の船団は三千艘(そう)。一方、迎え撃つ平家の船は千艘。明け方から始まった戦いは、初め、平家方に有利に進んでいきます。しかし、時が経つとともに形勢は逆転。数に勝る源氏が、次々に平家の船に乗り移っていきます。平家の負け戦さはすでに明らか。清盛の孫である安徳天皇にも最期の時が訪れます。幼い天皇は祖母に抱かれ、海に身を沈めます。このときわずかに、満6歳でした。

scene 07時代を超えて心に響く物語
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「みぎはに寄する白波も薄紅にぞなりにける。主もなきむなしき船は、塩にひかれ、風に従ッて、いづくをさすともなくゆられゆくこそ悲しけれ」。激しい戦いののち、波は血で染まり、主を失った船が、波間に漂っていたといいます。平家一族、七十年に及ぶ栄枯盛衰の物語。そこに繰り広げられる、勝ち負けを超えた人間ドラマ。時代を超え、人々の胸を打ち続けています。

10min.ボックス  古文・漢文
平家物語
栄華と没落、勝者と敗者。「平家物語」は無常観に貫かれている。番組では、琵琶法師に語り継がれた文学の独特のリズムを味わいながら、この長大な物語を概観する。

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