オープニングタイトル
「よいしょ。よいしょ。」おじいさんが、畑(はたけ)をたがやして、かぶのたねをまきました。「あまいあまい、かぶになれ。大きな大きな、かぶになれ。あまいあまい、かぶになれ。大きな大きな、かぶになれ。」やがて、あまいあまい、大きな大きなかぶがそだちました。〔語り:草刈正雄(くさかり・まさお)さん〕
おじいさんは、かぶをぬこうとしました。「せーの。うんとこしょ、どっこいしょ。うんとこしょ、どっこいしょ。」けれどもかぶは、ぬけません。「そうだ!」おじいさんは、おばあさんをよんできました。「せーの」かぶをおじいさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんをおばあさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」それでもかぶは、ぬけません。
「そうだ!」おばあさんは、まごむすめをよんできました。「せーの」かぶをおじいさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんをおばあさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おばあさんをまごむすめが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」やっぱりかぶは、ぬけません。
「そうだ!」まごむすめは、犬をよんできました。かぶをおじいさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんをおばあさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おばあさんをまごむすめが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」まごむすめを犬が引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」まだまだかぶは、ぬけません。
「そうだ!」犬はねこをよんできました。かぶをおじいさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんをおばあさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おばあさんをまごむすめが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」まごむすめを犬が引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」犬をねこが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」なかなかかぶは、ぬけません。
「そうだ!」ねこはねずみをよんできました。かぶをおじいさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんをおばあさんが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」おばあさんをまごむすめが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」まごむすめを犬が引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」犬をねこが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」ねこをねずみが引っぱって、「うんとこしょ、どっこいしょ。」
「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」おじいさんがまた言いました。「よーし。もう一回!」「うんとこしょ、どっこいしょ。」「うんとこしょ、どっこいしょ。」…。みんなで力を合わせて、「うぅぅぅんとこしょー。どっこいしょー!」
とうとうかぶはぬけました。「あぁ、やったあ! ぬけた、ぬけた!」「ぬけたあ! ははは、やった、やった…。」おじいさんやみんなは大よろこびで、かぶをはこんでいきました。