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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01あしがら山のきんたろう
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むかしむかし、あしがら山にきんたろうという男の子がおりました。山おくのほらあなで、おかあさんと二人ぐらし。『金』の字がついたはらがけをしめ、いつも大きなまさかりをかついでいます。きんたろうは、赤んぼうのころからとても力もちでした。おもい石うすをひきずって、はいはいしていたほどです。〔語り:渡辺直美(わたなべ・なおみ)さん〕

scene 02どうぶつたちとすもうのけいこ
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すくすくそだったきんたろうは、毎日(まいにち)森へあそびにいきます。ともだちは森のどうぶつたちです。「よーし、みんなあつまれ。すもうをとるぞ。かかってこい!」どうぶつたちをあいてにすもうをとるきんたろう。「とりゃーっ。」「よいしょ!」「もういっちょう!」きんたろうは、サルやシカ、イノシシをつぎからつぎへとなげとばします。そこへ、のっしのっしと大きなクマがやってきました。「きんたろうというのはおまえか。いくらおまえがつよくても、わしにはかなわんだろう。」といいます。「なんだと! おいらまけないぞ。かかってこい!」

scene 03大きなクマもなかまに
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行司(ぎょうじ)のウサギが声(こえ)をかけます。「はっけよい、のこった!」ドーン! クマときんたろうがいきおいよくぶつかりました。クマがおせば、きんたろうもおしかえす。「きんたろう、がんばれ!」「きんたろう、しっかり!」みんなもおうえんします。なかなかしょうぶがつきません。それでもついに、「えーい! おりゃーっ!」と、きんたろうがクマをなげとばしました。「まいった、まいった。わしのまけだ」とクマ。「よし。これからはおまえも、おいらたちのなかまだ!」ときんたろうがいいました。

scene 04気はやさしくて力もち
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きんたろうは、森のどうぶつたちからいろいろなことをおしえてもらいました。木のぼりがとくいなサルからは、木ののぼりかたを。足のはやいシカには、山道(やまみち)のはしりかたを。そして、谷川(たにがわ)にいるコイには、じょうずなおよぎかたを。ついには、きんたろうはたきのぼりもできるようになりました。きんたろうは力がつよいだけではなく、やさしいところもありました。おかあさんの目がわるくなったときは、「おっかさん、箱根(はこね)に目にきくおんせんがあるんだって。いっしょにいこうよ。」といいました。

scene 05いつかりっぱなおさむらいに
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きんたろうは、おかあさんをせおって山道(やまみち)をあるきました。せなかでおかあさんがかたりかけます。「おまえの父上(ちちうえ)は、坂田(さかた)という名の、りっぱなおさむらいだったのですよ。」きんたろうのお父さんはさむらいでしたが、いくさにやぶれてころされてしまいました。おかあさんは、赤んぼうだったきんたろうをだいて、山おくへにげたのでした。「おまえもいつか、りっぱなおさむらいになっておくれ。」とおかあさん。「わかった。おいら、おっかさんのために、がんばるよ。」ときんたろうはいいました。

scene 06あっというまに木のはしを
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ある春(はる)の日。きんたろうはいつものようにクマにまたがり、さっそうと山道(やまみち)をいきます。「♪まさかりかついで きんたろう クマにまたがり おうまのけいこ ハイシィドウドウ ハイドウドウ ハイシィドウドウ ハイドウドウ♪」しばらくいくと、大きな谷川(たにがわ)の上に出ました。川がごうごうと音を立て、水しぶきを上げています。これではむこうにわたれません。「よし、おいらにまかせろ!」きんたろうはちかくの大きな木に手をかけ、「うおーっ!」とおしました。木はたちまちたおれ、がけとがけをむすぶはしになりました。「わーい、はしができた!」「きんたろうはやっぱりすごいや。」

scene 07「わしのけらいにならないか?」
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すると、「なんと力もちの子どもじゃ!」という声(こえ)がしました。「え?」ときんたろうがふりむくと…。そのようすを、りっぱなさむらいが見ていました。さむらいの名は、源頼光(みなもとの・よりみつ)。「おまえは力がつよくてやさしい子だ。わしのけらいにならないか?」といいます。「おいらをさむらいにしてくれるのか? きっと、おっかさんがよろこぶよ。」きんたろうは頼光(よりみつ)をほらあなの家(いえ)にあんないしました。おかあさんは、「おさむらいさま、どうかこの子をりっぱなおさむらいにしてくださいませ。」となみだをながしてよろこびました。

scene 08京のみやこへ
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きんたろうは、頼光(よりみつ)について、京(きょう)のみやこへいくことになりました。そして、しゅっぱつの日。「元気(げんき)でな。」「きんたろうならだいじょうぶだよ。」「また、あえるよね。」どうぶつたちが見おくってくれました。「みんなのことはわすれないよ。おいら、きっと日本一のさむらいになって、また、あしがら山にもどってくるからな。」きんたろうは、なんどもなんどもふりかえりながら、山をおりていきました。

scene 09みごとりっぱなさむらいに!
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「ヤーッ、ヤーッ。トォーッ! オリャーッ!」みやこへのぼったきんたろうは、人々をくるしめていたオニをたいじし、頼光(よりみつ)やほかのけらいとともに大かつやくしたそうです。頼光はきんたろうにいいました。「今回(こんかい)のはたらき、あっぱれであった。これからは、坂田金時(さかた・きんとき)となのるがよい。」「ははーっ。」こうしてきんたろうは、りっぱなさむらいになりました。そのかつやくぶりは、あしがら山のおかあさんやどうぶつたちにもつたわり、みんな、たいそうよろこんだとさ。

おはなしのくに
きんたろう
“まさかりかついで きんたろう”【作者】日本の昔話 【語り】渡辺直美

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