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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01畑をあらすたぬきをつかまえた
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むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。ある日、おじいさんは山の畑(はたけ)で豆(まめ)まきをしていました。「♪ひとつぶの豆は千つぶに ふたつぶの豆は万(まん)つぶになあれ…」。そこへ、たぬきがあらわれました。「へっへっへ。ほれほれ、ひとつぶは、ひとつぶのまんまじゃ」。たぬきはおじいさんがまいたばかりの豆をたべてしまいます。いつも畑をあらすたぬきでした。「このわるだぬきめ。そりゃあっ」。おじいさんがくわをなげつけると、みごとにたぬきにめいちゅう。おじいさんは、気ぜつしたたぬきをかついで家(いえ)にかえりました。〔語り:佐藤二朗(さとう・じろう)さん〕

scene 02「手つだうからこのなわをほどいておくれ」
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「ばあさんや、ばあさんや。ほれほれ、わるいたぬきをつかまえたぞ。今夜(こんや)は、たぬきじるじゃ。米(こめ)をついとくれ」。おじいさんはたぬきを天井(てんじょう)にくくりつけると、また畑(はたけ)へ出かけていきました。おばあさんは、もみがらのついた米をつきはじめます。すると、「ばあさん、ばあさん」と、ぶらさげられたたぬきがよびかけました。「一人で米つきはたいへんじゃろう。おらが手つだうからこのなわをほどいておくれ」。「だめじゃ、だめじゃ。うまいこといって、にげるつもりじゃろ」とおばあさん。するとたぬきは、「しぬ前(まえ)に、人だすけがしたいんじゃ」といいます。

scene 03おばあさんをだましたたぬき
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「うーん。そんなにいうなら、しかたねえなぁ」。おばあさんはたぬきのなわをほどいてやり、二人は米(こめ)つきをはじめました。コツコツコツ、コツコツコツ。「ばあさん、これくらいかのう?」と米をついていたたぬきがいいます。「うん? どれどれ?」。おばあさんがうすをのぞきこんだ、そのときです。ドカッ! 「ひゃあ!」。ドタッ。「ひっひっひ」。たぬきは、きねでおばあさんをなぐりたおすと、まんまと山へにげていきました。

scene 04ばあさまのかたきを!
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「ばあさんや、今(いま)かえったぞ…。ばあさん? ばあさん! どうした? ばあさん! あぁーっ」。たおれているおばあさんを見つけ、なきくずれるおじいさん。そこへ、うさぎがやってきました。「じいさま、なんでないとるんじゃ? あっ、ばあさま!」とうさぎもおどろきました。「たぬきのやつに、ばあさんをころされてしもうたぁ」とないているおじいさん。「あのわるだぬきめ、おらをかわいがってくれたやさしいばあさまに、なんてことを…。じいさま、ばあさまのかたきは、おらがきっととってみせる!」とうさぎがいいました。

scene 05たぬきがうさぎの手つだいを
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つぎの日。うさぎが、かや山でかやをかっていると、たぬきがやってきました。「お? うさぎどん、なんでかやをかっとるんじゃ?」とたぬきがききます。「やあ、たぬきどん。冬(ふゆ)はえらくさむいから、かやで、あったかい小屋(こや)をつくろうとおもってな」とうさぎがこたえました。「おー。そんなら、おらも手つだうから、その小屋に入れとくれよ」とたぬき。すると、「いいともさ」と、なにかたくらみがあるような顔(かお)でうさぎがいいました。

scene 06“かちかち”いうのはなんの音だ?
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うさぎとたぬきは、かりおわったかやをせおうと、山をおりはじめました。すると…。かちかち、かちかちと音がします。「うん? うさぎどん、かちかちいうのは、なんの音だ?」とたぬき。うさぎは、「かちかち山の、かちかち鳥(どり)がないとるんじゃ」とこたえます。「はあ~、そうかそうか」と、また山をおりていくたぬき。するとまた、かちかち、かちかちと音がします。じつは、うさぎが火うち石をかちかちうって、たぬきのせなかのかやに火をつけていたのです。

scene 07“ぼうぼう”いうのはなんの音だ?
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ぼうぼう、ぼうぼうと、たぬきのせおったかやがもえはじめます。「うん? うさぎどん、ぼうぼういうのは、なんの音だ?」とたぬき。うさぎは、「ぼうぼう山の、ぼうぼう鳥(どり)がないとるんじゃ」とこたえます。「そうかそうか」というたぬきですが、すぐに、「うん? あつい! あつい、あつい、あつい!」とさけびはじめました。かやは見る見るもえあがります。「あつい、あつい! たすけてくれ、うさぎどん!」とはしりまわるたぬき。たぬきのせなかはまるやけになりましたが、うさぎはしらん顔(かお)でにげてしまいました。

scene 08とうがらし山のうさぎとたぬき
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つぎの日。たぬきがうさぎの家(いえ)にやってきました。「やい、うさぎ! きのうはひどい目にあわせてくれたな!」。するとうさぎは、「なんのことじゃ? それは、かちかち山のうさぎじゃろ? おらは、とうがらし山のうさぎじゃよ。きのうからここで、やけどによくきくみそをつくっとる」といいました。「おお、そうか。すまんかった。そのみそ、おらのせなかにぬっとくれ」とたぬき。「よしきた。ぬってやろう」。でも、うさぎはみそにとうがらしをたっぷりと入れていたのです。「いたい! あつい! たすけてくれ!」。たぬきはそこらじゅうをころげまわりますが、うさぎはしらん顔(かお)でにげてしまいました。

scene 09まつの木山のうさぎとたぬき
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つぎの日。うさぎがまつの木をきっていると、たぬきがやってきました。「やい、うさぎ! きのうはひどい目にあわせてくれたな!」。するとうさぎは、「なんのことじゃ? それは、とうがらし山のうさぎじゃろ? おらは、まつの木山のうさぎじゃよ。きのうからここでずっと、魚(さかな)とりのふねをつくっとる」といいました。「そうか。すまんかった。な、おらのふねもつくってくれ」とたぬきがいいます。「いいともさ」と、なにかたくらみがあるような顔(かお)でうさぎがいいました。

scene 10たぬきののったどろぶねは
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うさぎは自分(じぶん)には木のふねを、たぬきにはどろのふねをつくりました。二人は川へくりだしました。「♪木のふねすいすい エンヤトット トントン どろぶねぶくぶく エンヤトット トントン」。うさぎはうたいながらふねをたたきます。「ほれ、たぬきどんもやってみろ」。たぬきも「よしきた! ♪木のふねすいすい エンヤトット トントン どろぶねぶくぶく エンヤトット トントン」とうたい、どろぶねをたたきました。するとふねにひびが入り、われてしずみはじめました。「ああっ。おら、およげないんだ。たすけてくれ、うさぎどん!」。たぬきは川のそこへしずんでいきましたが、うさぎはしらん顔(かお)でにげてしまいましたとさ。

おはなしのくに
かちかち山
“カチカチいうのはなんの音?”【作者】日本の昔話 【語り】佐藤二朗

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