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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01ひかる竹の中からあらわれたのは
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いまはむかし、竹とりのおきなというおじいさんがおりました。ある日、おじいさんが山へ竹をとりにいくと、竹林の中に、一本だけひかっている竹を見つけました。「おや、なんじゃ」。ふしぎにおもったおじいさんは、その竹をきってみました。すると、どうでしょう。小さな女の子が、ちょこんとすわっているではありませんか。「こりゃ、たまげた。なんとかわいらしい」。おじいさんは、女の子をそっと手のひらにのせて、つれてかえりました。「ばあさんや、見てごらん」。「おやまあ。わたしらのむすめとして大切(たいせつ)にそだてましょう」。〔語り:早見あかり(はやみ・あかり)さん〕

scene 02うつくしいむすめにそだって
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女の子はやがて、かがやくばかりにうつくしいむすめになり、「かぐやひめ」と名づけられました。かぐやひめのうわさは国(くに)じゅうにひろがり、ひと目見たいと、おおぜいの男たちがおしかけてきました。なかでもねっしんだったのは、身分(みぶん)のたかい五人のわかものです。「どうか、わたしのつまになってください」。「いや、わたしのつまに」。「わたしとけっこんしてください」。「いやいや、わたしと」。「わたしこそがあなたにふさわしい」。けれども、かぐやひめはだれともけっこんする気はありません。そこで、五人にいいました。「わたくしがのぞむものをもってきてくださったかたのもとへまいりましょう」。

scene 03かぐやひめがのぞんだもの
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「石つくりの皇子(みこ)さま。天竺(てんじく)にある『おしゃかさまの石のはち』をもってきてください。くらもちの皇子さまは、蓬莱(ほうらい)にある『白玉の実(み)がなる金の木』を。あべの右大臣(うだいじん)さまは、『火ねずみの皮(かわ)でつくったころも』を。おおともの大納言(だいなごん)さまは、『りゅうの首(くび)にある五色(ごしき)の玉』を。いそのかみの中納言(ちゅうなごん)さまは、『つばめの子安貝(こやすがい)』をおねがいいたします」。だれも見たこともきいたこともないたからものばかりでした。

scene 04「おしゃかさまの石のはち」は…
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石つくりの皇子(みこ)は、天竺(てんじく)にいったふりをして、ふるいお寺(てら)にあったすすけたはちをもってきました。「これこそ、おしゃかさまのつかった石のはちです」。「本物(ほんもの)なら、ひかりかがやいているはずです。そのはちにはわずかなかがやきもございません」。

scene 05「白玉の実がなる金の木」は…
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つぎに、くらもちの皇子(みこ)がやってきました。『白玉の実(み)がなる金の木』をもってきました。さしだされたのは、みごとな木です。「さあ、ひめ。わたしといっしょにまいりましょう」。かぐやひめがことわれずにいると、外(そと)から職人(しょくにん)たちのさわぐ声(こえ)がきこえてきました。「くらもちの皇子さま。まだお金をいただいておりません。おしはらいください」。白玉の実がなる金の木は職人たちにつくらせたにせものだったのです。

scene 06にせもの、しっぱい
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三人目のあべの右大臣(うだいじん)は、しりあいにたかいお金をはらって、『火ねずみの皮(かわ)でつくったころも』をおくってもらいました。「どうです。みごとでしょう」。すると、「火ねずみの皮なら、火に入れてももえないはず」とかぐやひめ。けれど、ころもはあっというまにもえ、はいになってしまいました。おおともの大納言(だいなごん)は、『りゅうの首(くび)にある五色(ごしき)の玉』をとろうとふねで出かけましたが、ひどいあらしにまきこまれ、いのちからがらにげかえってきました。

scene 07みな、かぐやひめをあきらめた
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いそのかみの中納言(ちゅうなごん)は、つばめの巣(す)があるやしきを見つけ、そばまでのぼりました。「あった。子安貝(こやすがい)があったぞ」。中納言がさけんだとたん、「あーっ」、ドスーンッ。はしごがたおれ、中納言は地面(じめん)にたたきつけられてしまいました。「いててて…」。にぎっていたのは、ただのつばめのふんでした。こうして、みな、かぐやひめとのけっこんをあきらめたのでした。

scene 08月の都の人だった
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それから三年がすぎたころ、かぐやひめは、月をながめながらなみだぐむようになりました。「ひめよ、いったいどうしたのじゃ」。おじいさんがたずねると、「わたくしは、人間(にんげん)のせかいにすむものではありません。月の都(みやこ)からきたのです。つぎの十五夜(じゅうごや)のばん、月にもどらなくてはなりません」と月を見上げていいました。おじいさんは、やしきをへいしにまもってもらいました。そして、かぐやひめをやしきのおくにかくしました。「これほどの人がまもってくだされば、きっとだいじょうぶじゃ」。おじいさんは、ほっとむねをなでおろしました。

scene 09十五夜の月からのむかえ
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とうとう、十五夜(じゅうごや)がやってきました。ふいに、まばゆい光(ひかり)がさしこんできたかとおもうと、月の使者(ししゃ)がおりてきました。へいしたちは、どうしたことかみな力がはいらず、矢(や)をはなつことができません。やしきのとびらがすーっとひらき、かぐやひめがすがたをあらわしました。月の使者が、かぐやひめに天(あま)の羽衣(はごろも)をかけようとします。身(み)にまとえば、この世(よ)のきおくをうしなってしまうという羽衣です。「おまちください。さいごのおわかれをしたいのです」。

scene 10月にかえっていったかぐやひめ
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「いままでそだててくださったごおんはけっしてわすれません。どうか、月のうつくしい夜(よる)は、わたくしのことをおもいながら空を見上げてください」。そういうと、かぐやひめは、羽衣(はごろも)をまといました。「ひめー。ひめー…。ひめー」。かぐやひめは、空のかなたへとのぼっていきました。

おはなしのくに
かぐやひめ
“竹から生まれた小さな女の子?”【作者】日本の昔話 【語り】早見あかり

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