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scene 01今日は「伝じろう句会」
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「伝じろうの心の中へようこそ」。今日は、サトルだけでなく、シュンもリンちゃんも伝じろうの心の中に来ています。「四季折々(しきおりおり)の美しさ。日本の俳句(はいく)はなんてトレビア~ン!」。というわけで、今日はみんなといっしょに“句会”を開きます。名づけて、「伝じろう句会」。ところでみんなは俳句をつくったことがあるのでしょうか。「学校でちょっとだけつくったかなぁ」とサトル。「でも、苦手…」とリンちゃん。そこでお伝さんに、俳句とは何か、レッスンしてもらいます。

scene 02「五・七・五」と「季語」
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「古池や 蛙(かわず)飛(と)び込(こ)む 水の音」(松尾芭蕉:まつお・ばしょう)。俳句(はいく)、それは世界でもっとも短い定型詩(ていけいし)。その基本(かっこ)となるのは「五・七・五」のリズムです。「ふるいけや(5) かわずとびこむ(7) みずのおと(5)」。このように、五・七・五のリズムにあてはめて句をよみます。そして、俳句のもう一つの決まりごとは、春夏秋冬の季節(きせつ)を表す「季語(きご)」を入れること。この俳句では、「蛙→カエル」という季語を入れることで、春の情景(じょうけい)を表しています。

scene 03言葉の使い方を考える
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短い言葉の中で情景(じょうけい)をつたえる俳句(はいく)。まずは、言葉の使い方を考えてみましょう。「運動会 声援(せいえん)の中 ○○○○○」。これは、小学生が作った俳句です。運動会でたくさんの人が応援(おうえん)してくれている、そんな情景です。そこで問題。運動会の情景を思いうかべて、「○○○○○」の中に入る言葉を考えてみましょう。まずリンちゃんが答えます。「運動会 声援の中 一等賞(いっとうしょう)」。つづいてサトルは、「運動会 声援の中 親さがす」。シュンの答えは、「運動会 声援の中 おべんとう」でした。

scene 04俳句の面白さ
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はたして正解(せいかい)は…。「運動会 声援(せいえん)の中 風になる」でした。この「五・七・五」の最後(さいご)の「五」の部分が、「がんばった」や「一等賞(いっとうしょう)」ではなんだかふつうです。そこで、遊び心を持って、「風になる」と表現(ひょうげん)しました。このように、自分のイメージにぴったりな言葉をさがしだし、「五・七・五」に当てはめることが、俳句(はいく)の面白さです。

scene 05“俳句をつくる目”
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黛(まゆずみ)まどかさん。フランスなど海外でも活躍(かつやく)する、日本を代表する俳人(はいじん)です。黛さんに聞く、「すてきな俳句(はいく)をつくるコツ」。それは、日常(にちじょう)の目のほかにもう一つ、“俳句をつくる目”を持つこと。何かを表現(ひょうげん)しようと、いろいろな方向からものごとを見るようになります。そうすると、“五感のアンテナ”が立ってきます。においとか音など、ふだん気にしていなかったいろいろな感覚(かんかく)が敏感(びんかん)になり、アンテナがいろいろなものをキャッチし始めます。この“発見”が俳句をつくるのです。

scene 06自分だけの“発見”をさがそう
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それでは問題です。「はっけよい ○○○○○○○ すもうとる」。「はっけよい おすもうさんが すもうとる」では当たり前。自分なりの視点(してん)をさがして考えてみましょう。七文字がむずかしいのか、みんななかなか答えが出てきません。そこで、どんな言葉が入るのか、黛さんにヒントをもらいました。ヒントは、「真ん中の七文字のところは、春に関係(かんけい)する出来事です」。

scene 07三人それぞれの答え
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まずシュンの答え。「はっけよい 土と種(たね)が すもうとる」。春になって、種から芽(め)が地上に出たいのに土がおさえているという情景(じょうけい)ですね。つづいてリンちゃんは、「はっけよい 桜(さくら)と風が すもうとる」。いいですねえ。そしてサトルは、「はっけよい 花粉(かふん)をさけて すもうとる」。実は、サトルの答えが正解(せいかい)に近いものでした。正解は、「はっけよい 花粉とわたし すもうとる」です。「はっけよい」と、「ハクション!」が少しかかっているようです。

scene 08いろいろな発想が面白い
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黛さんの感想です。「いろいろな発想が出て面白かった。とくにリンちゃんの『桜(さくら)と風がすもうとる』。これはいい。まず、風景(ふうけい)が見えてきますよね。桜のはかない花びらだからこそ、おしつおされつすもうをとりながら、風に散(ち)っていくという、『すもうとる』という感じがとてもよく出ていますね。みんなが共感(きょうかん)するような、『うーん、やられた』とひざをうつような一句(いっく)だと思います」。

scene 09自分たちの俳句を発表
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いよいよ自分たちの俳句(はいく)発表です。それぞれすきな季語(きご)を決めて、想像(そうぞう)した情景(じょうけい)をもとに俳句をつくります。まずシュンから。「雪山が ライスに見えて はしを持つ」。雪山がごはんに見えたんですね。つづいてサトルは、「秋の雨 自然(しぜん)のダイヤ かさ光る」。雨を自然のダイヤモンドにたとえました。さいごはリンちゃん。「運動会 汗(あせ)と涙(なみだ)が 競(きそ)ってる」。組体操(くみたいそう)がうまくできて終わったあと、先生もみんなもないてしまった情景を俳句にしました。

scene 10みんなも俳句をつくってみよう
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「みなさんよくできました! トレビア~ン!」。同じ季節(きせつ)をすごしても、感じることは人それぞれ。みんなも、自分だけの“発見”で、俳句(はいく)をつくってみませんか? 

お伝と伝じろう
今日は句会
自分の発見したことや感じたことを俳句や詩で表現しよう。ひとつひとつの言葉が持つ効果や自分だけの表現を見つけるためのコツについて学ぶ。