チャプターあらすじを読む
オープニング
ないようを読む

オープニングタイトル

scene 01その歯医者はどこにあるの?
ないようを読む

放課後(ほうかご)、急に伝じろうの歯がいたみだしました。「どなたかいい歯医者さんを知りませんか」。シュンは、緑ゾウ歯医者をすすめます。リンちゃんもサトルもその歯医者さんを知っていました。でもそれは歯医者の名前ではなく、入り口に緑のゾウの置物(おきもの)があるのでみんながそうよんでいる歯医者でした。場所を聞く伝じろうに、「コンビニのとなり」、「そのコンビニは商店街(がい)の交差(こうさ)点の角」、「一階にある」…と三人。すると伝じろうが言いました。「みなさん、ちゃんと説明(せつめい)してくれますか」。

scene 02「この情報でわかるかぁ!」
ないようを読む

サトル、シュン、リンの三人がやってきたのは伝じろうの心の中です。アシスタントのお伝がテレビカメラで何かさつえいしています。それは伝じろうの「アップ」と「ルーズ」の映像(えいぞう)でした。「みなさん、ぼくはものすごく歯がいたいんですよ。歯医者さん、ちゃんと教えてよ」。伝じろうは、歯医者さんがどこにあるのかを聞きたいのです。それなのにサトルたちは、「コンビニのとなり」、「そのコンビニは商店街(がい)の交差(こうさ)点の角」、「一階にある。入るとすぐに受付(うけつけ)」…。「この情報(じょうほう)でわかるかぁ!」とさけぶ伝じろう。「あいたたたたっ」。

scene 03お伝レッスン「アップとルーズ」
ないようを読む

説明(せつめい)の極意(ごくい)その1.「アップとルーズ」。サトルたちの説明をもとにかいた地図では、歯医者さんがどこかまったくわかりません。相手に説明するときにまず大切なこと。それは、「アップ」と「ルーズ」。ここでお伝が見せたのは「白いハトの映像(えいぞう)」。何かをアップにした映像です。さて、何でしょう。この映像をルーズにすると、伝じろうがバラを持ってポーズをとっていることがわかりました。もっとルーズにすると、お伝にバラをプレゼントしようとしていました。さらにルーズにすると、伝じろうはスタジオでさつえい中でした。

scene 04アップが必要かルーズが必要かを考える
ないようを読む

このように、アップでは細かい部分をくわしく見ることができますが、ルーズにすると、アップではわからなかった全体の様子がわかります。説明(せつめい)をするときは、つたえたい内容(ないよう)によって、アップが必要(ひつよう)なのか、ルーズが必要なのか、考えましょう。歯医者さんへの地図、つまり道案内(あんない)の場合は、まずはルーズ。広く全体がどうなっているかからつたえましょう。

scene 05行ったことのない人には目印がわからない
ないようを読む

歯医者さんの地図をルーズにすると、町全体が見える地図になりました。「目印(めじるし)になりそうな建物(たてもの)やお店があったら教えて」と伝じろう。リンちゃんが、「商店街(がい)の交差(こうさ)点」というのは、大通り商店街だと言います。「ぼくが5年前まで住んでいた家がすぐ近くにあるんだよ」とサトル。すると、「わかりませーん!」と伝じろう。大通り商店街もサトルが住んでいた家も、行ったことのない伝じろうにはぜんぜんピンとこないのです。どうしたらわかるのでしょう。

scene 06お伝レッスン「相手の立場に立つ」
ないようを読む

説明(せつめい)の極意(ごくい)その2.「相手の立場に立つ」。ここで少し、伝じろうの立場に立って考えてみましょう。いつ、どの場所から、そこに行きたいのか。「今すぐ! 学校から!」と伝じろう。では、どのくらい、道を知っているのでしょう。「日本に来てまだ間もないから、この町のことはよくわかりませんッヌ」。このように、相手の立場に立って説明するためには、相手がどのくらいのことを知っているのか、また、知りたい情報(じょうほう)は何なのかを聞き出して、相手の気持ちを考えたり、思いやりを持ったりすることが大切です。

scene 07知っている場所から説明していく
ないようを読む

そこで、1.まずは知っている場所をチェック。伝じろうの知っている地域(ちいき)はどのへんか聞くと、「ぼくは上町に住んでるから、そのへんから学校まで」。2.いつ、どこから行きたいのか? 学校から行くか、それとも家に帰ってから行くか聞くと、「今から行きたーい!」。そこで、学校から歯医者さんに行くまでを説明(せつめい)します。リンちゃんの説明です。「まずは、正門を出て横断(おうだん)歩道をわたるの。まっすぐ行くと、左手にパン屋さんがあるの。そこの交差(こうさ)点を右に曲がるの」。リンちゃんは、伝じろうの知っている場所からきちんと説明できています。

scene 08目印の特徴をわかりやすく
ないようを読む

つづいてシュンの説明(せつめい)。「そこからしばらく真っ直ぐ歩いたら右手に本屋さんがあるのわかる?」。伝じろうは、「そっちには行ったことがないからわからない」と言います。するとシュンは、「その本屋さんは、青の看板(かんばん)で、山本書店ていうんだ。大きい本屋さんだからわかると思う」と説明しました。伝じろうが知らない本屋さん。でもシュンくんは目印(めじるし)の特徴(とくちょう)をわかりやすく説明しています。

scene 09目的地の近くはよりくわしく
ないようを読む

サトルがつづけます。「その山本書店がある交差(こうさ)点を左にまがる。ずっと真っ直ぐ行くと、大通り商店街(がい)がある。商店街のアーケードをぬけたところの交差点に、エムエムマートというコンビニがあって、そのとなりに歯医者さんがある。緑色の看板(かんばん)で、一階だからすぐわかると思うよ」。目的(もくてき)地の近くまで行ったら、よりくわしく説明(せつめい)してあげましょう。これで、歯医者さんにたどりつける道のりが伝じろうにつたわったようです。「みんなありがとう! ぼくの立場に立って説明してくれるととってもわかりやすい!」。

scene 10その歯医者さん、今日は…
ないようを読む

気がつくとサトルたちは教室にもどっていました。「というわけで、歯医者さんに行ってきます!」とうれしそうな伝じろう。ところが、「今日って、月曜日だよね…」とリンちゃん。「あっ、伝じろうくん!」。サトルはあわてて伝じろうをよびとめました。「たしか、緑ゾウ歯医者さん、今日休み」。「ええええーっ!」と伝じろうは大ショック。「ごめんごめん。ほかの歯医者さんもさがすから」と三人。「えーと…、まずはルーズで…」。

お伝と伝じろう
ちゃんと説明できたかな?
物事を分かりやすく説明するにはどうしたらいいのだろうか。色々な説明の仕方があることを学ぶ。