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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01「ねぇ、ヒツジをかいて」
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これは、飛行士(ひこうし)のぼくが、さばくに不時着(ふじちゃく)したときのおはなしです。…「ねえ、ヒツジをかいて。ヒツジ!」。「え!?」。その王子さまは、とつぜんぼくの前(まえ)にあらわれました。「絵(え)はにがてなんだ」。だからぼくがかいたのは、これ…。〔語り:小池徹平(こいけ・てっぺい)さん〕

scene 02ゾウをのみこんだヘビの絵 
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「ぼうしじゃないぞ」。「ゾウをのみこんだヘビだ。ふふっ」とわらう王子さま。わらい声(ごえ)といっしょにすずの音がひびきます。「わかるのか!?」。「うん。でも、ほしいのは、ヒツジ」。「あぁ」。うれしくなってヒツジをかきました。でも、「ううん、ツノがないのがいい」と王子さま。「ツノ、なし」とツノをけすと、「もっと元気(げんき)なヒツジ!」と王子さま。そこでぼくは、「きみのヒツジ、この中だよ」と絵(え)をわたしました。それは、箱(はこ)の絵。「これ…これだよ、ほしかったヒツジ。ふふっ。ありがとう」と王子さま。またすずの音がひびきます。

scene 03バオバブの芽をたべてもらうため
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王子さまはヒツジがひつようでした。なぜかって? ヒツジはバオバブの芽(め)をたべるから。王子さまの星(ほし)は、バオバブがそだつとつぶされてしまうほど小さな星でした。

scene 04世界に一つしかない花
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ぼくはこわれた飛行機(ひこうき)をなおしていました。「ねぇ、ヒツジはとげのある花もたべる?」。「あぁ…」とぼく。「とげがあっても?」。「ごめん、ちょっといまいそがしいから」。すると王子さまは、「きみも…大人みたいだ」といいました。「旅(たび)で出あった大人は、『いそがしい、いそがしい』って。花のかおりをかいだこともなくて。でもそれって、本当(ほんとう)にだいじなこと? ぼくの星(ほし)には世界(せかい)に一つしかない花があるの。とげのある花。でもヒツジがたべてしまったら…」。「ごめん。花はきっとだいじょうぶ。ぼくがヒツジに、口輪(くちわ)をかくよ」。「うん」。

scene 05花はたくさんわがままをいった
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「ねぇ、花のこと、きかせて」。ぼくがそういうと、王子さまはいいました。「花はね、とげがあって、とってもつよがりなんだ。なのに、『つめたい風(かぜ)はきらいよ』っていうから、ぼくは風よけをつくったり、ガラスのはちをかぶせたり」。「たいへんだ」。「うん。毎日(まいにち)、毎日、一生けんめいお世話(せわ)をした。きれいだよ、とっても。見てるだけなら、ね」。「花はたくさんわがままをいったの?」。「うん…。それがつらくて、ぼくは旅(たび)に出たんだ」。

scene 06旅のとちゅうで出あった大人たち
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旅(たび)のとちゅうで王子さまは、いろんな大人たちに出あいました。『めいれいだ!』しかいわない王さま。『はい、はくしゅ~』。自分(じぶん)をほめてほしがるうぬぼれや。『ヒック』。朝(あさ)から酒(さけ)をのんでばかりのよっぱらい。自分の星(ほし)をかぞえつづけるビジネスマン。『…5億(おく)162万2731…』。『はい、つける。はい、けす。はい、つける…』。いわれたことだけをひたすらやる男。自分の目でなにもたしかめない学者(がくしゃ)。『あ~いそがしい、いそがしい』。…「ぼくには、大人がわからない」。

scene 07花は一つだけじゃなかった
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そんな王子さまが地球(ちきゅう)にきて目にしたのは、とげのある花たちでした。「花は、この世(よ)に一つだけじゃなかったの? 花は、うそをいったの?」。なきだす王子さま。

scene 08“とくべつ”になるということ
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「まって…。キツネさん、一人にしないで」。でも、「わるいけど、ぼくたちまだ、なかよくないし」とキツネ。「どうすれば、いいの?」。「時間(じかん)をかけて、“とくべつ”になるのさ」。「“とくべつ”?」。「しりたかったら、明日(あした)もここであおう」。つぎの日も、そのつぎの日も、王子さまとキツネはあいました。「もしキツネがたくさんいたら、きみはもうそのなかから、ぼくを見つけることができる?」とキツネ。「見つけられるよ。大すきだもの。それが“とくべつ”ってこと?」。「そうさ。明日は、あう“時間”をきめよう」。

scene 09♪きみはもう“とくべつ”
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「♪もうすぐ、かな?」と王子さま。「♪もうすぐあえる」とキツネ。「♪きみをまつとワクワクする」。「♪きみとあえるとドキドキする」。「♪ふしぎだね、なかよくなるって」。「♪ふしぎだよ、なかよしって」。「♪きみはもう“とくべつ”」。「♪見えるけしきが、ちがってくる」。「♪見えないこと、わかりあえる」。「♪きみはもう“とくべつ”」。すずの音がひびきます。

scene 10「たいせつなことは目に見えない」
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「あれ? これは…ただの花。星(ほし)にのこしてきたのは、“ぼくだけ”の花」と気づいた王子さま。「そう。いっしょにいて、“とくべつ”になってた。ぼくらみたいに、ね。おぼえておいて。たいせつなことは目に見えない。だから、“心(こころ)で”見るんだ」とキツネがいいました。「心で…」。

scene 11星にかえった王子さま
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王子さまは、星(ほし)へかえることをきめました。「花にあいたいから、おねがい…」とヘビにたのむ王子さま。「うっ」。王子さまは、ヘビにかまれました。たおれてしまう王子さま。「ヘビのどく、つよいね…」。くるしそうにいいます。「飛行機(ひこうき)、なおったんだよ」とぼく。「ぼくたち、かえれるんだ。ねぇ、あのなかに、ぼくの星がある。ぼくは、そこで、わらってるから…」。「王子さま!」。王子さまは息(いき)をひきとりました。しばらくすると満天(まんてん)の星空からすずの音がきこえます。…「きこえるよ」。ぼくは星空を見上げてこたえました。「花は…元気(げんき)?」。

おはなしのくに
星の王子さま
”大切なことは目に見えない。だから心で見るんだ” 【作者】サン=テグジュペリ 【語り】小池徹平

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