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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01やさしい心のハンス
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むかし、ある村に、ハンスという男の子がいました。3人兄弟(きょうだい)のすえっ子で、とてもやさしい心のもちぬしでした。「お兄ちゃんたち、いってらっしゃい! あ、ちょっとまって! これ、お母さんがつくってくれたおべんとう」。お兄さんたちにおべんとうをわたそうとして、「あ~とっとっと!」ところびそうになるハンス。「ハンス、おまえはほんとうにおっちょこちょいだなぁ」とお兄さんがあきれたようにいいました。「えへへへへ」とわらうハンス。〔語り:田中直樹(たなか・なおき)さん(ココリコ)〕

scene 02森へ出かけたお兄さんたち
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お兄さんたちは、森へ木をきりに出かけました。しばらくして2人は、お母さんがつくってくれたおべんとうをたべることにしました。おかずがぎっしり入った、ごうかなおべんとうです。そのときでした。「やぁやぁ、きみたちのおべんとう、おいしそうじゃなぁ。わしにもわけておくれ。はらがペコペコなんじゃ」という声(こえ)がしました。見ると、木のきりかぶに小さなおじいさんがすわっていました。「なんだって? じいさん、そんなことをしたら、おれたちのぶんがなくなっちゃうじゃないか」とお兄さん。すると…、「うわぁーっ!」。「ひぃーっ!」。とつぜん、おのが2人をおいかけだしたのです。「たすけてーっ!」。

scene 03小さなおじいさんがあらわれて
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よくあさ。「いってきまーす!」。おっちょこちょいのハンスは、お兄さんたちのぶんまで、と意気(いき)ごんで、森へと出発(しゅっぱつ)しました。お母さんからもたされたのは、ひからびたパン2つだけでした。森の中について、「よーし」と木をきろうとしたとき、「やぁやぁ、そのおべんとう、わしにもわけてくれないか。はらがペコペコなんじゃ」。きりかぶの上に小さなおじいさんがあらわれていいました。「うん、いいよ。いっしょにたべよう!」とハンス。「あ、でも、ぼくがもってるのは…このパンだけなんだ」とひからびたパンをとりだしました。すると…。

scene 04「あの木をきってごらん」
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「えぇっ? パンがおいしそうなごちそうに、かわった!」。ひからびたパンが、おいしそうなチキンになったのです。「うんうん。うまい、うまい」。おじいさんはおいしそうにチキンをたべています。いっしょにチキンをたべながら、「どういうことだ? でもよかった。おなかいっぱいになった?」とハンスはおじいさんにはなしかけました。するとおじいさんは、「おまえさんは、自分(じぶん)のものをこころよくわけてくれるやさしい人だ。なにかおれいでも。そうじゃ、あの木をきってごらん」と森のおくを指(ゆび)さしました。「えっ? あの木…?」。

scene 05木の中から金のがちょうが
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「えいっ。えいっ」。ハンスはおのをふるって、おじいさんにいわれた木をきりたおしました。すると…。のこったきりかぶの上に、金のがちょうがあらわれました。「うわぁ~ははは」。「くわっくわっ。くわっくわっ。くわ~くわくわくわ~」。ハンスはがちょうをだきあげました。「こんな金ぴかのがちょう、見たことないぞ。かわいいなぁ」と大よろこびです。「ねぇねぇ、がちょうさん、ぼくのおうちにあそびにおいでよ」。

scene 06手ががちょうにくっついた!?
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金のがちょうをかかえたハンスが家(いえ)へむかっていると、3人姉妹(しまい)がとおりかかりました。「金のがちょう!」。いちばん上の姉(あね)はいいました。「なんてきれいなの。あんながちょう見たことない。わたし、さわってみたい」。がちょうにさわると、「あっ、手ががちょうにくっついちゃった! どうしよう、とれないわ!」。「お姉さん、どうしたの? あら、わたしもさわってみたいわ」。さわろうとした手が姉にふれたとき、「あららら? わたしの手もお姉さんにくっついちゃった!」。「まぁ、どうしましょう」と二人はびっくり。「さわっちゃだめよ!」。姉たちがいいますが、妹(いもうと)の手が姉にふれてしまい、やっぱりくっついてしまいました。「なんで?!」。

scene 073人姉妹がつながってあるきだした
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そこでハンスは3人姉妹(しまい)に気づきました。「きみたち、なにしてるの?」。「わたしたちにもよくわからないけど…」。「手が…」。「くっついちゃったのよ!」。ハンスと、がちょうと、3人姉妹がつながっています。「手がとれないよ~」。「どういうことなの?」。ハンスはわらっていいました。「あははは。まぁ、いいか。みんなでいっしょにいこう!」。そしてハンスはそのままあるきだしました。「あらっ?」。「あれぇーっ」。

scene 08ぼくしさんも村人も
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すると、「きみたち!」とだれかが声(こえ)をかけてきました。「あ、ぼくしさん」とふりむいたハンスはいいました。「いったいなにをやっているんだ? はなれなさい」。そういって3人姉妹(しまい)にふれたぼくしさんの手も、くっついてしまいました。「えーっ? ぼくしさんまで?!」。さらに、ぼくしさんをたすけようと村人もやってきて…「あっ!」。「わぁ、みんなくっついちゃった! ははは」とハンスは気にせずにあるきつづけました。

scene 09いちどもわらったことのないおひめさま
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ハンスたちは、おしろの前(まえ)をとおりかかりました。おしろには、おひめさまがいたのですが、そのおひめさまは、生まれてからいちどもわらったことがありませんでした。このおひめさまをわらわせたものはけっこん相手(あいて)になれる、というおふれが出されていました。「あれがわらわないおひめさまか」。がちょうをかかえながらおしろをながめてハンスがつぶやきました。そして、うしろにつながった人たちを見て、「ふぅーん…」となにかおもいつきました。「あら、ちょっと、やだぁ」。「またぁ?」。おしろのおひめさまは、なにやらさわがしいのに気づいてぼうえんきょうで見てみました。

scene 10おひめさまがわらいだした!
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「よいしょ、よいしょ…」。ハンスがあるきにくそうにみんなをひっぱりながらあるいていきます。「わぁっ!」ところびそうになるハンス。「ちょっと!」。「あららら」。「しっかりあるいてよ!」。「おーっとととと」。「ぼくしさん、わたしの足ふんでる!」。「ハンスくん!」。「おーっとっとっとっと」。「ハンスくん!」。「ぼくしさん! だから足、ふまないで!」。たいへんなさわがしさです。ぼうえんきょうでそのようすを見ていたおひめさまは、「うふふふ…あははは…アッハッハッハッ」とわらいだしました。「あっ、おひめさまがわらった!」とハンス。そして、「あっ。手、はなれた…」と姉妹(しまい)。

scene 11王さまのじょうけん
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「あははははは…」。おしろではおひめさまがわらいつづけています。ところが王さまはいいました。「けっこんのじょうけんはもう一つある。ふねだ。それも、水の上だけでなく、りくでもうごけるめずらしいふね。もしもよういできたら、むすめとのけっこんをゆるしてやろう」。「りくでも、水の上でもうごけるふね? そんなのきいたことないよ…」とかんがえこむハンス。すると、「あ、そうだ!」となにかおもいついて、かけだしました。

scene 12おじいさんのおかげで
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「ハァ、ハァ、ハァ…」。ハンスは森のおくのあの小さなおじいさんのところにやってきました。するとおじいさんは、なにもいわず、なにかをよびだしました。「こ、これは…」。ハンスはびっくり。「ほれ。水だろうがりくだろうが、どこだってうごくふねだ。おまえさんにやろう。なぜって? あんなにしんせつにしてくれたんだからのぅ」。「あっはははは」。ふねまでよういされては、王さまもことわれません。ハンスはおひめさまとけっこんし、しあわせにくらしました。

おはなしのくに
金のがちょう
”みんな、くっついちゃった!!”こころ優しい少年のドタバタ劇!【作者】グリム童話【語り】田中直樹

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