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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01いたずらばかりしている、ごんぎつね
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ある山の中に、「ごん」というきつねがいました。ごんは、ひとりぼっちの子ぎつねでした。いつもちかくの村へいっては、いたずらばかり。畑(はたけ)のイモをほりおこしたり、のきさきにつるしてあるカキをとったり…。ながくつづいた雨がやっとあがった、ある秋(あき)の日。ちかくの川で、兵十(ひょうじゅう)という男がなにかをやっているのを見かけます。ごんは、そうっとのぞいてみることにしました。〔語り:青木崇高(あおき・むねたか)さん〕

scene 02兵十が川で魚をとっていると
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「あっ、かかった! かかってるぞ! よし、こりゃ大漁(たいりょう)だ」。兵十が川にあみをしかけて魚(さかな)をとっていました。「おぉ~、うまそうなウナギだ」。つぎつぎに魚をとりだしてかごに入れていきます。「あっちのあみには、かかっているかな? ちょいと見てくるか」。兵十はかごをそこにおいたまま、ほかの場所(ばしょ)にしかけたあみを見にいきました。

scene 03ごんが魚やウナギをにがしてしまった
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すると、草むらからごんがヒョイと顔(かお)を出しました。「兵十がもどってくる前(まえ)に、ちょいといたずらしてやろう」。そういうとごんは、兵十のかごの中からつぎつぎに魚(さかな)をとりだして川になげこみます。「ほい! ほい! ほい!」。さいごに大きなウナギも口にくわえてとりだしますが、「キュッキュッ」とウナギがごんの首(くび)にまきつきました。「うわぁ~」とごん。そこへ、「こら! なにやってんだ!」と兵十がもどってきました。「うわっ、見つかっちまった!」。ごんはあわててにげだします。「ぬすっとぎつねのごん! おれのウナギをかえせ~!」。

scene 04兵十のおっかあがしんだ?
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十日ほどたったある日。ごんは、兵十の家(いえ)の前(まえ)をとおりかかりました。家の中にはおおぜいの人があつまっています。中では女の人たちがかまどで火をたいています。兵十はひとり、ぽつんとすわっていました。「そうしきだ。兵十の家でだれかしんだのかな?」。ごんは墓地(ぼち)までいって、ようすを見ることにしました。そうしきが出る合図(あいず)のかねがきこえました。「おっかぁ…」。いはいをもって兵十がせんとうをあるいています。「あ~、しんだのは兵十のおっかあなんだ」とごん。

scene 05なんであんないたずらをしたんだろう…
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その夜(よる)、ごんはかんがえました。「あんとき…『ぬすっとぎつねのごん! おれのウナギをかえせ~!』。ありゃあきっと、しんじまった兵十のおっかあがウナギがたべたいといったから、兵十が川でウナギをとってたんだ。兵十もおっかあにウナギをたべて元気(げんき)になってほしかったんだ。なのにおいらがいたずらしたから、兵十はおっかあにウナギをたべさせてあげられなかった。きっとそのままおっかあはしんじまったにちがいない。あぁ、ウナギがたべたい、ウナギがたべたいといってしんじまったにちがいない。あ~、なんであんないたずらをしたんだろう…」。

scene 06イワシをこっそり兵十の家へ
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兵十がいろりの前(まえ)で米(こめ)をついています。ごんが外(そと)からそっとのぞきました。「おいらとおなじ、ひとりぼっちの兵十か…」。すると、「イワシはいらんかね~。生きのいいイワシ! 今日(きょう)はイワシの安(やす)うりだよ~」という声(こえ)がきこえてきました。ごんは、声のするほうへはしっていきました。「イワシをおくれ」。「へい、まいど」。女の人に声をかけられ、イワシうりはかごをおいたまま、イワシをもって家(いえ)の中へ入っていきました。そのすきに、ごんはイワシをつかむと…。兵十の家になげこみました。ごんは、兵十のために一ついいことをしたとおもいました。

scene 07兵十がイワシをぬすんだとおもわれた
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つぎの日。ごんは山でクリをたくさんひろって、兵十の家(いえ)にいきました。そうっとのぞいてみると…。「いったいだれがイワシをほうりこんでいったんだ」と兵十。「え?」。「おかげでおれがぬすんだとおもわれて、イワシ屋(や)のやつにひどい目にあわされたじゃないか」と兵十がおこっています。「あ、おいらがなげこんだイワシが見つかっちまったんだな。そいつはわるいことしちまったなぁ」。ごんは、クリをそっとおいてかえりました。つぎの日も、そのつぎの日も、ごんは、クリをひろって兵十の家へもっていきました。たまに、マツタケももっていきました。

scene 08毎日とどけられるクリやマツタケ
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「へへ、今日(きょう)はとびきり大きなクリを見つけたぞ」。ごんがクリやマツタケをなげ入れるとゴロゴロッと音がしました。「ん?」。兵十がその音に気づいたようなので、「おっと」と、ごんはかくれます。「今日もだ。いったいだれがもってくるんだ? どこかのだれかが、ひとりぼっちのおれをあわれにおもってもってきてくれるのか? でも毎日(まいにち)毎日、わざわざ山へいってとってくる? いやいや。だれがそんなめんどうなことしてくれるっていうんだ」。そこでふと兵十は気がつきました。「そうか!」

scene 09神さまのめぐみ!?
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「神(かみ)さまか! 神さまがおれをあわれんでくださってるんだ。あ~神さま、おめぐみくださいましてありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます…」。そのようすを見ていたごん。「フン。つまんないな。おいらがクリやマツタケをもっていってるのに、このおいらにはれいをいわないで、神さまにれいをいってるんだから。おいらはむくわれないな~」とつぶやいて、いってしまいました。

scene 10「ごん、おまえだったのか…」
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つぎの日。兵十はうらのものおきでなわをなっていました。ごんはいつものようにクリをもってきて、土間(どま)におきました。その音が兵十にきこえました。「まさか、おっかあの、あのウナギをぬすみやがった、あのごんか? またわるさをしにきやがったな! ようし」と立ち上がり、てっぽうを手にとりました。そして、家(いえ)から出ていこうとしたごんめがけて、「ダーン!」。てっぽうをうちました。「うっ!」とたおれるごん。ところが、ちかよった兵十は、土間におかれたクリとマツタケを見つけたのです。「あっ…。ごん、おまえだったのか…」。ゆっくりうなずくごん。ぼうぜんとたたずむ兵十でした。

おはなしのくに
ごんぎつね
"ごん、おまえだったのか・・・”【作者】新美南吉【語り】青木崇高

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