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一見、どれも同じように見える数。でも、数にはそれぞれちがいがあります。そして数には、長方形にならべられる数と、ならべられない数があります。「６」は「３×２」の長方形に、「15」は「３×５」の長方形にならびます。しかし「17」は、長方形にはならびません。

では、二つの数のあいだにはどんな関係があるのでしょう。「６」と「９」でみんなの意見を聞いてみました。「６に３をたすと９という関係」。「二つとも３の倍数ということと、上下ひっくり返しても６と９だなと思います」。「９は分けると３が三つできるけど、６は分けると３が二つできるということ」。いろいろな意見があります。

では、「６」と「12」にはどんな関係があるのでしょうか。これもみんなの意見を聞きました。「一年だなと思いました。６が半年、12が一年で、何か共通しているのかなと」。「見た目は全然ちがう数字だけど、実はけっこう近い数字だなと思った。ひとけたとふたけたで遠いようだけど、差はたったの６だから」。「６を二倍すると12だということと、両方とも２と３の倍数だということ」。

たまご舞踊団（ぶようだん）の登場です。ピンクのたまごが６こ、青いたまごが９こ出てきました。２れつにならぶと、「６」は２×３の長方形にならべますが，「９」はうまくならべません。３れつにならんでみると、「６」は３×２、「９」は３×３にと、なかよく長方形にならべました。そこへ、青いたまごがもう３こやってきて、青いたまごは12こになりました。ならんでみると、「６」と「12」は２れつでも、３れつでも、６れつでも、なかよく長方形にならぶことができました。

「６」と「９」をそれぞれかけ算の式に書いてみると、「６＝２×３」、「９＝３×３」となります。「６」と「９」のあいだには、「３」という共通点があることがわかります。一方、「６」には「２」という、「９」にはない部分があります。そして「９」にはもう一つの「３」という「６」にはない部分があります。人間の生活には、「公」と「私（し）」の両方の部分があります。社会でほかの人といっしょに行う「公」。それぞれ自分だけで行う「私」。数にも、この区別があるのです。

では、「６」と「12」で考えてみます。「６＝２×３」、「12＝３×４＝３×２×２」。「６」と「12」のあいだには、「２」と「３」という共通点があります。「６」と「12」はなかよくできる「公」の部分をたくさん持っています。では、「６」と「15」は、どれくらいなかよくできるのでしょうか？「６＝２×３」、「15＝３×５」。「６」と「15」には、「３」という共通点があります。「公」の部分が一つあるので、ちょっとなかよくできます。一方、「２」は「６」のほうにしかない「私（し）」。「５」は「15」のほうにしかない「私」です。

たまご舞踊団（ぶようだん）もピンクのたまごが６こ、青いたまごが15こで、なかよくならべるかトライしてみます。２れつではなかよくならべません。「公」の部分の「３」を使って３れつにならぶとなかよくならべました。６れつではなかよくならべません。

とてもなかがよい「６」と「12」。ところが、一つ入れかわって「７」と「11」になるとどうでしょう？「あまりいい感じがしない。２でわれないからだと思います」。「どっちもわけられない数」。「７も11も、１以外の数ではわりきれないからなかよくなれない」。みんなの意見です。ピンクのたまごが７こ、青いたまごが11このたまご舞踊団（ぶようだん）がならんでみます。しかし、２れつでも、３れつでも、なかよくならべません。「７」と「11」には「公」の部分がまったくありません。だから、「７」と「11」は全然なかよくできないのです。