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オープニング
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オープニングタイトル

scene 01地図にかきこまれた印
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6年前のある夜。あやしげな三人の男が、林の中の木の根元をほって革(かわ)のふくろをうめていました。そして、男のなかの一人がニヤリとわらうと、持っていた地図に×印と木のマークを書き入れました。

scene 02“宝の地図”
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「これが宝(たから)の地図ですか」。さんすう課でゼロとイチが刑事(けいじ)課のチョウさんが持ってきた地図を手にしています。地図の印は、宝石(ほうせき)をかくした場所。6年前大量に宝石をぬすんだ犯人(はんにん)がかくしたのです。チョウさんは6年間ずっと犯人を追い続けたのですが、さっぱり足取りがつかめず、もうすぐ時効(じこう)です。「時効をむかえたら犯人は宝石をほり出し、それを売り飛ばすだろう。それをさせまいと、その地図を手に入れたんだ」。宝石がうめられた場所で犯人を待ちぶせすればいいのですが、「印のついた場所がわからないんだ」。

scene 03縮尺がわからないと…
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チョウさんが現在(げんざい)の地図を見せました。開発が進んであたりの様子はすっかり変わっています。地図をならべて見ると昔のままなのは神社くらい。「しかも古い地図には縮尺(しゅくしゃく)が書かれてないんだよ」。縮尺とは、地図に書かれた『5,000分の1』というような尺度で、この地図では1cmの長さが50mを表しています。縮尺がわかれば実際(じっさい)の長さもわかります。でも縮尺がわからなければ、神社から印の場所までのきょりがどれくらいかわからないのです。「ゼロ、おまえの力で解決(かいけつ)できないか?」とチョウさん。

scene 04同じ果樹園があった!
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「うーん」と考えこむゼロ。まずは、二つの地図をよく見くらべてみることにしました。するとイチが、どちらの地図にも正方形の果樹園(かじゅえん)があることに気づきました。同じくらいの大きさです。「大きさが同じということは、二つの地図の縮尺(しゅくしゃく)も同じということだな?」とチョウさん。するとゼロが、「待ってください。何年もたってるんです。果樹園の大きさが変わっている可能性(かのうせい)もあります」と指摘(してき)。まずはこの果樹園に行ってたしかめることにしました。

scene 05「今の4倍はあったかなぁ」
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三人が果樹園(かじゅえん)にやってきました。ご主人に話を聞くと、やはり何年か前に畑を小さくしていました。ご主人いわく「今の4倍はあったかなぁ」。そこでイチが地図の畑の一辺を4倍にした図をかきます。「昔の畑と今かいた畑が同じ大きさだということは、新しい地図は古い地図を4倍に拡大(かくだい)したものなんだ!」とゼロ。古い地図上の神社から宝石(ほうせき)をうめた印までの長さを4倍すればいいのです。印は神社から東に6cm、北に4cmのところにありました。それを新しい地図で4倍にすると、東に24cm、北に16cmの場所です。

scene 06宝石がうめられているはずの場所は
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ところが、宝石(ほうせき)がうめられているはずの場所に来てみると、そこには大きなマンションが建っていました。去年建てられたそうです。「犯人(はんにん)はもうきっと、宝石を別の場所にうつしかえたんだろうなぁ…。何年もずっとさがし続けたのになぁ…」と、チョウさんはがっくり。でも、近所の人の話では、このあたりはずっと田んぼで、地図にかかれていた木はなかったというのです。そのときゼロは、『今の4倍はあったかなぁ』という言葉を思い出しました。「なるほど、4倍か!」。そうひらめいて、ゼロはかけ出しました。

scene 07長さではなく広さのことだった
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「昔、果樹園(かじゅえん)はこれぐらいの大きさだったのでは?」。ゼロが地図を見せながら果樹園のご主人にたずねました。地図にかかれているのはさっきより小さい果樹園です。すると「そうだそうだ」という返事。「やっぱり」とゼロ。4倍というのは長さではなく、広さのことだったのです。さっき辺の長さを4倍にしたとき、果樹園の広さは元の広さの16こ分になりました。辺の長さを3倍にすると9こ分。2倍だと4こ分です。広さが4倍になるとき、長さは2倍になるのです。新しい地図は古い地図を2倍に拡大(かくだい)したものでした。

scene 08ついに場所をつきとめた!
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イチが地図に場所をかき直していきます。「ということは、東に6cm×2で12cm、北に4cm×2で8cm。ここです!」とイチ。「ここに宝石(ほうせき)がうめられているんだな」とうれしそうなチョウさん。「犯人(はんにん)はいつごろ宝石をほり出しに来ますかねぇ」とゼロ。「このあたりは近々マンションが建てられる予定になっている。工事が始まる前に、ほり出しにくるんだろうなあ」とチョウさんはほくそ笑み、3人は顔を見合わせました。

scene 09「“さんすう”の力です!」
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深夜。三人の男が木の下からうめてあった宝石(ほうせき)をほり出しました。「こいつ売り飛ばせば、一生遊んでくらせるぜ!」と喜ぶ男たち。するとそのとき、ライトが男たちを照らし出しました。「ハーイ、そこまでだ。おとなしくしてればなぁ、あと少しで時効(じこう)だったのに」とチョウさん。あわててにげ出す男たちですが、次々に取りおさえられました。「ゼロ、おかげでやっとつかまえられた。ありがとよ!」と、念願がかない、うれしそうなチョウさん。そんなチョウさんに「いえいえチョウさんのねばり強さと、“さんすう”の力です!」とゼロが応(こた)えました。

さんすう刑事ゼロ
宝の地図をよみとけ ~拡大図と縮図~
盗まれた宝石の隠し場所が記された古い地図。しかし、肝心の「縮尺」が記載されていない。ゼロは最新の地図と見比べることで隠し場所を見つけ出す。
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算数6年拡大図縮図地図