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オープニング
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(オープニングテーマ)

scene 01観覧車のデジタル時計と男の写真
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夜、かざり照明のついた大きな観覧車(かんらんしゃ)の前で、男がカメラをセットしています。タイマーに合わせてシャッターが切れ、ストロボが光りました。とれたのは、観覧車と男の写真です。観覧車についているデジタル時計は20時20分をしめしています。

scene 02算数で事件を解決する「さんすう課」
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ここは警視庁(けいしちょう)の「さんすう課」。“イチ”こと一之瀬(いちのせ)巡査(じゅんさ)が電話で話しています。「ぼくさぁ、ここは警察なんだよね。算数の宿題を教えてって言われてもねぇ…」。小学生からの電話のようです。すると、「イチ! ちょっとかしなさい」と、“ゼロ”こと善田(ぜんだ)警部補(けいぶほ)が電話を代わりました。「ふんふん、なるほど…。真ん中に補助(ほじょ)線を引いてみるとどうかな? うんうん。また何か算数でこまったことがあったら、さんすう課のゼロまで。よろしく」。さんすう課は、算数で事件(じけん)を解決(かいけつ)することが仕事です。

scene 03犯行時刻のアリバイを調べよ!
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そのとき、正二十面体の通信器が光りました。主任(しゅにん)から指令です。ホワイトボードに捜査資料(そうさしりょう)がうつし出されました。「ゼロ、イチ、事件(じけん)よ。大金持ちの屋敷(やしき)から古い貴重(きちょう)なカメラがぬすまれたの。犯行時刻(はんこうじこく)は昨日の夜8時、20時から20時30分のあいだ。そのころ事件現場(げんば)近くで目撃(もくげき)されたのが、カメラマンの中目中(なかめ・あたる)。古いカメラを集めるのが趣味(しゅみ)らしいわ。犯行時刻に中目のアリバイがあるかどうか、たしかめてきてちょうだい」。いよいよ、さんすう課の出番です。

scene 0420時20分のアリバイ
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「昨日の夜8時から8時半までのあいだ、何をされてましたか?」。中目中のスタジオでゼロが中目にたずねました。「その時間は…、夜景をとってましたね」と中目は写真を見せます。夜景に写っている観覧(かんらん)車の時計は“20:20”。午後8時20分です。その観覧車は事件現場(じけんげんば)からかなりはなれています。しかも観覧車の照明は昨日だけの特別なものでした。ということは、中目は犯人(はんにん)ではない? しかしゼロは、「何かにおうぞ」とつぶやきました。写真から“数字のにおい”がたちこめてきたのです。ゼロはその写真を借りて帰ります。

scene 05“2”が鏡にうつると…
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さんすう課にもどったイチがルーペで中目の写真を調べています。でも加工したあとは見当たりません。「ぼくたちがまちがってるんでしょうか」とくやしそうなイチに、「あきらめない、あきらめない」とゼロ。お茶を入れていたイチが、ふと日めくりカレンダーを見て言いました。「あれ? もう5日でしたっけ?」。ゼロに「まだ2日だよ」と言われ、カレンダーが鏡にうつっていたことに気がついたイチ。鏡の中の“5”と本物の“2”を見くらべているうちに…。「先輩(せんぱい)! ぼく、ひらめいちゃいました!」。

scene 06“2”と“5”は線対称の関係
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カレンダーの2日と5日をやぶり、イチはゼロに二つの数字を見せます。「ひっくり返すと同じ数字になるんです!」。2をひっくり返すと5とぴったり重なりました。「線対称(せんたいしょう)だな」とゼロが言います。「中心線で折り返すとぴったり重なる図形を、“線対称”と言うんだよ」。それがどう事件(じけん)と関係があるのかと聞くゼロに、「犯人(はんにん)は鏡を使ったんです」とイチが言いました。中目の写真に写った“20:20”を鏡にうつすと、数字が“05:05”に見えます。「犯人は鏡を使って5時5分にさつえいしたんです。つかまえに行きましょう!」。

scene 07“2”をさかさまにして見ると…
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ところがゼロは、「まあ、ちょっと待て待て」とイチを引き止めました。「5時5分には、もう日がのぼってるぞ。夜景はとれないだろ」。そう言われてがっくりとソファにこしをおろし、テーブルにつっぷすイチ。そのはずみで、日めくりカレンダーがひらひらとゼロの足元に落ちました。数字の2です。その紙を拾ってながめていたゼロは、「おっ!」と気がつきました。2をさかさまにしても、2に見えるのです。「なるほど! イチのおかげで真実が見えたぞ!」。

scene 08“2”は点対称の図形
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ふたたび中目中をたずねたゼロは、2日のカレンダーを取り出しました。いくつに見えるかと質問(しつもん)するゼロに、「2に決まってるでしょ」と答える中目。「その通り。ただしこの数字、逆(ぎゃく)なんです。この数字は“点対称(てんたいしょう)”。つまり、180度回転させても同じ形なんです」。そしてゼロは、「この写真、何時にさつえいしたと思いますか」と、イチと観覧(かんらん)車の写真を見せました。観覧車の時計は“20:51”です。でも夜ではなく昼間の写真です。ゼロが写真をひっくり返すと時計は“15:02”に。昼の3時2分でした。「このトリックに覚えはありませんか」。

scene 0920時20分ではなく…
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「あなたが写真をさつえいしたのは20時20分ではなく、深夜2時2分だったんです。あなたは衣装(いしょう)をかけるラックにさかさまにぶら下がって写真をとった。ちがいますか?」。ゼロにこう言われ、「あ、ああ…」と中目。そこへイチがかけこんできました。「先輩(せんぱい)、ぬすまれたカメラが見つかりました!」。手にアンティークカメラを持っています。「うわぁ…、どうしてもそのカメラで写真をとってみたかったんです…」。がっくりとひざをつく中目。「計算があまかったようですな」。ニヤリと笑うゼロでした。

さんすう刑事ゼロ
時計のトリックを見破れ 〜対称〜
容疑者が撮影した写真には、20:20を示すデジタル時計がうつっていた。その時計のトリックを、ゼロが「線対称」「点対称」の関係を使って明らかにしてゆく。
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