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scene 01睡眠時間が短いと…?
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十代のみんなはちゃんと夜眠っているのでしょうか。街頭で聞いてみました。「5時間くらい」、「6時間くらい」(中3女子)。「4~5時間」(中1女子)。「ケータイがあるから寝られない」(高2女子)。「グループLINEしてると一人だけ会話から抜けられない」(中3女子)。「勉強もやらないとテストが危ないので」(高2男子)。でも、睡眠には十代の成長にとって大切な役割がたくさんあります。なかには、中高生にとって気になる、ある重大なことも。「睡眠時間が短かったり、遅くまで起きていたりすると、『???やすくなる』ということが報告されています」(睡眠の専門家)。意外と知られていない睡眠のひみつとは…?

scene 02睡眠のひみつ“NF”?
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「睡眠のひみつって、一体何だと思う? ぼくも忙しいとついつい睡眠不足になったりすることがある。でも睡眠が足りないと、大変なことになるんだ。それが、意外と知られていない睡眠のひみつ、“NF”」(DAIGOさん)。――眠っているあいだ、私たちの体の中で何が起こっているのでしょう。まずはみんなも知っているように、脳や体を休めています。疲れるとたまってくる老廃物を眠っているあいだに排出して元気になります。さらには、風邪など病気にかかりにくくする免疫(めんえき)機能も、眠ることによって高くなります。

scene 03睡眠の重要なカギ「成長ホルモン」
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そして、寝ているあいだだけに出てくるあるものが、睡眠の役目の重要なカギを握っています。それが、成長ホルモンです。成長ホルモンは、背を高くしてくれたり、脳の発達をうながして記憶力をアップさせたりします。さらには、心の安定ももたらすのです。そして実はこの成長ホルモン、睡眠のひみつ“NF”にも関わっています。“NF”とは一体何のことでしょう。

scene 04“N(ねないと)F(ふとる)”!
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長年、睡眠の研究をされている久留米大学医学部長の内村直尚教授に聞いてみました。「睡眠時間が短かったり遅くまで起きていたりすると、太りやすくなるということが報告されています」(内村先生)。“NF”とは、“N(ねないと)F(ふとる)”だったのです。寝ているあいだに出る成長ホルモンは、新陳代謝(しんちんたいしゃ)を高めてエネルギーをよく消費させる役割を持っています。寝不足で成長ホルモンがちゃんと出ないと、新陳代謝が低下して太りやすくなるというわけです。さらには、睡眠時間が短いと食欲を増進させるホルモンが出てしまい、逆に満腹を感じるホルモンが出なくなって、食べ過ぎてしまうのです。

scene 05眠り始める時刻が決め手
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「簡単に言えば、背が高くなって、頭もよくなり、心が安定してキレにくくなる。ダイエットにもいいし、きれいになれる」(内村先生)。しかしこの成長ホルモン、いつでも出てきてくれるわけではありません。たくさんゲットできるかどうか、それは眠り始める時刻が決め手です。中高生のみんなは何時に寝ているのでしょう。「12時ぐらい」、「2時ぐらい」(中3女子二人)。「夜中の1時」(高2男子)。「次の日に予定がなければ遅く寝てもいいかな」(高3女子)。ちょっと待って! 遅い時刻に寝ると、出てくる成長ホルモンは少なくなってしまうのです。

scene 06夜11時までには寝て7時間以上の睡眠を
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成長ホルモンがしっかり出るのは、夜の9時から朝の4時くらいまで。この時間に睡眠をとったほうが、より多くの成長ホルモンをゲットできます。中高生の理想的な睡眠は、遅くとも夜11時までには寝て、7時間以上眠ること。早い時刻に寝て、成長ホルモンをたくさん出しましょう。「早寝早起きして成長ホルモンを出すと、病気にかかりにくくなるし、頭もよくなるし、太りにくくなる。いいことずくめ。でもそうは言っても、夜ふかししちゃう中高生も多いんじゃないかな。そんな人たちのために、こんな取り組みをしている高校があるんだ」(DAIGOさん)。

scene 0715分間の午睡タイム
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福岡県立明善(めいぜん)高校では、2005年から、あることを毎日行っています。お昼ごはんを食べ終わった午後1時。「ただいまから、15分間午睡(ごすい)タイムに入ります」という校内放送が流れました。教室の窓のブラインドを下ろし、午後1時からの15分間は午睡タイム、いわゆるお昼寝の時間です。15分という時間は、疲れがとれてすっきり起きることができるちょうどよい時間。睡眠不足による午後の集中力低下を防ぐことができるのだそうです。「全然午後の授業が眠くないし、すっきりして受けられます」(生徒)。

scene 08睡眠を制する者が受験を制す
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この学校で調べたところによると、昼寝を導入したあとの年は学力がアップ。センター試験の平均点がぐっと上がったそうです。「睡眠を制する者が、受験を制し、学生生活を制する」と内村先生は言います。「短いお昼寝だけでも、すごい効果があるんだね。とは言え、学校でお昼寝の時間がないところではなかなかむずかしいよね。じゃあ、ふだん、家でよい睡眠のためにできることって何だろう?」(DAIGOさん)。

scene 09早く寝る秘訣は「朝」
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ついつい寝るのが遅くなってしまう人のために伝授する早く寝るためのコツ。なんとその秘訣(ひけつ)は、朝にありました。朝の光をいっぱい浴びる。そこから夜の眠りの準備が始まるのです。そのひみつを握るのが、脳から出てくる「メラトニン」というホルモン。メラトニンが脳から出てくると、私たちは眠くなり、よい睡眠に入ることができます。そしてこのメラトニンの原料は、光を浴びることで作られ始めます。ところがメラトニンができるまでには、光を浴びてから16時間かかります。だから夜11時に寝るためには、朝7時に起きて朝日を浴びておくことが必要というわけです。

scene 10朝食にたんぱく質を
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そしてもう一つ。メラトニンを作るのに必要なのが、たんぱく質。朝食のメニューに、豆製品や乳製品、肉や魚などを取り入れると効果的です。そしてもう一つ大事なこと。パソコンやスマホのブルーライトはメラトニンを減らしてしまうので、夜8時以降、特に寝る一時間前からは使わないようにしましょう。朝から備えてしっかり睡眠。よく寝て、きれいになりましょう。「基本は、早寝早起き。成長ホルモン、いっぱい出してね。それではさっそく、ぼくもお昼寝を…」(DAIGOさん)。

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寝ないとどうなる?
スマホやSNSが普及した影響か、睡眠不足となる中高生も少なくない。睡眠の効果を様々な角度から見つめ、その大切さと、質のよい睡眠をとるためのポイントを伝える。

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