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scene 01選挙は必要だと思っているようだけど…
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選挙がなんのためにあると思うか、街頭で聞きました。「国を良くするため」(中2男子)。「国民の意見を取り入れるためにやること」(高1女子)…。中高生のみんなは、なんとなく、選挙は必要なものとは思っているようです。では、自分が選挙に行くことはあるかを聞いてみると…。「ちょっと大人の仲間入りできたかなって感じ」(高1男子)。「やっと社会の一員になれる気がする」(高1男子)。といった声もあれば、「難しいこといわれてもわからないから、めんどくさい」(高1女子)。「大変そうだなって。誰にするか選んだりとか」(中1女子)。いざ当事者になったときのことを考えると、戸惑いもあるようです。

scene 02選挙権年齢の引き下げ
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「選挙か。確かに、身近に感じない人もいるかもしれないね。でも、実は今の中高生にとって、選挙ってけっこう関係がある話になってきてるみたいだよ」(DAIGOさん)。――2015年6月、日本で70年ぶりの大きな改革がありました。それは、選挙権年齢の引き下げ。今まで満20歳からだった選挙権年齢が、満18歳からになりました。つまり、高校生も18歳の誕生日を迎えたら選挙に参加することができるようになったのです。

scene 03社会に目を向けてほしい
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選挙権年齢の引き下げには、二つのねらいがあります。一つは、若いうちから社会に目を向けてほしいということ。もう一つは、現在、世界の国の9割にあたる176か国が18歳で選挙権を認めているため、日本もこの国際基準に準じたいということです。高校生が有権者になって初めての選挙、2016年7月の参議院選挙では、18歳の投票率はおよそ51%。半分の人は選挙に行かなかったのです。今、18歳になったら誰もが手にできる選挙権。でも、性別や職種に関係なくすべての人が選挙で投票できるようになったのはつい最近の話なのです。選挙権はどうやって今の制度になったのか、選挙権の歴史を見てみましょう。

scene 04選挙権の歴史
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明治時代の初め、国民は国政に参加することができず、一部の人々によって政治が行われていました。しかし、1870年代、板垣退助らの「自由民権運動」など国民を国の政治に参加させよという声が大きくなり、1889年、ようやく国民に条件付きの選挙権が与えられます。それは、「15円以上の税金を納めた25歳以上の男子」ということ。有権者は全人口のおよそ1%にすぎません。その後、「所得に関係ない選挙を!」、「女性にも選挙権を!」といった運動が起こり、第二次世界大戦後の1946年、やっと20歳以上のすべての国民に選挙権が与えられました。そして2015年、選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられ、2016年に施行されたのです。

scene 05選挙権への戸惑いも…
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でも、中高生には戸惑いがあるようです。「党が多くてどこに入れていいかわからない」(中2男子)。「その人が合ってるかどうかわからない」(高1女子)。実際、誰に投票したらいいのか、迷いますよね。政治学が専門の先生に聞いてみました。「正しい選択って、おそらくない。どこに投票したらいいかは勉強したからといってわかるわけじゃない。勉強じゃなくて、こういう社会に生きたいとか、こういう国がいいとか、そういう思いや願望が、政治に参加するためには大事なんです」(北海道大学法学研究科 吉田徹教授)。だけど、間違った投票はしたくない。どうしたらいいのでしょう。

scene 06選挙はやり直しがきく制度
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「民主主義における選挙は、定期的にあることが非常に重要。一回代表たちを選んでみてうまくいかなかった、いい政治ができなかったということであれば、次の選挙で違う代表を選びましょうというふうに、やり直しがきく制度なんです」(吉田教授)。一回一回の投票はもちろん大事。でも何度も参加して試行錯誤していくのが、民主主義における選挙なのです。「選挙は、自分の生きる社会の未来を選択すること。だからといって、緊張しすぎないでとにかく行ってみることが大切なのかもしれない。家族と話し合うことや、候補者がどんな社会にしたいのかということをちゃんと知っておくことも大切だよね」(DAIGOさん)。

scene 07選挙と暮らしのつながりは?
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「とは言え、選挙とみんなの暮らしとの関係って見えづらいよね。どうつながってるんだろう」(DAIGOさん)。――選挙と中高生の生活が関係あると思うか聞きました。「直接何が関係しているか、あんまりわかんない」(高1女子)。「関係はあると思います。消費税とか、お金のこととか…」(中2男子)。確かに消費税は、選挙と私たちの生活が関わっていることの一つの例です。でも、消費税だけではなく、生活のいろいろなことが選挙と関係があるのです。

scene 08選挙がもたらした学校生活の変化
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神奈川県相模原市にある清新(せいしん)中学校では、選挙によって、学校生活にある変化がありました。教室のエアコンです。この学校では、夏になると教室の中が33℃を超えることもあったそうです。「教室の中が蒸し暑くなって、暑い暑いって言って授業があんまり進まないことが多かった」(女子生徒)。「勉強にならないというか、“暑い”ばかり考えていて」(女子生徒)。「合唱練習などはずっとずっと立ったまま歌い続けるので、倒れてしまう生徒が出たりしたことがありました」(音楽の先生)。

scene 09自分たちの意見が反映される
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こうした生徒や先生そして保護者の声もあり、その後、小中学校へのエアコンの設置を市長選の公約の一つに挙げた候補者が当選。市内のすべての小中学校にエアコンの設置が決まりました。エアコンがついたことで授業への集中力が上がり、体調をくずす生徒も少なくなったそうです。「自分たちの意見を取り入れてくださって、選挙が大事だなと思った」(女子生徒)。「政治って反映されるんだなって、けっこう身近に感じました」(男子生徒)。選挙と中高生たちの生活。実はけっこう関係があるんですね。

scene 10社会のことを決める権利と義務
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「自分の一票を投票するということは、社会のことを自分たちで決める権利と義務があるということ。どういう社会を作りたいのか、どういう社会に生きたいのか、それが、有権者になるということの本来の意味だと思います」(吉田教授)。――「ぼくたち一人ひとりが持っている一票は、とても小さいかもしれないし、選挙ですべてが解決するわけではないかもしれない。でも、選挙のことについて考えれば、社会について考えるきっかけになるよね。ぼくは、きみが自分の生きたい社会を真剣に考えて入れた一票には、大きな意義があると思うよ。きみは選挙って、どう思う?」(DAIGOさん)。

10min.ボックス  生活・公共
選挙ってなんのため?
18歳以上に引き下げられた選挙権。そもそも選挙の意味や意義とは?若者の生活とのつながりは?など、主権者として知っておくべきことをコンパクトにまとめて伝える。

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