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scene 01『マダ友との手紙』に寄せられた手紙
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神奈川県川崎市立東菅(ひがしすげ)小学校6年2組に、1通の手紙が届きました。送り主は、会ったことのない小学6年生の女の子。「自分の気持ちが弱い。友だちにきらわれたくなくて、裏で悪口を言っている子に注意ができない。でも、言われている子がかわいそうと思って『そういうのは止めよう』って言ってみたら、『じゃあ、あなたは○○ちゃんのこときらいじゃないんだ。うちらと考えがちがうんだ~』とか。にらんだりされて、学校行きたくない」。この手紙は、『NHKいじめを考えるキャンペーン マダ友との手紙』に寄せられたもの。『マダ友との手紙』は、まだ見ぬ友だちになやみをはき出し、みんなが返事を書くことで支え合うプロジェクトです。今回は、悪口を注意したら仲間はずれにされたという手紙にどう返事を書くのかを考えます。

scene 02「1対1で話をすればいい」
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返事を書くためにまず取り組んだのが、RNさんの手紙から違和感(いわかん)のある言葉を書き出すこと。最も多かった言葉は…。「RNさんと同じ考えの人はいたと思うから、『うちら』って言葉を使うのはおかしいんじゃないかなって思いました」(女子)。「『うちら』って言葉は、集団で一人を攻撃(こうげき)することもできるから、とてもずるい考え方だと思って」(男子)。ここで、ニックネーム“しらすくん”が、解決策を返事すればいいと提案。「RNさんは、グループで一人を攻撃されている状態からぬけ出せなかったと思うけど、逆に、そのハンデをなくして1対1で話をすればいいと思いました」と言います。

scene 03こわくてだれにも言えないときは?
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「1対1で話そう」というアドバイス。でも、「3年生くらいのときに、ぼくが家に帰っているとちゅうに無理やり走らされて、従うしかできなかった」と言う男子。つらかったと言います。さらに、「幼稚園(ようちえん)のころから1年生くらいのときまで、自分もいじめられてた時期があって、男子だったんですけど幼稚園の同期で何人かにたたかれたりして」と言う女子も。こわくてだれにも言えなかったと言います。相手にいやだと伝えたくても、こわくて言えない子もいる。どうすればいいのでしょう。

scene 041対1で話すのはむずかしい…
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「1対1で話そう」というアドバイス、いかがですか。「勇気があるなって思いましたね。むずかしいですよね、なかなかね。私がちょっとグループをハブられてたときは、まさにこういう感じでしたね。『大人数が正しい』みたいなふうに圧迫感(あっぱくかん)をあたえられることがすごくいやだな~って。『私はまちがってたんだ』ってなっちゃうじゃないですか、そうなると」(高橋さん)。RNさんも同じような状況(じょうきょう)なんでしょうか。では、返事で何を伝えたらいいのか。東菅小のみんなは、ある工夫をしてから書くことにしました。

scene 05だれの立場で読むか
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この日、みんなは、RNさんへの返事の下書きをしてみました。1対1で話そう、と言っていたしらすくん。『あなたは、きらわれることがいやですか? 自分は、意見のちがいを感じることができるから、とても大切だと想う。悪者になって堂々とケチつけよう』と書きました。4日後。先生が全員分の下書きを冊子にまとめ、みんなで読んでみることに。大切なのは、だれの立場で読むか。「私もRNさんの気持ちになってみたんですけど、本当に自分はどうしたらいいのかわからなくて」(女子)。

scene 06気持ちを楽にしてあげたいという思い
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RNさんの立場で読む。するとしらすくんは、クラスメイトのある一文に目がとまりました。『好きなことをやるといいですよ。あまり考えすぎないで下さい』。こめられていたのは、RNさんの気持ちを楽にしたい、との思い。「RNさんの立場に立ったらさ、考えすぎないほうが楽なんだ。考える必要がないって言ったほうが。おれが言ったことは全部他人事だったような気がする。本人のことちゃんと考えろってことだ」としらすくんは言いました。そこで、本番の手紙を書くことに。RNさんの立場で考えた子どもたち。一体、どんな返事になったのでしょうか。

scene 07「あなたの言葉がだれかを救ったかもしれない」
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東菅小6年2組、36人の返事。まず、しらすくんの返事を読んでもらえますか。「はい」。『そういうのはやめよう。行動。きらわれてしまった。結果、何をしたかが大切。結果にこだわりすぎていないか。あなたの「やめよう」という言葉が○○ちゃんを救ったかもしれない。あなたは使命を果たしたのでは』。どう思いました? 「どうにかして、あなたは正しいんだよって伝えたかったんですよね、きっと。まわりの友だちに無視をされるっていうことのほうに目が向いてしまっていると思うんですけど、だれかを救ったっていうことは、自分で認めてやっていいんじゃないかなって思いました」(高橋さん)。

scene 08「もっとのびのび生きてほしい」
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実は、かつてRNさんと似た経験をしたという子も書いてくれたんです。『私もだれかに注意してにらまれたりするのはこわい。だけどそんなことより、あなたが注意したおかげで、いじめられていた人は助かった。すごいことだと思う。それに気づけたのはRNさんのメッセージがあったからです。ありがとう。私はあなたに、もっとのびのび生きてほしい』。「やっぱり、ご自身も体験したからこその言葉なのかなって。正しいことをしたはずなのに、それが認められなくて、箱の中にいるような感覚になってしまうと思うんですよ。でも、そこを飛びこえてほしいなと」(高橋さん)。

scene 09「とにかく自分の道を行くのが大事」
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ほかに高橋さんが気になった返事はありますか。「これかな…」。『道。もし、いじめている子と会ったら、分かれ道を心の中で作ってもいい。とにかく自分の道を行くのが大事。そしたらいつか、道のとちゅうでよい友だちができるかもよ』。「本当に今いっしょにいる子たちが自分に合っている友だちなのか。みんなそれを、ふたをしていっしょにいると思うんですよ、気をつかい合いながら。でも、ある分かれ道に立ったときに、友だちと同じ所に行く必要はないんじゃないかな。自分の道を行った先に、自分と同じ考えを持っている良き友だちに出会えるんじゃないかっていうのは、すごいお手紙だと思いました」(高橋さん)。

scene 10自分に届くいろいろな“光”を感じてほしい
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本当にさまざまな返事をくれました。RNさんにどう届くといいと思いますか。「何か自分が苦しいことに向き合ってるときに、箱の中にいろんな“光”が入ってくる。『認めてあげる』という言葉であったり、RNさんより先の道に立って『自分もいっしょだからだいじょうぶだよ』って言ってあげたり。自分にとって必要な言葉をくれた人のだけでもいいと思うんですよね。『あ、この人のこともすごくわかるな、ありがとう』っていう言葉に照らされるだけでもちがうと思うので」。そう感じてくれるといいですね。実は高橋さんにも返事を書いてもらいました。メッセージにこめた思いとは? 続きは番組ホームページで!

いじめをノックアウト
友達からのSOS!あなたは何を伝える?
友達から「悪口を注意したら仲間外れにされた」と手紙が!あなたならどう返事を書く?※番組内でご紹介した「ハナシティ(マダ友プロジェクト)」は現在、終了しています