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scene 01身近な人に相談しづらい気持ち
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今回のテーマは、「はき出せないなやみ」。ある中学校での話し合いを見ながら考えていきます。まず、「友だちには言えないなやみをかかえたことはありますか?」とたずねました。「つらいです。だれかに言いづらいし、相談しづらいので」と言う男子。別の男子も、「相談した相手に『被害妄想(ひがいもうそう)なんじゃないの?』とか言われたらさらに落ちこんじゃう」。また、「友だちから言われると、この子にこんなこと言われちゃったとか、より大きなダメージが自分にあると思うので」と言う女子。「相談はしたかったけど、する相手がいなかった」という意見もありました。身近な人に相談しづらい気持ち、わかりますか?

scene 02本当は自分の中にとじこめたいこと
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「相談はしづらいだろうなって思います。相談したいことというのは、本当は自分の中にとじこめたいこと、自分だけで解決したいことだと思う。それがふくらみにふくらんで、だれかに聞いてほしいっていう感情になる」(高橋さん)。『返事を聞くのがこわい』と言う生徒もいましたね。「本当は自分のなやみを聞いてほしいだけだったのに、『いやそれ全然ちがうでしょ』とか自分の思ってもない答えが返ってきたときに、ちがうダメージを受けるのがこわいってみんな思ってるんじゃないかな」。なるほど。そんな本音を聞かせてくれた生徒会執行(しっこう)部のみなさんですが、実は、先生にたのんで学校全体で始めた取り組みがあります。

scene 03『マダ友との手紙』
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生徒会執行(しっこう)部の呼びかけで始めたのは、『NHKいじめを考えるキャンペーン マダ友との手紙』。“マダ友”とは、まだ出会っていないけれど、これから出会うかもしれない未来の友だちのこと。胸のおくにしまいこんできたなやみを、マダ友あての手紙にして思いきりはきだしてみようというプロジェクトです。みんなが書いてくれたなやみは、ニックネームで、キャンペーンサイト“ハナシティ”に掲載(けいさい)。友だち関係、勉強、恋愛(れんあい)など、どんななやみでも受け付けています。

scene 04『なにかしちゃったのかな?』
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マダ友から届いた手紙のいくつかを高橋さんに読んでもらいます。『なにかしちゃったのかな? わたしもふくめ3人グループでこのあいだまでふつうに話していたのに、最近とつぜん一人にされてしまうことが多くなりました。もう学校に行くのがこわくてしかたがない』。――「これはねー、あるあるだよねー」と高橋さん。「わたしも中学生のときでしたけど、3人でいたけどなんか気づくと2と1になるなぁ、みたいな。なんでなんだろう。ある日を境にとつぜんそうなったな、みたいな。これはねー、いやですよねー。うーん」(高橋さん)。

scene 05『好きな人はいますか?』
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続いて、恋愛(れんあい)についてのなやみです。『好きな人はいますか? ぼくはいるけど、あまりしゃべらない。特に話すこともない。でもぼくの友だちとかは、その子とふつうにしゃべっている。正直うらやましい』。――「なんかちょっとキュンとする。いいですね」(高橋さん)。家族についてなやむ手紙も来ています。『わたしの家では親同士がよくけんかをします。それはすぐ終わるのですが、悪口をこそこそ言ったりします。わたしは受験勉強があるのにそんなことを毎日のようにされ、正直いらいらし、ストレスがたまります』。――「子はね、親には仲良くいてほしいっていうのが理想論ですから」(高橋さん)。実は、こういったなやみを使って自分のなやみと向き合ってみようという授業を行った学校もあるのです。

scene 06「人に言えないなやみはない」と言う子も
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「人に言えないなやみはないという人、手をあげてください」。授業が始まってすぐ、先生が出したこの質問に『なやみがない』と答えたのは27人中9人でした。「人に言えないなやみがどうしてないの?」と先生が男子生徒に聞きます。「完全になやまないわけじゃないでしょ?」と先生。すると、「いや、なんか…、B型なんで」という返事。別の子も、「別に、そんなにない」。そこで先生は、ハナシティに掲載(けいさい)されているなやみをいくつかピックアップして配ることにしました。同じ中学生のなやみを読んで、生徒たちは何を感じるのでしょう。

scene 07ほかの人のなやみを読んで
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「考えが変わりましたっていう人、手をあげてみて」と先生。考えが変わった人の意見を聞いてみると、「かなりみんな深いなやみが書いてあって、ちょっと自分のなやみがバカバカしいなやみだったなって」。さっき、なやみがないと言っていた男子生徒。やっぱり自分のなやみはなかったか聞かれ、「ないんですけど、ぼくもストレスに感じるときはすごくイライラするけど、わすれちゃうっていうか、自分の中にしまいこんでるっていうか。瞬間(しゅんかん)はあるけど、あとに引くようなストレスは感じない」と言いました。「瞬間的にはストレスを感じてはいたんだなってことは自覚したんだね」と先生。

scene 08心にしまっていたなやみを打ち明けて
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さらに先生は、「自分のなやみって、はき出してもいいし、はき出さなくてもいい。でもはき出したときにメリットははき出した人だけにあるのかっていうと、そうじゃない。はき出されたなやみにふれて、聞いて、見て、読んだきみたちにもなんらかの影響(えいきょう)が必ずある」と言いました。自分のなやみと向き合い、マダ友へ手紙を書くことにした生徒たち。心にしまっていたなやみを打ち明けて何か感じるものはあったのでしょうか。「少しのなやみでも、だれかに相談したい」。「書けただけで本当にスッキリする」。「久しぶりになやみをはき出して、やっとはき出せたって感じもするし、相談とかしてもいいのかなって思いました」。

scene 09「一人じゃない」と思えることの大きさ
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「相手がなやんでいることを知ると、自分のなやみにも気づけるってことがあるんだなって思いました。なやみがないって言う子がいましたけど、その気持ちもすごくわかるし、だれかに聞いてもらわなきゃもう無理ってなる子もいるし、そういう姿を見て、『あ、これはなやみなんだ、相談してみよう』っていうふうにつながるのはいいですよね」(高橋さん)。書いてすっきりした、という生徒もいましたね。「書くだけで一つの発散にもなりますし、だれかが見てくれるっていうことがもう一つ奥(おく)にあるので。本当に話してる感覚なのかもしれませんね。一人じゃないって思えることは大きいのかなって思います」。

scene 10一人でなやみをかかえこまないためには?
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最後に、一人でなやみをかかえこまないためにはどうしたらいいと思いますか。「相談することになれるっていうことが、実はすごく大事なことで」(高橋さん)。『なれる』ですか? 「相談なんだけど、じゃなくて、聞いてほしいんだけど、っていう言い方しますね…」。みんなは、一人でなやみをかかえこまないためにはどうしたらいいと思いますか? 考えてみてください。続きは番組ホームページ、『みなみの考え』で!

いじめをノックアウト
はき出せない悩み どうする?
人に言いにくい、不安や気がかり、困ったこと…。そんな“はき出せない悩み”どうする?※番組内でご紹介した「ハナシティ(マダ友プロジェクト)」は現在、終了しています