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scene 01証拠の残らないいじめ
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SNSのいじめを体験し、苦しんでいる高校生の“りり”さん。「SNSでのいじめってすごく陰湿(いんしつ)だなって思ってて…。言わば、証拠(しょうこ)の残らないいじめ。すごくひどいと私は思いました」。――『いじめをノックアウト』。今日は、証拠の残らないSNSのいじめ、どう向き合っていけばいいのか考えていきます。

scene 02LINEに書きこまれるようになった悪口
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2019年4月。りりさんが高校1年のときに起きた出来事。入学してからりりさんは、仲のいい子6人でLINEグループを作りました。「最初は、遊びに行く予定を立てたり、カラオケ行きたいなぁとか、ふだんの楽しい会話みたいなのをずっとしてました」(りりさん)。でもある日、一部の女子から、LINEグループに入っていないクラスの女子に対する悪口が書きこまれるように。『あいつカマキリに似てない?』『そしたらあだ名カマキリでいいんじゃない?』…。だれの悪口を言っているかはグループメンバーしかわからない、証拠(しょうこ)が残らない悪口。

scene 03自分も答えざるを得なくなり…
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そして、そのあだ名を使って、本人の目の前でも、『カマキリ本当ムカつくよね』『カマキリのくせに調子に乗りすぎなのよ!』…。「すごくひどいと私は思いました。本人がわかってないとはいえ、気づかなければいじめじゃないと思っているところがいちばん陰湿(いんしつ)だと思います。悲しかった」(りりさん)。さらに状況(じょうきょう)はエスカレート。最初は一部の人たちしか書いていなかった悪口が、次第にりりさん以外の全員が悪口へのコメントを書くように。『今日もカマキリウザかった』『ホントキモイよね』…。りりさんはこの状況を見て、答えざるを得なくなり、『www』と書いてしまいました。

scene 04「自分も言わなきゃ」と思い始めるこわさ
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りりさんと電話がつながっています。「初めて悪口を見たときはどう思いました?」(高橋さん)。「すごくびっくりした。自分たちの中だけでバカにしたりして、先生にもあだ名だとわからないし、本人にもわからないし、何でこんなふうになったんだろうって思いました」(りりさん)。「みんなが悪口を書いていくと、参加せざるを得ない感じになっちゃうのかな」(高橋さん)。「一部の子たちは楽しんでやってる印象があったんですけど、大半の子は、『これ自分も言わなきゃな』っていうふうに、乗っかってたという感じが強かった。グループとちがう意見を出すのがすごくこわくて反対できなかった」(りりさん)。

scene 05孤立するのがこわかった
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「りりさんはそのグループからぬけたんですか?」(高橋さん)。「今ここをぬけちゃうとクラスで孤立(こりつ)するとわかっていたから、こわくてぬけられなかった」(りりさん)。「そうだよねぇ…」(高橋さん)。「その子たちにきらわれないようにっていうことをずっと考えていました」(りりさん)。りりさんのように、グループで悪口が始まってぬけようにもぬけられないとき、高橋さんはどうすればいいと思いますか? 「この大きな空気の流れからぬけだすのはとっても勇気がいることだと思うので、たとえば親とかに、『今ちょっとこんな感じなんだよね』と言えていたかどうか…」(高橋さん)。

scene 06だれかに気持ちを伝える
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今回いっしょに考えてくれる藤川(ふじかわ)先生はどうすればいいと思いますか? 「自分のことは人に言いづらいという気持ちが多くの人にはあると思います。だけど、一回だれかに気持ちを伝えてみると、それで救われることがあります。たとえば、『ちょっと最近気持ちがしずんでるんだ』とか、『なんとなく体調が悪いんだ』という話だけでもいい。小さい相談から始めるといいと思います」(藤川先生)。「ちょっと言ったら心が軽くなったなとか、ちょっと言ったらこの人助けてくれたなとか、そういう経験が積み重なっていくと、一歩勇気が出しやすくなりますね」(高橋さん)。教室のみんなは、どう思った?

scene 07裏グループが作られていた
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そんなりりさん、実はまだ話の続きがありました。りりさんがLINEグループで苦しむこと2か月。なぜか急に、LINEグループでの会話がなくなりました。なぜだろうと思い、理由を聞こうとグループの子に近づくと、なぜかさけられてしまいます。そして、2か月後の9月。その理由がやっとわかりました。LINEグループにいた子の携帯(けいたい)がたまたま見えたとき…。自分を省いたLINEの裏(うら)グループが知らないあいだに作られていたのです。「私をぬいた新しいグループをわざわざ作ったということは、私の悪口を書くために作ったんじゃないかなって感じました」(りりさん)。

scene 08どこがきらわれているのかわからない
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「知らないあいだに、自分を省いたLINEグループが作られていると気づいたとき、どう思いましたか?」(高橋さん)。「実際、目にしたときはすごくしんどかった。こういうところがダメだって言ってもらえたら私はそこを直すようにがんばったと思う。だけど、自分のどういうところが悪いと思われて、どういうところがきらわれてるんだろうって、ずっとグルグル考えちゃうのがいちばんしんどかった。ほかの子の視線も、四六時中だれかに何か言われてる気がして、すごくこわかった」(りりさん)。

scene 09ずっと一人ですごしていた
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「かなり不安な2、3か月だったと思うんですけど、それからの日々はずっと一人でいたの?」(高橋さん)。「最初はがんばってその子たちの後ろについてたんですけど、話しかけても話せないし会話もできないし、無視されてたのでついていくのもしんどくなっちゃって、とちゅうからはずっと自分の席にすわって一日すごしてました」(りりさん)。「学校に行くのもかなりきつかったよね…。今どういう関係になっているんですか、その子たちと?」(高橋さん)。「クラスがえのときに学校側が配慮(はいりょ)してくれたので、今は本当に関わらないようにしています」(りりさん)。

scene 10こわかったという記憶が
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「今、新しいお友だちみたいな人たちはできたのかな?」(高橋さん)。「はい、できました。でも新しいクラスが始まったとき、新型コロナウイルスの影響(えいきょう)で分散登校だったので、私と話してくれる子が別々の日に登校だったんですね。やっぱり最初はクラスでずっと一人でいて、1年生のときのこわかったなぁという記憶(きおく)がずっとあって…。こわくて学校もすごく行きたくなかった」(りりさん)。

scene 11心の傷は深い
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最後に高橋さん、りりさんのように心に傷を負ってしまった場合、どうすればいいと思いますか? 「なかなかすぐ、これをこうしたら治るとか忘れられるということではないだろうなと思うぐらい、やっぱり深い傷だと思うんですよね…」(高橋さん)。教室のみんなはどう思う? 高橋さんの考えは、番組ホームページで。

いじめをノックアウト
SNSのいじめ どう向き合っていけばいい?
SNSのいじめが増えている昨今。SNSのいじめに直面したとき、子どもたちはどんな対応をしたらいいのか?LINEでのあだ名を使った悪口、裏グループを例に考える。

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