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オープニング
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(オープニングタイトル)

scene 01トリュフを見つけてトリュフパスタを作りたい
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わたしの名前はザラ。12歳(さい)。スロベニアのイストリア地方に住んでる。今度、プロのトリュフハンターであるサーラといっしょにトリュフをさがすの。サーラがかっているいちばんわかい犬、プパといっしょに行きたいんだ。プパは、わたしの犬、コリーの子どもだから。トリュフを見つけたら友だちに伝統(でんとう)料理のトリュフパスタを作ってあげたい。コリーと遊んでいたら、サーラがお母さんにトリュフを持ってきてくれた。「いつかサーラとプパについていってもいい?」って聞いたら、「いいわよ、興味(きょうみ)があるなら。明日はどう? 学校、お休みでしょう? でも、早起きしないとね」って言ってくれた。

scene 02トリュフは貴重なキノコ
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トリュフは北緯(ほくい)45度付近に生える。地下で育つキノコの一種なんだ。トリュフをとるとき昔はブタにさがさせていたけど、最近は犬を使う。犬の種類はあんまり関係ないと思う。でもこのあたりではラブラドール・レトリーバーみたいな猟犬(りょうけん)がよく使われてる。トリュフはとても貴重(きちょう)で値段(ねだん)も高い。どこにでも生えるわけじゃないから。白トリュフは9月から1月にとれる。1kgの値段は400ユーロ~1600ユーロ(約56000円~223000円)。黒トリュフは4月から10月にとれる。1kg120ユーロ~200ユーロ(約17000円~28000円)。トリュフ大好き。いいかおり。

scene 03犬の命令の仕方を教わったけど
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サーラは最初のレッスンで、命令の仕方を教えてくれた。「プパ、こっちに来て! ほら、さがして。ほらプパ、おいで。プパ!」。でもプパはどんどん行ってしまう。「プパ、もどってきなさい!」ってサーラが言っても、そのまま走っていく。サーラに「大声でよんで」と言われて、「プパ! もどって!」って大声で言ったけどだめ。「もう、プパったら草をかみ始めちゃった。この子はまだ子犬だから、気が散っちゃってトリュフに集中できないのよ。わたしだったら、もっと訓練された犬を連れていく。訓練された犬なら人間の命令にもっと忠実(ちゅうじつ)にしたがうから」ってサーラは言う。

scene 04リーザはプパよりも鼻がきく
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ちょっとがっかりだな。プパといっしょに行けないなんて。プパはうちで最初に生まれた犬で、とってもかわいがってるんだもん。「リーザ、進んで!」。サーラのかい犬リーザは、プパよりも鼻がきく。トリュフは成熟(せいじゅく)すると、においがとても強くなるんだ。だからリーザならすぐに見つけられると思う。「リーザはあなたの命令をプパよりもよく聞く」ってサーラも言う。もっとたくさん練習しなくちゃ。初心者は、一日目からトリュフが見つかるなんて期待しちゃいけないと思う。いつか必ず見つけるつもりだけど。

scene 05みんなトリュフパスタが楽しみ
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「かわいい!」。「口がくさい!」。友だち3人がリーザをなでながらたずねる。「基本(きほん)的な命令を覚えたら、わたしたちもトリュフがりについていっていい?」。でもわたしは、「だめ。トリュフがりはグループでやるものじゃないから。人がたくさんいるとイヌがトリュフに集中できなくなっちゃう」って答えた。「トリュフをとる犬は何か特別な訓練を受けるの?」って聞かれた。「サーラとサーラのお父さんは、犬を買ってきて訓練を始めたんだ。子犬のときにえさの中にトリュフを入れたんだって」と説明した。友だちもわたしのトリュフがりに期待してるんだ。わたしが作るトリュフパスタも、みんなとっても楽しみにしてる。

scene 06木とトリュフは共生している
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サーラといっしょに森の中に入った。「トリュフはしめった土の中に生えるの。水のあるところの近くで育つのよ。キノコがりと同じで、いつも同じ場所に行ってとるの」。サーラが、いつもトリュフをとる場所を教えてくれた。それから、木とトリュフとの共生(きょうせい)関係も教えてくれた。「トリュフは木の根っこに生えて栄養をもらい、お返しにビタミンやミネラルを木にあげる。それが共生」。サーラはトリュフハンター。犬はサーラの命令ならよく聞く。長いあいだずっといっしょにいるし、かい主だから。サーラはとったトリュフを、スロベニアやイタリア中のたくさんのレストランで売ってるんだ。

scene 07犬をやる気にさせるのがむずかしい
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「ほら、さがして! 何か見つけた!」。リーザが何か見つけた。「“ストップ”って言うのよ」とサーラ。「ストップ!」。リーザが木の根っこをほっている。「トリュフかどうか見てみましょう」。サーラがリーザの口の中のものをとりだした。でも、「あぁ…。これは、ホコリタケね。ニンニクみたいなにおいがするの。犬は、食べられないキノコはとらないようにしつけるの」って教えてくれた。犬をはげましてやる気にさせるのが、いちばんむずかしい。声をかけるのをわすれちゃうの。気がつくとおんなじ言葉ばっかりくりかえしていて、ちっともうまくいかない。

scene 08トリュフを土にうめて練習
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「トリュフを一つ、ここにうめた。リーザをよぶわね。どうやってリーザが見つけるかわかるから。見つけたら、自分が何をしたらいいかもわかる。いい?」とサーラが言う。「うん、わかった」。「リーザ、おいで! おいで、こっちよ。見つかった? どこにある?」とサーラ。リーザが地面をほり始めた。「まて! トリュフを見つけたらほり続けるから、手を挙げてリーザを止める」とサーラ。リーザがトリュフを見つけたら、トリュフから引きはなさないといけない。そうしないとトリュフをきずつけちゃうから。もう一回トリュフをうめて練習する。

scene 09できるようになるまで続ける!
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「トリュフはもうリーザの口の中に入ってるわよ」。サーラがリーザの口の中からトリュフを取り出した。「え、いつのまに?」。地面からほり出すときにトリュフにきずをつけちゃった。やっちゃった。大失敗。全部わたしのせい。だけど、とにかくトリュフをほり出した。優秀(ゆうしゅう)なトリュフハンターは、何時間も続けてトリュフがりをすることがある。6時間から9時間も。すごくねばり強い。わたしは全然だめだな。何をやっても、いつもちゅうとはんぱ。なまけものなんだ。だけどトリュフがりだけは、できるようになるまでぜったい続ける。犬が大好きだし、トリュフも大好物だから。おいしいものを食べたいんだ。

scene 10森のイノシシはこわい
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6年前からバレーボールをやっている。チームでやるスポーツのほうが好き。みんなで責任(せきにん)を分担(ぶんたん)できるから。「言ったっけ? トリュフがりを始めたって」とチームメイトに言った。「トリュフって、しめったくつ下みたいなにおいじゃない?」。「ひどーい! においがするからほり出せるんだよ」とわたし。「イノシシとか、こわくない?」って聞かれた。イノシシはこわい。子どもを連れているイノシシはおそってきたりするから。このあたりにはイノシシがたくさんいて、被害(ひがい)もうんと出ている。何でもかんでもほり起こしちゃうし、あとかたづけなんてぜったいしないから。

scene 11リーザは言うことを聞いてくれない
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「来て! ほら、こっち! さがして!」。リーザに声をかける。サーラといっしょに朝早くトリュフがりに出かけた。そのほうが、犬が暑がらないから。朝早くか、夕方おそくがいいんだ。一人のほうがいい。サーラがいっしょに来ると、リーザはサーラの言うことしか聞かなくなるから。でも、リーザがわたしの言うことを全然聞いてくれなくて、悲しくなっちゃった。それで、リーザをリードにつないで、サーラからはなれて歩いた。だけど結局、リーザはちっとも言うことを聞いてくれない。これならサーラにいてもらえばよかった。サーラがそばにいれば、リーザはわたしの命令も聞くと思うから。

scene 12「あきらめちゃだめだよ」
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友だちとカード遊びをしていたら、「トリュフパスタ、食べられそう?」って友だちが聞いてきた。「まだトリュフ、見つけてないんだ」って言ったら、「あきらめるの?」って聞かれた。「わかんない。今は暑すぎるし」と答えたら、「見つかるよ」って言ってくれた。「うん。もう一度やってみるよ…。やってみるけど、見つけられるかなぁ。がっかりさせたくないけど」って言ったら、「あきらめちゃだめだよ」って。「うん、がんばる」。

scene 13やっぱりリーザは言うことを聞かない
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もう一度、森に行くことにした。がんばる。いい感じ。トリュフが見つかりそう。今度はサーラはいっしょじゃない。わたしとリーザだけ。やるぞ! 「行け、リーザ!」。リーザが走り出した。でも…「だめ! リーザ、リーザ!」。よんでも止まらずに走って行ってしまった。「リーザ! リーザ?」。ようやく見つけた。リードをつけててうまくいくかな。短く持とう。「さぁ、見つけて! ほら、行くよ!」。リーザがしきりに地面のにおいをかいでいる。「ほら、リーザ、行くよ! そっちじゃないってば、リーザ!」。リーザがまたにげて、つかまえる前にサーラのところに行っちゃった。

scene 14やった! 見つけた!
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「あ、サーラ! 手伝ってくれる?」。「もちろん!」。今度はサーラもいっしょに来てもらって、リーザとトリュフをさがすことにした。リーザが何か見つけたみたい。「リーザ! 見せて!」。リーザが地面をほり始めた。「注意して。リーザが見つけたみたい。気をつけてほり出して」とサーラが言う。そっとほっていく。「落ち着いて確認(かくにん)して。ここ。ほら、あった!」。「やった! 見つけた!」とわたし。「とうとう見つけたわね」。サーラといっしょにトリュフを見つけた。すっごくうれしい。これで友だちにトリュフパスタを作ってあげられる。

scene 15トリュフがりの主役は犬なんだ
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友だち3人とトリュフパスタを作る。「トリュフって固い」。「さわっていい?」。トリュフをうすくスライスして、ゆであがったパスタにかける。おいしい! 幸せ。トリュフがりの主役は人間じゃなくて犬なんだよね。犬に教わるんだ。ねばり強さを学んだし、トリュフについて前よりくわしくなった。トリュフをとれるようになるには時間がかかる。でもすごく楽しい。いっしょにパスタを作ることができて、わたしも友だちも幸せ。「ザラ、トリュフを見つけてくれてありがとう。わたし、生まれて初めてトリュフパスタを食べた」。「おいしいよね」。すっごく楽しかった。大満足。これからもトリュフがりを続けるつもり。

カラフル!~世界の子どもたち~
めざせ!トリュフハンター(スロベニア)
ザラは、ふるさとの特産・トリュフ掘りに挑戦することに。そのためには、においを敏感にかぎ分ける犬の相棒が欠かせない。けれど全然ザラの言うことを聞いてくれなくて…。

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