チャプターあらすじを読む
scene 01地球の声を聞こう
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大気や水にあふれるわたしたちの地球は、地震(じしん)や噴火(ふんか)が絶え間なく起こる、生きている星です。津波(つなみ)から命を守る方法を研究している、東北大学災害科学国際研究所の保田真理(やすだ・まり)先生といっしょに、津波からどうにげたらいいのか、考えましょう。

scene 02鉄則1.海からはなれた高いところへ避難
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海底で起きた地震が海の水をおしあげ、その水が一気に陸におしよせる。これが津波です。その津波から命を守るには、『鉄則1.できるだけ海からはなれた高いところへ避難(ひなん)』。今回は、宮城県多賀城(たがじょう)市立天真(てんしん)小学校5年生のみんなと、津波から命を守る方法を考えます。2011年3月11日の東日本大震災で、多賀城市は津波におそわれました。クラスのみんなは高台にある小学校にいて無事でした。次の年、2012年12月7日、東北地方でふたたび大きな地震が起き、津波警報(けいほう)が出ました。

scene 03どこにいて、どう動いたのか
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そのときみんなはどこにいて、どう動いたのか、地図に書いてもらいました。東日本大震災で津波がおそった地域(ちいき)の地図と、みんなの動きを重ね合わせてみます。高台で避難所(ひなんじょ)にもなっている天真小学校にすぐ避難した人。川のそばを通って天真小学校にやってきた人。なかにはその場にとどまっていた人もいました。14階建てなので津波は来ないだろうと思った人、2階ににげればだいじょうぶと思った人…。津波が来そうなときどうすればいいのか。町に出て、くわしく保田先生に教えてもらいます。

scene 04川をさかのぼる津波
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多賀城市は海のすぐそばにあります。北側の高台に天真小学校があり、川をはさんで南側の低い場所には住宅街(じゅうたくがい)や工場があります。みんながやってきたのは、市内を流れる川の近く。保田先生がここに来たのには、わけがありました。多賀城市を東西に流れる砂押川(すなおしがわ)。東日本大震災のとき、この川を津波が逆流し、あふれた水が町をおそったのです。砂押川や近くの運河をさかのぼった津波は、河口から5kmの地点まで船をおし流したそうです。

scene 05鉄則2.津波のときは川に近づかない
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実は津波は、陸地よりも先に川に入り、さかのぼっていきます。あぶないのは海の近くだけではありません。川からあふれ出た水が思わぬ方向からやってくることもあります。津波警報(けいほう)が出ているとき、川に近づくのはとても危険(きけん)なのです。ここで、『鉄則2.津波のときは川に近づかない』。津波の力がどれだけ強いか、実験装置(そうち)で再現してみると…。高さ50cmの津波は大人の男性も軽々流してしまいます。ブレーキをかけた車も、60cmの深さの水で動いてしまいました。低い津波もあぶないのです。

scene 06海と川にはさまれたところでは
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次に向かったのは、川をわたったところにある住宅街(じゅうたくがい)です。「どっちが海かわかりますか?」と保田先生。「せーの!」でみんなが指差した方向はばらばらでした。意外とわからないものです。保田先生がさらにたずねました。「川はどっち?」。実はここは、サンドイッチのように海と川にはさまれているところです。高台に行きたくても、川をわたらなければならない地域(ちいき)。そして、反対側は海。どこににげたらいいのでしょう。

scene 07鉄則3,津波避難ビルや避難場所を調べておく
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先生がみんなをつれていったのは、「津波避難(ひなん)ビル」という標識のあるビルでした。「このマークのある建物は、津波のときいつでも避難できる建物です。津波が来るとわかったとき、高いところがまわりにない場合があります。そういうときのために、こういう標識を見つけておいてください。そうしたらそこににげることができます」。最近、全国で高いビルを「津波避難ビル」に指定するケースが増えています。そこで、『鉄則3,自分の町の「津波避難ビル」や避難場所を調べておく』。

scene 08大津波がしばらく来ないとは言えない
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「家族で、いざというときどこに避難(ひなん)するか話し合っている人、手をあげてください」。保田先生がみんなに聞いてみると、話し合っていない人もけっこういました。「ああいう大きな津波が来たから、もうしばらく来ないと思っている人は多い。でも、その前も、あんな大きな津波が来ると思っていた人はいなかったんです」(保田先生)。東日本大震災の犠牲者(ぎせいしゃ)はおよそ2万人。そのほとんどが津波で亡(な)くなりました。津波はその前にも、何度も東北地方をおそっています。二度と来ないとは言えないのです。

scene 09津波の記憶を語りつぐこと
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最後に紹介(しょうかい)するのは、天真小学校の近く、海から2kmはなれたところにある最近できた石碑(せきひ)です。石碑には『波来(はらい)の地』という文字がきざまれています。東日本大震災で津波がここまで来たという記憶(きおく)。それが永久にみんなの意識に残って語りつがれることをねがって、ここにきざまれているのです。津波は、避難(ひなん)すれば助かる災害です。みんなもその鉄則をまわりに伝えてください。それが、未来の防災につながります。

scene 10自分の町の地形をよく知る
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「今日の防災ポイントは、自分のくらしている町の地形をよく知ること。海だけではなく、川にも注意して、避難(ひなん)経路を確認(かくにん)しておきましょう。津波は、正しい知識を持って避難をすれば、命を守ることができる災害です。わたしたちもそのことを伝えていきましょう」(保田先生)。

学ぼうBOSAI
地球の声を聞こう 津波から命を守るには?
津波避難の鉄則を知って、より安全な避難場所と避難経路を見つけておくことの大切さを伝える。

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