チャプターあらすじを読む
scene 01今日はロボットが案内役
ないようを読む

番組の案内役・濱口優(はまぐち・まさる)さんがスタジオに入っていくと、そこで濱口さんを待っていたのは、かわいらしいロボット。今日はロボットが案内役です。「今回みんなに学んでもらうのは、ボクの仲間のことだよ」とロボットが言います。『学ぼうBOSAI 命を守るチカラ』。今回は、いつ起こるかわからない災害に備え、日々、研究開発が進んでいるロボットたちを紹介(しょうかい)します。

scene 02災害現場の情報を集める「マルチコプター」
ないようを読む

やってきたのは、宮城県仙台(せんだい)市にある東北大学の工学部。田所諭(たどころ・さとし)教授の研究室です。田所教授は日本のロボット研究の第一人者で、さまざまなロボットをつくってきた人です。さっそく、どんなロボットがいるのか研究室の中を見せてもらいました。まず、「マルチコプター」というヘリコプター。災害現場の上空を飛んで、撮影(さつえい)をしたり、被害状況(ひがいじょうきょう)などの情報を集めたりするロボットです。「これはすごい。ロボットって二足歩行だけのもんやと思ってたけどちがうんですね」(濱口さん)。

scene 03ガレキの奥へもぐりこむ「能動スコープカメラ」
ないようを読む

続いて、白い毛がたくさん生えた細長い生き物のようなもの。これは、ガレキの奥(おく)深くにもぐりこんで中を調べるために使います。先端(せんたん)にカメラがついていて、映像(えいぞう)がモニターにうつるようになっています。「能動(のうどう)スコープカメラ」というこのロボット、ヘビのように動いて自分で前に進むことができます。入り組んだせまいすきまや細い管の中を、スルスルと通りぬけていきます。地震(じしん)でくずれた建物にとじこめられた人などを発見するために開発されました。まわりに生えている白い毛を細かく振動(しんどう)させることで前進します。

scene 04危険な建物の中を調べる「クインス」
ないようを読む

そして、戦車のような形をしている「クインス」というロボット。クインスは、地震(じしん)災害などで被災(ひさい)した建物の中を調べるために作られました。建物の中はガスや化学物質が充満(じゅうまん)しているかもしれません。そこに消防隊員が入るととても危険(きけん)です。そこでクインスが最初に入って、人間に代わって中の様子を調べるのです。最大の特徴(とくちょう)は、前後についた四つの「サブクローラ」とよばれる脚(あし)のような部分。走る場所に応じて脚の角度を変えられるので、足場が悪くても走行できます。階段(かいだん)もスムーズに登っていきます。

scene 05一瞬にして3D地図を作る能力
ないようを読む

さらに、「クインス」にはレーザーを使った特殊(とくしゅ)なセンサーがついていて、まわりのかべや柱の形を測ることができます。クインスがどんな場所にいるのか、レーザーを使って、一瞬(いっしゅん)で3Dの地図を作ることもできます。災害の現場で活躍(かつやく)するこうしたロボットの研究や開発も、防災につながる大切なことなのです。今、こんなロボットたちが次々に誕生(たんじょう)しています。

scene 06「クインス」を動かす
ないようを読む

濱口さんに、クインスを動かしてもらいます。東北大学の学生さんにも来てもらいました。いっしょにクインスを操縦(そうじゅう)してみます。コントローラーを持った濱口さん、「サブクローラ」もうまく使って、みごとにガレキを乗りこえることに成功! 「これはパワフル! 本当すごい!」と濱口さんも感心しています。パソコンには、クインスに搭載(とうさい)したカメラの映像(えいぞう)がうつし出されています。前方、上方、後方の映像。災害の現場ではこの映像を見て、はなれた場所からも操作(そうさ)できるのです。

scene 07原子力発電所の事故現場で活躍
ないようを読む

この「クインス」、実際の災害の現場でも活躍(かつやく)しています。その現場とは、東京電力福島第一原子力発電所。東日本大震災(しんさい)のとき爆発(ばくはつ)が起こって、放射能がもれる事故が発生しました。現場は危険な状態で、人が中に入ることはできませんでした。そこで、「急遽(きゅうきょ)クインスを改造して原発で使ってもらう決断をした」(田所教授)。それまでは情報が足りず、中がどうなっているかわからなかったのですが、クインスが中に入ったことで、さまざまなデータを集めることができたのです。田所教授は東日本大震災を経験し、あらためて災害用ロボットの研究の大切さを感じたそうです。

scene 08災害用ロボットの未来
ないようを読む

ところで、将来(しょうらい)、災害用ロボットはどうなっていくと思いますか。「ヘリコプターのやつがもっと小型化して、飛んでいって見るとか…」(濱口さん)。田所教授は、ロボットの未来についてこんなふうに考えています。「今、レスキューロボットが配備されている数はとても少ない。ですが、どんどんテクノロジーが進んでいくにつれて、いろいろなところに配備が進んでいくと考えられます。10年後にはおそらく、どこの消防署(しょうぼうしょ)・警察署(けいさつしょ)にもロボットが使われているにちがいありません」。災害に備えてロボットの研究、開発を続けていくことも、防災には大切なのです。

scene 09「みなさんが未来を作る」
ないようを読む

「わたしがロボットを作っていると思われるかもしれませんが、これを作っているのは大学生たちです。その大学生の人たちは、10年前は中学生や小学生でした。みなさんが勉強してロボットを作れるようになれば、もっともっとロボットの性能が高まって、本当に人の命を助けるにちがいないと思っています。みなさんが未来を作る、ということです」(田所教授)。「本当に、こういう日々の研究、開発が、いざというとき防災の役に立つんやね」。濱口さんも納得(なっとく)したようです。

学ぼうBOSAI
命を守るチカラ ロボット開発で災害に備える
災害用ロボットの開発研究が進んでいる。ヘリコプターのように空中に浮かんで映像を送るロボットや、ガレキを乗り越えて原子力発電所のなかに入ったロボット等を紹介する。

クリップ

教材きょうざい資料しりょう

教材・資料(先生向け)

配信はいしんリスト

今年度こんねんど放送ほうそう

その放送ほうそう