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scene 01地球の声を聞こう
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大気や水にあふれるわたしたちの地球は、地震(じしん)や噴火(ふんか)が絶え間なく起こる、生きている星です。今回は、気象庁(きしょうちょう)の研究官、荒木健太郎(あらき・けんたろう)先生といっしょに、集中豪雨(ごうう)から身を守る方法を考えましょう。

scene 02命をおびやかす集中豪雨
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雨は、わたしたちの生活になくてはならないものです。でも、田畑をうるおす“めぐみの雨”だけではありません。2012年7月、九州をおそった『九州北部豪雨』。土砂(どしゃ)くずれなどで、死者は30人にものぼりました。「集中豪雨」とよばれる猛烈(もうれつ)な雨が原因です。山だけではありません。ふだん遊んでいるような川が、危険(きけん)水位をあっというまにこえ、わたしたちの命をおびやかすこともあります。毎年身近におそいかかる豪雨。命を守るにはどうすればいいのでしょう。やってきたのは茨城県つくば市にある気象庁気象研究所。まず、雨をふらせる雲の観察からスタートです。

scene 03集中豪雨をふらせる雲は
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「雲の種類って、大きく分けると何種類だと思う?」。荒木先生がみんなにたずねました。「20」「3」(女子)。雲は、できる高さと形によって、10種類に分けられています。そのなかで、集中豪雨をふらせる雲は、積乱雲(せきらんうん)です。「黒い雲が出てきたらあぶない。空を注意して見ているとわかる」(荒木先生)。積乱雲ができる仕組みはこうです。地表近くの温かくしめった空気が空高くのぼる。すると、上空の冷たい空気に冷やされて、水や氷のつぶになる。それが雲。この雲がどんどん大きくなり、やがて、雲の中の大量の水分が雨となってふるのです。

scene 04はげしい雨が何時間も続くのはなぜ?
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「積乱雲の寿命(じゅみょう)ってどのくらいだと思う?」。荒木先生から質問です。「一日くらい?」、「一時間」、「一週間?」…。正解は、「一つの積乱雲の寿命は一時間くらい」。一つの積乱雲が雨をふらせるのは、長くても一時間。でも、災害を起こすような集中豪雨は、何時間もふり続きます。どうしてそんなことが起こるのでしょう。実は、集中豪雨のときには、積乱雲のまわりに積乱雲の子どもが次々と生まれていたのです。一つの積乱雲で終わりではなく、どんどん新しく生まれる子どもたちが雨をふらせる。だから、はげしい雨が何時間も続くのです。

scene 05『およそ100ミリの猛烈な雨』とは?
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大雨のときのニュースでこんな表現を聞くことがあります。『およそ100ミリの猛烈(もうれつ)な雨』。この「100ミリ」とは、雨が一時間ふったときにたまる水の高さを表しているのですが…。100ミリは10センチ。大したことないのでしょうか? そこで、実際に体験してみることにしました。降雨(こうう)体験車は、さまざまな強さの雨をふらせることができます。まずは10ミリを体験。次は40ミリ。かさをさしてもびしょぬれです。そして80ミリ。いよいよ100ミリ! 「音もすごいからこわかった」(女子)。気象庁ではこう表しています。50ミリ以上は「非常にはげしい雨」。80ミリ以上は「猛烈な雨」。そして、こうした雨が数時間続くのが、集中豪雨なのです。

scene 06「あらかじめにげておくしかない」
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集中豪雨による被害(ひがい)は場所によってさまざまです。山では、土砂(どしゃ)くずれを引き起こします。川では、危険(きけん)水位まで水があふれてしまいます。都市部でも、いきなりおそってくるゲリラ豪雨。道路が水没(すいぼつ)してしまうことがあります。地下街などの低い場所に水が流れこむと、にげるのもむずかしくなります。「大雨による気象災害は日本全国どこでも発生します。あらかじめにげておくしかない」(荒木先生)。猛烈(もうれつ)な雨がふりそうなときは、山のそばからはなれること、川の近くには行かないこと、地下や低いところに行かないこと、いち早くにげることが大切です。

scene 07気象庁のホームページで調べよう
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逃げるためのヒントとなるものを見に研究所の屋上へ。大きなボールのようなものは、雨雲を観測するレーダー。気象庁のホームページで雨雲のレーダー画像が見られます。自分がいる場所に大雨をふらせる雨雲が近づいて来ていないか、見ただけでわかります。「雨がどれくらいあぶないかとか、注意しなきゃいけないことが、注意報・警報(けいほう)の中に書いてあります」(荒木先生)。たとえば、薩摩(さつま)地方に土砂(どしゃ)災害への注意報が出た日。屋久島では特に「浸水(しんすい)」に注意。一時間に最大60ミリの雨がふる予報です。豪雨は予測できる。みんなも気になったらすぐに調べてみましょう。

scene 08空の変化に注意し、最新の情報を集める
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今日のBOSAIポイントその1.『空の変化に気づくこと』。「豪雨が起こるとき、空の様子が急に変わります。大きな入道雲や真っ黒な雲が出てきたら、豪雨が起こるかもしれません」(荒木先生)。今日のBOSAIポイントその2.『安全のカギは最新の情報を集めること』。「天気予報だけではなく、注意報や警報(けいほう)でも危険(きけん)をよびかけているので、自分のいる場所があぶなくなりそうだったら、安全な場所に早めに避難(ひなん)しよう」(荒木先生)。

学ぼうBOSAI
地球の声を聞こう 集中豪雨から身を守ろう
自然災害の起こるしくみを正しく理解し、命を守る行動へつなげていく「防災」番組。今回は気象研究所の荒木健太郎研究官と「集中豪雨」が起こるしくみを学ぶ。

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