チャプターあらすじを読む
scene 01地球の声を聞こう
ないようを読む

大気や水にあふれるわたしたちの地球は、地震(じしん)や噴火(ふんか)が絶え間なく起こる、生きている星です。突然(とつぜん)、噴火に遭遇(そうぐう)したらどうすればいいのか? 火山にくわしい、秋田大学教育文化学部教授の林信太郎(はやし・しんたろう)先生といっしょに、噴火の特徴(とくちょう)を学び、突然の噴火から命を守りましょう。

scene 02御嶽山の突然の噴火
ないようを読む

2014年9月27日、午前11時52分。御嶽山(おんたけさん)噴火。突然(とつぜん)の出来事でした。予測しにくい噴火がある。御嶽山の噴火はそのことを広く伝える火山災害となりました。火山学者の林先生が、秋田大学教育文化学部附属(ふぞく)小学校の生徒たちに、御嶽山の噴火のときに飛んできた実際の石を見せました。「重くて、角張ってる。これ、飛んできたら大変だよね。」と林先生。噴石のスピードは時速300kmにもなったといいます。当たれば命を落とす危険(きけん)があるのです。こうした噴火が、実はわたしたちの近くでも起こるおそれがあります。

scene 03日本にある活火山の数は?
ないようを読む

「みなさん、活火山って知ってますか?」と林先生がみんなにたずねました。「活動の『活』と書いて、『火山』と書くのが『活火山』ですね。噴火しそうな火山、これを活火山といいます。日本には活火山がいくつあるか、知ってる?」と林先生。みんなはわからないようです。「50個くらいだと思う人」と聞きますが、手を挙げる人はいません。「100個くらいだと思う人」と聞くと、ほとんどの人が手を挙げました。「150個くらいだと思う人」と聞くと、数人が手を挙げました。正解は、110個。ほとんどの人が正解でした。

scene 04活火山の「噴火警戒レベル」
ないようを読む

活火山とは、1万年以内に噴火したことがあり、これからも噴火する可能性のある火山のこと。富士山や浅間山なども活火山です。活火山には活動の状態を知らせる「噴火警戒(けいかい)レベル」があります。活火山であることに注意するレベルから、避難(ひなん)までの5段階(だんかい)に分かれていて、レベル3以上は登山が禁止されています。注意しなければいけないのが、登山客への対応がない警戒レベル1の山でも噴火するおそれがあるということ。御嶽山は、警戒レベル1の状態から突然(とつぜん)噴火したのです。どうして前ぶれもなく噴火したのか。そこには、噴火のタイプのちがいが関係しています。

scene 05予測がむずかしい水蒸気噴火
ないようを読む

噴火は大きく分けて、マグマが噴き出るタイプとマグマが噴き出ないタイプがあります。マグマとは、地下深くで岩石などがドロドロにとけたもの。ねばり気が強いため、まわりの岩盤(がんばん)をおしあげながら上昇(じょうしょう)します。そのため、山がふくらむなどして噴火の予測につながります。一方、マグマが噴き出ないタイプは、マグマに加熱された地下水から高圧力の水蒸気(すいじょうき)が発生。山の膨張(ぼうちょう)はあまり見られず、予測がむずかしいのです。これを「水蒸気噴火」といいます。特徴(とくちょう)は爆発(ばくはつ)力が非常に強いこと。ものすごいスピードで石などをふきとばします。

scene 06噴石の飛び方を知る実験
ないようを読む

水蒸気(すいじょうき)噴火で噴石が飛ぶ様子を実験で見てみましょう。林先生が用意したのは、紙ねんどで作った火山の模型(もけい)。火口の中に空気が飛び出る穴(あな)を開けておきます。噴石に見立てた紙ねんどのつぶを火口にセットしたら、準備OK。火山の横に取り付けたゴムチューブの一部をおさえたまま、空気ポンプを10回くらいおして空気を入れていきます。そして、「3、2、1!」でチューブをおさえていた指をはなすと…、「ボンッ!」。火口から噴石がたくさん飛び出しました。「オオーッ!」。スロー再生で見てみると、勢いよく飛び出した噴石は、上だけでなくいろいろな方向に飛び散っています。

scene 07自分が避難する場所を考えてみる
ないようを読む

今度は自分たちで実験です。「3、2、1! ボンッ!」。飛び方を観察してもらうと、「上に上がって落ちてきた」、「一気に飛んできた」といった意見が。そして3回目の実験では、林先生は黄色いピンを用意しました。「この黄色いピンは、自分です」と先生。「一人一つ持って、安全だと思う場所に置いてみてください」。みんなは思い思いの場所に、自分に見立てたピンを置きました。実際の山頂(さんちょう)付近を想定して、まわりに大きな岩の模型(もけい)を置いてみました。その大きな岩のかげにピンを置く子も何人かいます。みんな、自分の避難(ひなん)場所が決まったようです。

scene 08できるだけ身をかくす、できるだけはなれる
ないようを読む

いよいよ実験です。「3、2、1! ボンッ!」。結果は…。たおれているピンがあります。岩かげに立っているピンはほとんど無事だったようです。この実験で何がわかったのでしょう。「岩の高さが高いところで、足から頭までかくれるところがいいんじゃないかな」、「できるだけ噴火した山からはなれて、自分の身を守れる岩を見つける」といった意見が出ました。「なるほど。はなれるというのも実は大事なんです」と林先生。

scene 09避難するときのポイント
ないようを読む

避難(ひなん)するときのポイント。1.体をかくせる岩をさがす。2.火口からできるだけはなれる。御嶽山の噴火のときは山小屋ににげこんで助かった人もいました。あらかじめ、山小屋やシェルターの場所を確認(かくにん)しておきましょう。ここで生徒から「まわりに身をかくせそうな場所がない場合はどうしたらいいですか」と質問です。「御嶽山でも実際に、まわりに身をかくす岩がないところで噴石がふってきたりした人がいました。そのときどうしたかというと、リュックを使いました。リュックを頭と背中(せなか)にかぶせ、火口に背を向けてしゃがみこんで、少しずつ前へ進んでいったそうです」(林先生)。

scene 10突然の噴火は噴石に注意
ないようを読む

さらに万全の対策(たいさく)は、リュックの中にヘルメットを入れておくこと。火山灰(ばい)から目を守るゴーグルと、火山ガスをすいこまないため、口もとをおおうタオルもわすれずに入れておきましょう。活火山に登るときの大事な3点セットです。頭、目、口をしっかり守って、安全に避難(ひなん)しましょう。ここで今日のBOSAIポイント。「突然(とつぜん)の噴火にあったら、それは水蒸気(すいじょうき)噴火の可能性が高い。いろいろな角度から飛んでくる噴石に気をつけましょう。そして、登山をするときには、その山が活火山かどうか、よく調べてから登ってください」(林先生)。

学ぼうBOSAI
地球の声を聞こう 突然の噴火に備えよう
[地球の声を聞こう]予測が難しい水蒸気噴火から身を守るにはどうしたらいいのか。火山学者の林信太郎教授とともに、火山の模型を使った実験を通して学んでいく。

クリップ

教材きょうざい資料しりょう

教材・資料(先生向け)

配信はいしんリスト

今年度こんねんど放送ほうそう

その放送ほうそう