(オープニングタイトル）

「Ｑ～こどものための哲学（てつがく）」は、一つのことを深～く考えるための番組です。今日はテレビの前のみんなも、いっしょになってＱくんたちと考えましょう。今日のメンバーはＱくん・チッチ・ルルちゃん・ポッくん、そしてテレビの前のあなたです！　いっしょにリラ～ックスして話していきましょう。ではまずはウォーミングアップから。チッチのＹＥＳ ＮＯゲームです！

さぁ、チッチのすきな食べ物が、この中に１つありますよ！３回しつもんしてみて、答えがどれだか当ててみて！　よし、まずはぼくから！それは丸いですか？　ＹＥＳ！　はい、ちょっと、しぼられましたね。　さぁ、次のしつもんをしてみましょう。　じゃ、次はわたし！それは赤いですか？　ＮＯ！　これでまた、オウ、しぼられましたね。　さぁ、次のしつもんをしてみましょう。　よし、最後はぼく！それは木で育ちますか？　ＹＥＳ！　それじゃ、テレビの前の君！これだと思うものを大きな声で答えてくれ！　いくぞ、せーの！　（テレビの前のきみの答え！）　さてさて、それで合ってるかな？　それでは、正解（せいかい）の発表です！　丸くて、赤くなくて、木で育つもの！　ということで、チッチのすきな食べ物は…　「オレンジー！」　しつもんしながら考える！　ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯゲーム！　これで対話の準備（じゅんび）はＯＫ！　ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯ！ＹＥＳ ＮＯゲーム！

ある島の浜（はま）に、銃（じゅう）を腰（こし）につけた男が流れついた。　その男は、島に住む住民（じゅうみん）たちと肌（はだ）の色もちがうし、しゃべる言葉もちがう。　住民たちは、キケンな敵（てき）だと思い、その男をつかまえて、話し合った。　ある人は「きっと攻（せ）めに来た侵略者（しんりゃくしゃ）にちがいないから、殺（ころ）してしまえ」と、また、ある人は、「男の国のことを聞き出し、その国を逆（ぎゃく）に攻めよう」と、敵意をあらわにした。　ところが、食料（しょくりょう）をあたえた時、男が太陽に向かっておいのりをするすがたを見て、かれらは考え方をかえた。　島の住人たちも食事の際（さい）には、太陽においのりをするからだ。　住人たちは、男のことを自分たちと同じ考えのなかまだと思い直し、体が回復（かいふく）するまで面倒（めんどう）をみた。その後、住民に感謝（かんしゃ）しながら国に帰った男は、島の住民たちと交易（こうえき）を結び、おたがいが栄（さか）え、よい関係が築（きず）かれたそうな。

「いやー、助かってよかったよ。」とＱくん。「侵略者（しんりゃくしゃ）だと思われたらタイヘンでした。」とポッくん。「やっぱりなかよくしなきゃね。」とルルちゃん。チッチが、みんなに「島の住人たちは、なんで、敵（てき）かもしれない男となかよくなれたんだろうね？」としつもんします。　Ｑくんは「最初（さいしょ）は肌（はだ）の色や言葉がちがうから敵だと思ったけど、おいのりをしたからこの人は悪い人じゃないと思ったんだ！」と言います。チッチは、「なんでおいのりをしたら悪い人じゃないと思ったの？」と聞きます。　これにまず答えたのはルルちゃん。「太陽の神様においのりをしたからでしょ。島の人たちも普段（ふだん）から太陽の神様を大切にしているからね。」と言いました。ポッくんも「流れ着いた男も島の人たちも、太陽の神様を大切にしてる。つまり、自分たちと同じところを見つけて、親しみがわいたということです。」と言いました。チッチはみんなに、「だれかに自分と同じところを見つけて、親しみがわいた経験（けいけん）はあるかな？」と聞くと、少し考えて、みんな「あるあるある！」と答えました。

たとえばどんなことがあったか教えてくれるかい？　たとえば、性格（せいかく）のまったく違うポッくんと僕は同じ趣味（しゅみ）をもっている。それは、ロケットや飛行機が大好きなところ。　そう同じ同じ「趣味」だから、友達になれたんだ～　たとえば私、歌手のマイケルの歌がとっても好き！だって、彼、私の切ない恋心（こいごころ）をそのまま歌にしてくれてるんだもん。　そう同じ同じ「気持ち」だから、心にしみるんだ～　たとえば最近、近所で飼（か）われているブサイクな犬が、なぜかかわいいんです。たぶんそれは、その犬がぼくと同じ名前だからだと思うんです。　そう同じ同じ「名前」だったから、愛着（あいちゃく）がわくんだな～　ほほほ、おもしろいな。ほいじゃ、そこの君！（みんな、テレビの前の君のほうを向く）　君も同じところを見つけて、親しみを感じたことはあるかな？……ん？……どうだ？……ん？……ん？……　あるみたいだよ、そういう経験。　そうかそうか、だよねー。　そう同じところを見つけると、親しみがわくんだね～

「同じところを見つけると、みんな親しみがわく。つまり、これってどういうことなんだろうね？」とみんなに聞くチッチ。Ｑくんは「よく知らない相手でも、自分と同じところや似てるところを見つけるとホッとする。」と言います。「好きになっちゃう。」とルルちゃん。「なかまだと思えます。」とポッくん。　ここでチッチは、「じゃあ反対に、自分と似てるところがない人だったら、どう思うんだろう？」というギモンを投げかけます。これには３人ともこまってしまいました。ここで話し始めたのがＱくん。ポッくんに「もし近所の犬がガッツっていう名前だったら、かわいく思えた？」と聞くと、ポッくんは「全然（ぜんぜん）思えない。」と答えました。（ちなみにチッチは、いい名前だと思ったようです。）　今度はまたＱくんが「もしマイケルが全然同じ気持ちになれない歌を歌ってても、すきになれる？」と、ルルちゃんに聞きます。同じ気持ちになれない歌が「大きなワニとデートしたいなあとか、ナメクジと結婚（けっこん）したいなあ。」みたいな歌だと聞き、ルルちゃんにも「そんな歌、すきになるわけないじゃない、全く気持ちがわかんないもん！」と言われてしまいました。　ルルちゃんはＱくんに、「もしポッくんがロケットも飛行機（ひこうき）もすきじゃなかったら、どうなってた？」と聞きます。すると、Ｑくんは「たぶんなかよくなってなかったと思うな。」と言ってしまいました。これを聞いたポッくんはかなり落ちこんだようす。見かねたチッチは、３人にお茶を飲んで落ちつくようにすすめました。　お茶を飲んでみんな落ちついたところで、「似てるところが全然ない人となかよくするのはむずかしいよね。」とＱくん。「理解（りかい）し合えなさそうですよね。」とうなずくポッくんに、「知らず知らずのうちに、自分と似てない人を遠ざけてるのかもしれないわねえ。」とルルちゃん。みんな悩（なや）んでしまいました。テレビの前の君は、自分と全然似てない人と、なかよくできるでしょうか？

まずはみんなで丸くなってすわります　でもって物語をきいて問いを立てる　そんで思ったことをどんどん発表します　こんとき最後（さいご）まで話を聞くのがルール　つづいてＱワードを使ってしつもんし合います　そんとき言葉が出てこなくてもＯＫ！だいじょうぶ　次第にいろんな答えがあることに気づきます　これまでの考え方がかわっていくのを楽しみます　最後に語り合ったことをふり返える　そしてみんなで見つけた答えを味わいます　こうやってみんなでみんなで考える　みんなでみんなで考える

「自分と全然（ぜんぜん）似（に）てない人とは、なかよくできるの？できないの？」と聞くチッチ。Ｑくんが「やっぱり全然似てなかったら、むずかしいなんじゃないかなあ。」と言うと、ポッくんも「むりやりつき合っても、どうせけんかになるだけです。」と言いました。 チッチはここでほかの考えがあるか聞きました。ルルちゃんは「似てるところがなくても、この人とはちがうなんて思わないで、みんな同じって思わなきゃ。」と言います。ルルちゃんの意見も正しいかもしれない、と思うＱくんとはちがい、ポッくんは「ちがうものはちがうんだから、それを同じって思うのはムリです。」と意見をかえません。やっぱりそうかもしれないと思ってしまうＱくん。 しかしルルちゃんは「たとえ自分と考え方や文化がちがっても、おたがいそこはガマンしてなかよくするの！」とゆずりません。今度は、ルルちゃんの意見にうなずくＱくん。　ポッくんは「流れついた男が、悪いやつだったらどうするんですか？」と反論（はんろん）します。「だれでもかれでも信用（しんよう）して受け入れるのはキケンです！」と言うポッくん。ポッくんとルルちゃんの対話は、どんどんもり上がっていきますが、Ｑくんはなかなか自分の意見を持てず、しまいにはポッくんとルルちゃんに「Ｑくんはどっちなんだよ！」と言われてしまいました。しかたないので、Ｑくんは２人にお茶を飲ませて落ちつかせます。

「だけど…全然（ぜんぜん）似（に）てるところがない人なんて、そんな人本当にいるのかあ…。」とつぶやくＱくん。「似てない人とむりやりなかよくしようとしてもけんかになっちゃう。かといってつき合わなければ、憎（にく）み合って、やっぱりけんかになっちゃう。なかよくなるためには、どうしたらいいんだろうね？」と、チッチは問いかけます。テレビの前の君は、どう思っているでしょうか？似てるところがない人とは、どうしたらいいのでしょうか？みんなで対話してみましょう。

こたえはみんなちがうんだよ　だからじっくりさがそう　こたえはかわったっていいだよ　だからゆっくりそだてよう　ＱＱＱＱＱＱＱ ねぇ、きかせてよ　ＱＱＱＱＱＱＱ キミのこころのこえを