チャプターあらすじを読む
scene 01将来の仕事やはたらくことについて探究する
ないようを読む

今日の主人公は、北海道教育大学附属(ふぞく)札幌(さっぽろ)中学校2年生。仕事の現場(げんば)にとび出して、一日はたらくことを体験(たいけん)しました。その体験をもとに、自分自身の将来(しょうらい)の仕事やはたらくことについて、それぞれが探究(たんきゅう)するテーマを決めたのです。『プライベートと仕事のバランス』について探究したいと思っている鈴木さん。まちに出て、プライベートと仕事がそれぞれどれだけ充実(じゅうじつ)しているか、実態(じったい)を調査(ちょうさ)しました。

scene 02プライベートと仕事、どれだけ充実?
ないようを読む

結果(けっか)をまとめた表。上にいくほどプライベートが充実(じゅうじつ)していて、左にいくほど仕事が充実していることを表しています。どうやら両方充実している人が多いようです。両方充実していると答えてくれた人に、「どうやったら両方、両立できますか?」と聞く鈴木さん。すると、「自分のやりたいことは何なのか見つめ直した上で、家族とやりたいことを見つめ直し、仕事はそのためのやり方の一つにすぎないという考え方にしてようやく充実してきた」という返事でした。プライベートと仕事、どちらかに優先順位(ゆうせんじゅんい)をつけたほうがうまくいくようです。

scene 03すきなことを仕事にして人の役に立つには?
ないようを読む

昆虫(こんちゅう)が大すきだという佐藤くんが探究(たんきゅう)するテーマは、『すきなことを仕事にして、人の役に立つには?』。「昆虫がすきで、昆虫の研究職(けんきゅうしょく)につけたらいいなと思ってたんですけど、昆虫のことやってて社会の役に立てるのかなと思っちゃって」と佐藤くん。まず佐藤くんが向かったのは、北海道大学。インターネットでさがしだした先生に話を聞きたいと思ったのです。お会いしたのは、秋元信一(あきもと・しんいち)先生。まずはセミの標本(ひょうほん)を見せてくれました。「これがチョウセンケナガニイニイですね」。「あっ! 会いたかったやつだ!」と大よろこびの佐藤くん。

scene 04きわめればいつか人の役に立てる
ないようを読む

秋元先生は昆虫(こんちゅう)の生態(せいたい)について研究しています。とくに雪虫(ゆきむし)が専門(せんもん)で、雪虫が大量(たいりょう)に発生した年には雪が多くふる傾向(けいこう)があることをつきとめました。さっそく佐藤くん、「ぼくが大学の先生になりたいと思ったのは、昆虫がすきで。でもよく考えてみたら、『昆虫』は人の役に立つのかなと…」。すると、「人の役に立たないとダメなんじゃないかと思うかもしれないけど、あまりそこは考えなくていいと思います。自分の興味(きょうみ)を追究していたら、たまたま人の役に立つような研究結果(けっか)につながった。それでいいんじゃないでしょうか」というアドバイス。佐藤くん、一つの答えが見えたようです。

scene 05そもそも「人の役に立つ」とは?
ないようを読む

「新たに疑問(ぎもん)に思ったことがあるので、人の役に立つってどんなことなのかというのを調べてみたい」と佐藤くん。人の役に立つとはどういうことか、新たなテーマが見つかりました。そこで佐藤くんは、身近な大人に聞きに行くことにしました。まずは、いつも英語(えいご)を教えてもらっている塾(じゅく)の橋本先生。「はたらいていて、人の役に立ってるなって感じるのはどんなときですか?」と聞くと、「入試(にゅうし)に合格(ごうかく)した。うれしい話じゃないですか。一方で、ちょっとした変化(へんか)、『先生、漢字テストで100点とったよ』とか、そういうのもやりがいですね」。

scene 06『役に立つ』というのは人それぞれ
ないようを読む

小さいころから髪(かみ)を切ってもらっている美容師(びようし)の高橋さんにも聞いてみました。高橋さんは、髪を切ること以外(いがい)にも、役に立てることがあると感じているみたいです。「人と人とのかかわり合いとか、ちょっとお話をしたくて来た、ストレス解消(かいしょう)に来たっていうお客さん。そこもヘアスタイルを作るとともに大事にして接客(せっきゃく)しますね」と高橋さん。話を聞いてみると、役に立つことというのは、人それぞれちがうようです。

scene 07「もう少しはば広く考えてみては?」
ないようを読む

佐藤くんは、これまで調べたことを両親に聞いてもらうことにしました。『人の役に立つ』とはどういうことか、自分の考えをぶつけてみたのです。「ぼくの最初(さいしょ)の考えは、『人の役に立つとは、人をプラスの感情(かんじょう)にしたとき』ということなんじゃないかなって思ったんだけど」と佐藤くん。すると、「いろんなパターンがあるんだよね、人の役に立つっていうのは。感情のアプローチもいいけど、『人の役に立つとはどういうことなのか』をもう少しはば広く考えてみたらいいんじゃない?」とお父さんのアドバイスです。

scene 08いろいろな職業の『役に立つ』場面を調べる
ないようを読む

そこで佐藤くんは、もっとたくさんの仕事について調べることにしました。インターネットや本を使って、役に立つ場面をノートにまとめました。ずいぶんたくさん書き出しました。人の役に立つとはどういうことか、あらゆる職業(しょくぎょう)のなかから、共通点(きょうつうてん)を見つけようと考えたのです。

scene 09探究してきたことを発表する
ないようを読む

みんなは、保護者(ほごしゃ)や職業体験(しょくぎょうたいけん)でお世話になった人をまねいて、これまで探究(たんきゅう)してきたことを発表することにしました。まず、『仕事とコミュニケーションの関係(かんけい)は?』というテーマで調べた西田さん。「お店の人が、『今日誕生日(たんじょうび)ですよね。おめでとうございます』とか、『観光(かんこう)で来ているんですよね。ここがおすすめめですよ』とか話しかける。そのことからわたしは、仕事をする上では『心を持つこと』、心を持つために『相手の立場になってコミュニケーションをとること』がとても大切なんじゃないかなと考えました」。

scene 10人に良い変化をあたえられること
ないようを読む

いよいよ、『すきなことを仕事にして、人の役に立つには?』というテーマで探究(たんきゅう)してきた佐藤くんの発表です。「道を直してくれる人だったら『道が走れるようになった』という変化(へんか)だし、農家さんだったら、ぼくにとっては『おいしいものが食べられた』という変化になって、トータルで見ると、人に良い変化をあたえられることが『人の役に立てる』っていうこと。最初(さいしょ)なやんでいた『昆虫(こんちゅう)って役に立つのかな』ということなんですけど、昆虫はいろんな人に興味(きょうみ)を持ってもらったり、世界に変化をあたえるという面ではすごく役に立つことだと、今は自信(じしん)を持って言えます」。

scene 11将来について考え、探究をつづけよう!
ないようを読む

「たくさん調べ、真剣(しんけん)に考えたことで、昆虫(こんちゅう)の研究者の道を自信(じしん)を持ってめざせるなぁ」とドスル。「はたらくこと、仕事の意義(いぎ)、やりがいは人それぞれ」とコスル。「中学生のうちから将来(しょうらい)について考えることは大切だな」。「じっくり、はたらくことと向きあったこの経験(けいけん)は、この先きっと役に立つよね」。「もちろんさ。みんな、これからも探究(たんきゅう)をつづけて、りっぱな大人になってくれ!」とドスルが言いました。

ドスルコスル
こうする!“働く”を考える〜北海道教育大学附属札幌中学校2年〜
将来の仕事や働くことについて、一人一人が決めた課題を探究する北海道教育大学附属札幌中学校の2年生。探究を深め、発表するまでの取り組みを紹介する。