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オープニング
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ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらいます。

scene 01明るい学校にするための「課題」?
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「おいマツオ。おまえ、生徒会CEOに立候補するらしいな」とオサダ。「うん! 生徒会長になって、この学校を変えたいんだ」とマツオ。「どうチェンジしたいんだ。マツオ、言ってみろ」。「はい! 笑顔いっぱいの明るい学校にしたい」。「笑顔いっぱいの明るい学校にするため、何をしたいか具体的に言ってみろ」。「はい! 朝礼で一発ギャグをやります。気をつけ! レーロレロレロレーロ」。すると、「マツオ! 大切なのは『課題』だ」とオサダ。「課題?」。「みんなのあいさつの声が小さいなとか、あそこを直せばもっといい学校になるなと思うことあるだろ? それが『課題』だ」。

scene 02身の回りの課題を見つけよう
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そう、今日のテーマは『課題の見つけ方』。身の回りにどんな課題があるのか見つけようというわけです。「そんなむずかしいこと言われてもわかんないよ」(マツオ)。「マツオ、あせるな。そんなこともあろうかと、強力な友だちを呼んである。山崎くーん!」。教室に現れたのは、『課題の見つけ方』を教えてくれるプロ、コミュニティーデザイナーの山崎亮(やまざき・りょう)くん。地域の人たちと話し合いながら、課題を見つけて一緒に問題解決に取り組んでいる、地域を元気にするプロです。

scene 03「虫の視点」-自分の生活をていねいに見直す
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「課題を見つけるために最初に必要なのは、『虫の視点』です」と山崎くん。これは、自分の生活をていねいに見直してみることです。ふだんの学校生活を思い出して、気に入っている所、不満な所をそれぞれ10個ずつ書き出してみます。でもなぜ、悪い所だけでなくいいところも書くのでしょう。「悪い所だけではなくていい所も同時に書き出すと、もっとよくしていこうという気持ちになることができるんです」。「書けた!」とマツオ。見ると勝手のオンパレード。でも、「それでいいんです」と山崎くん。「課題を見つけるために大切なことは、むずかしく考えるのではなくて、“自分事”として本気で取り組みたいと思えることを書くことなんです」。

scene 04「鳥の視点」-見つけた課題をより広い視点で見直す
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「次に必要なのが、『鳥の視点』です」と山崎くん。これは、自分が見つけた課題をより広い視点で見直すことです。たとえば、「ほかの人と話し合う」「別の課題と照らし合わせる」「課題について調べる」。まず、ほかの人と話し合うことで、自分以外の人がこの課題にどのくらい関心があるのかがわかります。さらにこのとき「ふせん」を使うと、課題をグループ分けしたり、別の課題と照らし合わせたりすることができます。また、ほかの地域の課題を調べることでいろいろなヒントが得られます。「こうして課題をより広い視点で見直していくことで、“自分事”だった課題がだんだん“自分たち事”に変わっていく。ここが大切です」。

scene 05マツオが見つけた課題は…
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「オサダくん、みんなが笑顔いっぱいの学校になるための課題が見つかったよ」とマツオ。「おー、聞かせてくれ、マツオ」とオサダ。「わたくしが生徒会長になったら、古くなったトイレやロッカーを新しくしてもらうよう呼びかけ、そして、朝礼では一発ギャグをお見せします。みんな、おつかレーロレロレロレーロ」(マツオ)。「そのギャグで台無しだ」(オサダ)。「え? 山崎くんがやれって言ったんだよ」(マツオ)。「山崎くんが言ったのかい?」(オサダ)。「いやいや、ぼくは言ってませんよ」(山崎くん)。「言ったじゃない」(マツオ)。「言ってませんよ」(山崎くん)。

scene 06プロのプレゼン「世界でいちばんおいしい食べ物」
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今回のプロは、アナウンサー。情報を伝えるためにどんなテクニックを使っているのか注目して見てみましょう。「私が思う『世界でいちばんおいしい食べ物』とは、ラーメンです。なぜなのか、ちょっと見て下さい。主役の麺に、ねぎ、チャーシュー、だしの効いたスープ。いろんな食材がぎゅっとこの一杯に詰まってますよね。それだけじゃないんです。ラーメンって、塩、みそ、しょうゆと、自分が好きな味を選べませんか? 麺の太さやかたさも自由自在です。つまり、世界中のどんな人でも自分に合う一杯が見つかるのが、このラーメンなんです。今や世界には2万以上のラーメン店があるともいわれています。まさに世界が認めた一品ですよね」。どんなテクニックがあったかな?

scene 07プロのツール「ロジックツリー」
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「やあみんな。ぼくが作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使い方を聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤(きゅうばん)をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「オレは『ロジックツリー』。課題を見つけるときに、オレをよく使うんだ。さっそく使い方を教えよう。まず、いちばん左側の箱に問題だと思うことを書いてくれ。たとえば『学校の設備』。次に、問題だと思う理由を具体的に書いていくんだ。『体育館が使いづらい』『売店がいまひとつ』『調べ物をしづらい』」。

scene 08問題、理由、原因と細かく考えていく
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「まだまだいくぞー。次に、その原因は何か、いちばん右側の箱に思い当たることを書いてくれ。『こわれたままの所がある』『そうじが行き届いていない』『品数が少ない』『ニーズに応えていない』『図書室の本が少ない』『先生に質問する場がない』。こんなふうに、問題を理由、原因と細かく考えていくことで、課題が見えてくるんだ。これがプロのツールだ! どうだ、すごいだろ。すごいと言え!」。原因から課題。そして、課題の優先順位も見えてきます。

scene 09マツオが生徒会長に当選!?
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「おい、大変だマツオ! おまえマジで生徒会長に当選したぞ!」。オサダが教室に飛び込んできました。「えー!?」。おどろいて目を回すマツオ。「おい、大丈夫か? おい! しっかりしろマツオ! おまえが『プーーー』してることばらすぞ。おい、マツオ!」。『課題の見つけ方』のプロセス。学校だけではなくて、地域の課題を見つけるときにも使えますよ。

scene 10身の回りの仕事のプロの『課題の見つけ方』
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みんなの身の回りの仕事のプロも、課題を見つけることはとても大切だと言っています。たとえば、家に住む人の課題と向き合うリフォーム会社の人。「まず、お客様の視点に立って、何を求めているのかを聞いて、そこから提案するように心がけております」(住宅リフォーム会社 西口さん)。家の中を観察し、課題を見つける。家族と意見を交わし、課題を考える。

アクティブ10 プロのプロセス
課題の見つけ方
さまざまな仕事のプロから「情報の集め方」や「分析のしかた」「発表するテクニック」などを学ぶ。今回のテーマは「課題の見つけ方」。