チャプターあらすじを読む
オープニング
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ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらうお話です。

scene 01新しい大福が売れる方法を考える
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「マツオ! 熱心にパソコンでワーキングしてるなんて珍しいじゃないか。いったいどうした、マツオ?」。教室にやってきたオサダが言いました。「オサダくん、学校の前に和菓子屋さんがあるだろ。大福を新しくしたんだけど、なぜか売り上げが落ちてるらしいんだ。なんとかしてあげたくて、今、お客さんのデータを分析してるんだ」。そう、今日のテーマは『分析のしかた』。大福が売れる方法を、集めた情報から分析して考えようというわけです。「すばらしいじゃないか、マツオ。で、その“ニュー大福”ってのはどんな大福なんだ」。マツオが写真を見せます。「和菓子屋さんいわく、人生最高傑作の逸品(いっぴん)なんだ」。

scene 02ニーズを日々分析しているプロ
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「なるほど。ところでマツオ、おまえ分析なんてできるのか?」とオサダ。「いや、それが全然わかんないんだよね。でも、いるんでしょどうせ。プロが」。「しかたない。じゃ、呼んでやろう。奥村せんぱーい!」。すると、「呼んだかな?」と奥村先輩が現れました。「学校一の秀才、奥村先輩だ。優秀すぎて、学生なのに大手ゲーム会社で、お客様がどんなゲームを求めているか日々分析しているプロなんだ」とオサダ。「ちなみにどんなゲームを分析してるんですか?」とマツオが聞くと、「プー…」という答え。「えぇっ!」とマツオはびっくり。「そう、2500万ダウンロードを記録したあのゲームだ」。「すげえ…」。では、奥村先輩の分析のプロセスを見ていきましょう。

scene 03集めたデータを読み解き、解決策を導き出す
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「分析とは、集めたデータを読み解き、新しい考えを導き出したり、それを確かめたりすることです。そのとき、数値データやお客さんの意見といったさまざまな情報を分析することで、根拠があるよりよい解決策を導き出せるのです」と奥村先輩。ステップ1、『データを分析しよう!』。まずは数値やデータで、なぜ大福の売り上げが落ちてしまったのか確かめることが大切です。以前の大福と、新しくした大福の販売数を示した棒グラフ。「明らかに減ってる。やっぱり新しい大福が多くの人に嫌われちゃったんだよ」とマツオ。

scene 04多面的にデータを細かく分解しよう
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すると奥村先輩が「プー!」とホイッスルを鳴らしました。「このグラフだけで、大福が売れない理由を決めつけてはいけません。年齢、性別、職業など多面的な視点で、データを細かく分解して見ていくことがポイントです」。「ここでは、年齢という視点で分解していきましょう」と奥村先輩。先ほどの棒グラフを、どの年代の人がいくつ大福を買っていったのかわかるよう色分けしました。「あ、ほかの年代は変わってないのに、10代が買った数だけ減ってる」とオサダ。

scene 05お客の気持ちや状況とデータをかけ合わせる
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さらに、年齢以外の切り口でも深掘りしてみます。10代のお客さんがいつ大福を買っていったのかを示した折れ線グラフです。「17時ごろにたくさん買っていってたみたいだね」とオサダ。お客さんの気持ちや状況とデータをかけ合わせると、より深い分析ができます。「17時ってことは放課後、ちょっとおなかがすくころだよね。もしかしたら、大福を新しくしたことによって、放課後大福を買いに来た10代のお客さんが減ったことが原因かも」とマツオ。「つまり、放課後おなかがすいた10代がどんな大福を食べたいか考えれば、大福の売り上げが戻るんじゃないか」とオサダ。「二人ともするどい分析ですね」と奥村先輩。

scene 06アンケートは表にまとめて分類する
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ステップ2、『アンケートでお客の意見を分析しよう!』。「アンケートを読むときは、表にまとめると便利です。このとき、蛍光ペンなどで、似たような答えに同じ色でマークし、色分けしていきます。こうすると、多くの人が持っている意見が見やすくなります」と奥村先輩。「新しい大福への意見としては、値段が高い、小さいと思ってる人が多いね」とマツオ。「つまり、新しい大福は前の大福に比べて値段が高く小さかったから、放課後の10代には買ってもらえなかったってことか。ということは、安くて大きい大福を作れば売り上げが取り戻せるかもしれないな」とオサダ。「ようし、さっそく和菓子屋さんに伝えに行こう!」と走り出すマツオ。

scene 07プロのプレゼン「今までにがんばったこと」
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今回のプロは、外科医。情報を伝えるためにどんなテクニックを使っているのか、注目して見てみましょう。「外科医の私はこれまでどんなにがんばっても救えないがんや難病をたくさん見てきました。自分もがんを経験し命の大切さを知りました。だから健康なうちに病気の仕組みやこわさがわかるように、医療情報を他人にも役立てられれば、病気の予防や早期発見につながると考えました。そこで、人それぞれ異なる内臓や病気のデータを、VRで立体的に見て体験できるアプリを開発し、起業して世界中に普及しました。すると病気がわかりやすくなり、だれもが予防や早期発見に利用できたんです。医師にとっても病気の状態をより理解しやすくなったので、手術が正確になり、医療教育にも役立ったんです。皆さんも自分の医療体験を共有してみて下さい。それが、自分と、みんなの健康につながるんです」。どんなテクニックがあったかな?

scene 08プロのツール「ふせん」
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「やあみんな。僕が作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使いかたを聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「やあ、おれたちは『ふせん』。文字を書いて貼ることができるおれたちは、プロが情報を整理するときの必需品だ。使いかたその1、貼って見出しにする。 集めた資料を整理するとき、一目で内容がわかるだろう。ポイントとなるのは、ふせん同士がかぶらないこと。そして見出しを書く部分が長くならないようにするんだ。その2、動かして情報をグループ化する。動かしながらいろんなグループにまとめることで、情報が整理できるぞ。その3、はがして整理する。話し合いなど、情報を取捨選択するときとっても便利だ。最後に、きれいなふせんのめくり方を教えてやろう。さらば!」。横からめくるとキレイに貼れる。

scene 09いろいろな視点でデータを読み解こう
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「オサダくん、和菓子屋さん、売り上げが戻ったってとっても喜んでたよ!」とマツオ。「おれらの分析が正しかったってことだな」とオサダ。「うん。それでね、もう一つ若者ウケする和菓子を考えてほしいってことで、今回の分析をもとに考えてみたんだ。これ。その名も『10メートルみたらしだんご』。これがあればずっと満腹! ふふふ」。するとオサダが、「これじゃ、あきるぞ」と言いました。「えっ?」。「間にタピオカをはさむんだ」。「オサダくん、かしけぇ~!」。『分析のしかた』のプロセス。いろいろな視点でデータを読み解くことが大切なんですね。

scene 10身の回りの仕事のプロの『分析のしかた』
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みんなの身の回りのプロも、分析を行っています。町の課題を分析している、市の職員です。「先入観を持たずに、フラットな目でデータを分析しようというふうにいつも心掛けています」。イベントの結果を分析して、よりよい町づくりにつなげる。次回のイベントのため、参加者の意見をアンケートから分析する。分析したあと、町に出てさらに必要な情報を集める。

アクティブ10 プロのプロセス
分析のしかた
さまざまな仕事のプロから「情報の集め方」や「分析のしかた」「発表するテクニック」などを学ぶ。今回のテーマは「分析のしかた」。