チャプターあらすじを読む
オープニング
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ここは、とある学校。やたらとカタカナ言葉を使いたがるオサダと、アナログ人間のマツオが、情報社会を生き抜く技をプロから教えてもらうお話です。

scene 01マツオがクラス会議の司会進行役に
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「マツオ! 今日のクラスミーティングで、MCをDOするらしいな」。教室にやってきたオサダがマツオに言いました。「そうなんだよ、オサダくん。クラスの会議で司会進行役をまかされたんだ」とうれしそうなマツオ。すると、「あーぁ、なんだか心配」という声が。学級委員長のサヤシさんでした。「今日の議題はすっごく大事なのよ。マツオくんにファシリテーションできる?」。「ファシリテーション?」。「ファシリテーションとは、物体を瞬間移動させる能力のことだ」とオサダ。でも、「テレポーテーションじゃなくて、ファシリテーション。話し合いをまとめるスキルのこと」とサヤシさんが言いました。

scene 02ファシリテーションのスキルを学ぼう
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今日のテーマは『議論のまとめ方』。ファシリテーションのスキルを使って、より深く、スムーズな話し合いをしようというわけです。「そんなことぼくにできるわけないよ」とマツオ。すると、「こんにちは」と男の人が現れました。「去年うちの学校で“やさしそうな人ランキング”一位に選ばれた徳田くん!」とオサダ。「徳田くんは、全国の地域づくりやビジネスの現場での話し合いをまとめる、プロのファシリテーターなのよ」とサヤシさんが言います。それでは、徳田さんの『議論のまとめ方』のプロセスを見ていきましょう。

scene 03ゴール=具体的な議題を決めておく
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ステップ1、『はじめにゴールを決める』。…「それでは、来月町で開かれる“エコまつり”について話し合いを始めたいと思います」とマツオ。すると、「エコまつりについてって言われても、何について話し合ったらいいのかさっぱりわかりません」とサヤシさん。オサダも「確かに」と言います。「えぇ!?」と困ってしまうマツオ…。「話し合いは、最初にゴールを決めておくことが大切です。たとえばエコまつりについてなら、参加するかどうかを決めるのか、参加して何をするかを決めるのか、具体的な議題を決めておきましょう」と徳田さんが言いました。

scene 04グループサイズを小さくする
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ステップ2、『意見を出すときは少人数で』。…「それでは、来月参加する町の“エコまつり”で何をすればいいか、意見のある人」とマツオ。でもだれも手を挙げません。もう一度「意見のある人」と言っても、オサダもサヤシさんも目をそらしてだまっています。「誰でもいいからさ、意見出してよ」と泣きそうになるマツオ…。「みんなに意見を出してもらいたいときは、グループサイズを小さくしてみましょう」と徳田さん。「グループサイズ?」。「まずは、グループサイズ、1人から」と徳田さん。…「まずは1人で、何をしたいか、紙に書いてください」とマツオ。「ようし、書けた」。「わたしも」…。

scene 05グループ内の意見をしぼり、分類する
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「次は、グループサイズを4~5人にします。時間設定とルールをおさらいしましょう」と徳田さん。…「話し合いの時間は5分。相手の意見をよく聞いて、いったん受け止めてから、自分の考えを言いましょう」とマツオ。「わたしは、今年クラスで調べてきた食品ロスの問題について、パネルで展示したらいいと思う」とサヤシさん。「なるほど。おれは、食べ物の大切さをコントにしてみんなに伝えたい」とオサダ。どんどん意見が出ています…。グループ内で意見をしぼり、それらを黒板に貼って分類すると、全体での議論がしやすくなります。

scene 06必要なのは「WHYの視点」
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ステップ3、『WHYの視点で議論を深める』。…「やっぱりコントでしょ!」とオサダ。「絶対、パネルで展示!」とサヤシさん。「どれにすればいいんだぁー!?」と頭を抱えるマツオ…。「実は、話し合いの目的は、AかBかCか、どの意見にするか選ぶことじゃないんです」と徳田さんが言います。「え? ちがうの?」。「いちばん大切なのは、みんなが納得できる意見を探し、生み出すこと。もしかしたらAとBを合わせた意見かもしれませんし、まったく新しいXという意見かもしれません。そのために必要なのが、『WHYの視点』です」と徳田さん。

scene 07本当に目指したいことが見えてくる
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徳田さんがオサダに尋ねます。「オサダさんは、なぜ、食べ物の大切さをコントで伝えたいんですか?」。すると、「楽しくないとみんなに興味を持ってもらえないと思って」とオサダ。マツオがサヤシさんにたずねます。「サヤシさんは、なんでパネルの展示をやりたいの?」。するとサヤシさんは「役に立つ情報をちゃんと伝えれば、みんな、家でも試してみたくなると思うから」と言いました。「理由を見つめ直すことで、自分たちが本当に目指したいことが見えてくるんです」と徳田さん。『WHY』のほかにも、「相手の立場で考える」、「条件に照らし合わせる」などの視点で話し合うと、大事にしたいことが見えてきます。

scene 08面=グラフで考える
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ステップ4、『“線”ではなく“面”で考える』。…「やっと2つにしぼれた」とマツオ。でも、「パネル展示!」。「コント!」。サヤシさんとオサダが綱引きをして言い争っています。「あ~、どっちにすればいいかわからなーい!」とマツオ。「こういうときは、“線”ではなく、“L”で考えましょう」と徳田さん。「引っ張り合いの綱引きは“線”の状態。この“線”を折り曲げると“L”、つまり“面”になります。この縦軸(楽しめる)と横軸(試したくなる)に、『WHYの視点』で見つけたキーワードを書き込みます」と言います。「あっ、グラフになった!」。「このグラフをもとに、もう一度話し合ってみましょう」と徳田さん。

scene 09グラフをもとに話し合うと…
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「楽しくて、試したくなるような活動か…」と考えるオサダ。するとサヤシさんが「たとえば、町の人に参加してもらって、食品ロスを出さないお料理教室ってどう?」と言いました。「それいいかも! 楽しいし、家でも試したくなるよね」とオサダも乗り気です。議論した結果が黒板に、『食品ロスを出さない料理教室』とまとめられました。「このプランでいいと思う人は、拍手をして下さい」とマツオが言うと、みんなが大きく拍手しました。「ありがとう、ありがとう…!」。感激して号泣するマツオです。

scene 10プロのツール「机」
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「やあみんな。僕が作ったアイテム『プ』で、プロのツールに使いかたを聞いてみよう!」とオサダ。『プ』についている吸盤をツールに貼ると、『プ』がしゃべりだすのです。「オレは『机』だ! オレたちをどう配置するかで、会議の質が変わるぞ。その使い方を教えるぜ! まずは、①学校型。報告や説明が多いときに有効だ。話す人が、全員の表情を見ながら話すことができる。話し合いたいときは、②口の字型。話し合いがしやすい形。お互いの顔を見ながら意見交換ができるんだ。さらにもう一つ、③コの字型。お互いの表情もよく見えて、ホワイトボードやプロジェクターを使いながら話し合いがしやすいんだぜ。どうだ? 目的に合わせて机の配置を変えるんだぜ! わかった?」。

scene 11 Quiz Time!
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「メール」と「チャット」、どっちを使う? ①初めての人にお願い事をするとき。②複数の仲間と気軽にやりとりするとき。③重要な情報のやりとりをするとき。うーん…、迷いますね。

scene 12単純な多数決で決めない
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「和食がいい!」。「激辛料理に決まってんだろ!」。料理教室のメニューをめぐって、またサヤシさんとオサダが綱引きをして言い争っています。困り果てるマツオ。すると徳田さんが、「意見がたくさんあってなかなか決まらないときは、『投票』という方法もあります」と言いました。1人6枚のシールを持って、黒板に貼られた意見に、3枚、2枚、1枚と貼っていくのです。「重要なのは、単純な多数決で決めないことです。投票の結果は、話し合いのポイントをしぼる参考として使いましょう」と徳田さん。投票の結果は…。「激辛料理、少な!」とオサダ。話し合いが進まないときは、一度立ち止まって、みんなの気持ちを見つめ直すことが大切なんですね。

scene 13身の回りの仕事のプロの『議論のまとめ方』
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みんなの身の回りのプロも、議論を上手にまとめています。通信販売のカタログを作る出版社の人です。「いちばん重視しているのは、事前準備と、目的。その会議は何のためにやるのかという目的を明確にすることをいちばん心がけています」。今日の会議の目的を明確にする。実物を使いながら議論を深める。そして、意見を肯定的に受け止める。

アクティブ10 プロのプロセス
議論のまとめ方
さまざまな仕事のプロから「情報の集め方」や「分析のしかた」「発表するテクニック」などを学ぶ。今回のテーマは「議論のまとめ方」。

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