(オープニングタイトル)
ここは、みんなの役に立つものを作る「ツクランカー」の部屋。町のみんなが水害(すいがい)にそなえられる、“デジタル防災(ぼうさい)マップ”作りに挑戦(ちょうせん)。調べたことやハザードマップの情報(じょうほう)がとびでるしかけを作っています。
「うーん…」と主人公がなやんでいます。「どうした? 行きづまってるね」ともおでる。「きのう作ったデジタル防災(ぼうさい)マップを掲示板(けいじばん)でみんなに見てもらったんだけど、そのコメントが…」と主人公。コメントを見てみると、『クイズが見づらいな…』、『ボタンがわかりにくい』、『何から見たらいいのかまよう!』…。「なんか『見づらい』って意見が多いね」ともおでる。「どうしたらもっと見やすくできるのかなぁ」と考える主人公。そこへ、レディー・ガチャがあらわれました。「そんなときは、プロのわざをヒントにしてみよう」と言います。
教科書にのっている、人間の体のしくみについて説明(せつめい)しているイラスト。複雑(ふくざつ)な臓器(ぞうき)をかんたんな形にしたり、色分けしたりしてわかりやすくデザインされています。これを手がけたグラフィックデザイナーの木村博之(きむら・ひろゆき)さんに、主人公が作ったマップを見てもらいました。「いいねぇ。なんかおもしろそうだぞ。写真が出てくる…。あ、クイズですか。なかなか考えたね」と木村さん。でも、「ただ、これだと見づらいなぁ」と言いました。「じゃ、ここからアドバイスしていこうか」。
木村さんからのアドバイス。『ピクトグラムを作る』。同じ赤い丸ばかりでは、よくわかりません。そこで役に立つのが、ピクトグラム。ピクトグラムとは、情報(じょうほう)や指示(しじ)、案内(あんない)などを、かんたんな形で表したもの。ピクトグラムを作るときのコツを木村さんに教えてもらいます。「ぱっと見て何の説明(せつめい)もなくて、『こうしないといけない』とすぐにつたわってくるものを目指さないといけませんね」(木村さん)。
「ピクトグラムかぁ。ぼくも作ってみよう!」と主人公。「足もとが危険(きけん)な場所がたくさんあったよね」ともおでる。「そうそう。くつのイラストに、危険を表すマークをつけるのはどうかな?」と主人公。「いいね。『足もと危険』のピクトグラムだ」。さっそくマップに入力します。「見て! いろんなピクトグラムを作ったよ」。マップにいろいろなピクトグラムが書きこまれています。「“Q”は、『クイズ』だね。“ネズミ”はチュウチュウ…『注意』だね。デザイナーになった気分だね」ともおでる。
「これだけいろんなくふうをしたんだから、マップをバーチャル空間で見せるとか、もっとカッコよくできないかな?」と主人公。するとまたレディー・ガチャがあらわれました。「それならプロジェクションマッピングがヒントになるかも。ガチャンガ~、フン!」とガチャ玉を出します。フランスのリヨンにある教会。この教会が夜になると…、光りかがやいて動き出しました。これはプロジェクションマッピングという技術(ぎじゅつ)。建物(たてもの)にプロジェクターで映像(えいぞう)をうつしだすことで、みんながびっくりするような迫力(はくりょく)ある演出(えんしゅつ)ができるのです。
このプロジェクションマッピングに、あるものを組み合わせるアイデアがあります。そのあるものとは…立体模型(もけい)。「地図を高さの情報(じょうほう)といっしょに見てもらう。高さを推測(すいそく)するのではなくて、そのものを見ることができるので、よりリアルにわかる」と、大道寺覚(だいどうじ・かく)さん。大道寺さんが手がけた、長さ10mの巨大な立体模型。そこにうつしだされたのは、日本列島のさまざまなデータ地図。新たな組み合わせが可能性(かのうせい)を広げているのです。「プロジェクションマップにすることによって、データをかえればいろんな地形模型ができる。100種類(しゅるい)でも1000種類でもできる」。
「ぼくも立体模型(もけい)を作る!」と主人公。まずダンボールに白地図をはって、等高線にそってカッターで切っていきます。これを等高線ごとにくりかえして、全部切ったら重ねてはっていきます。「うまくいった!」。川の部分に青いテープをはったら…、「できた!」。「この模型のすごいところは、何と言っても、高さがわかるところだよね」ともおでる。「いちばん高いところは標高(ひょうこう)150mで、模型では5cm。てことは、高さ100mの通天閣(つうてんかく)は3cmくらい」と主人公。「へぇ、この山、けっこう高いんだ。ほかのものをおいてみるとイメージしやすいね!」ともおでる。
「みんなの町の立体模型(もけい)、準備(じゅんび)できたね!」とレディー・ガチャがあらわれました。「うん。プロジェクションマッピングしたい!」と主人公。「了解(りょうかい)! スイッチ、ガチャ!」。レディー・ガチャが立体模型に地図を重ねてうつし出します。「お~!」とよろこぶ主人公。「模型と地図がぴったり合っているね」ともおでる。「ハザードマップを出してみよう! まず、浸水(しんすい)が予想されるところ」と主人公。『浸水』のボタンをおすと、浸水想定区域(くいき)がうつしだされました。「おぉ~。川の近くに色がついている。やっぱりひくい土地は注意が必要(ひつよう)なんだね。山のほうは真っ白だ」ともおでる。
「次は、土砂災害(どしゃさいがい)の危険(きけん)がありそうなところ」と主人公が『土砂災害』のボタンをおします。「あ、山のほうに色がついたね! なるほど。立体模型(もけい)にうつしてみると、斜面(しゃめん)の危険が実感できるよ」ともおでる。そこへレディー・ガチャがあらわれて、「よくがんばった! 学校のみんなに見てもらおう!」と言いました。
関西(かんさい)大学初等(しょとう)部のみんなに見てもらいます。暗くして立体模型(もけい)にハザードマップをうつしだすと…。「わぁ~! すごーい! チュウイって書いてある!」。航空(こうくう)写真にすると…。「おぉ~!」。「こう見たら田んぼだらけ」と新たな発見もあったようです。そして浸水(しんすい)予想を見てみると…。「おおぉ~!」ともっとびっくり。「学校ギリギリや」。「うちの家、ぜったい水くるって」。「この星のマークのところににげれば」。この星マーク、何かというと…。「あー」。みんなの知っている公園。こうして見ると、高くて安全そうなところが避難(ひなん)場所になっているとわかりますね。
みんなで見ると、いろいろな発見がありました。防災(ぼうさい)に役立てるアイデアはあるか、関西(かんさい)大学初等(しょとう)部のみんなに聞いてみました。「ぼくが作るとしたら、等高線、高さとか、川の流れの速さをくふうして入れたい」。「浸水(しんすい)・土石流(どせきりゅう)とかをいっきに重ねて、どれとどれがあぶないかがわかるようにしたい」。いろいろな意見が出ました。みんななら、どんなもの作る?