チャプターあらすじを読む
scene 01新番組企画「ペットの画像コンテスト」
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「ペットの画像(がぞう)コンテスト。SNSで大募集(ぼしゅう)!」とユウタ。「ペットの画像? いい企画(きかく)ですね。どんな画像が来るか楽しみです」とトシヤ先生。ユウタたちが新番組の企画を考えています。すると、「ユウタ、募集画面できたよ。ちょっと見て」とミクがパソコン画面を見せました。「どれどれ?」。画面には、『かわいいどうぶつ画像、大募集! 新番組企画! コンテストを開きます。あなたの推(お)しを応募(おうぼ)してね!』とあり、#ペット、#どうぶつ、#かわいい画像、とハッシュタグがつけてあります。すると、「うーん、なんか弱くない? 画像とかつけたら?」とユウタ。

scene 02ネットで見つけた犬の画像
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ユウタがパソコンに『かわいい 犬』と入力して検索(けんさく)します。すると、犬の画像(がぞう)がたくさん出てきました。「どれがいいかな…。あ、これとかいいじゃん。コピペしようよ」と画像をコピーしようとします。「え、勝手に? 著作権(ちょさくけん)とかいいのかな?」とミク。「いいでしょ。ネットに上がってるわけだし」とユウタ。すると、「だめですよ」とトシヤ先生。「画像のコピペくらいみんなやってるよ。この人だって、みんなに見てほしくてのせてるわけだから、いいんじゃないの?」とユウタ。すると、「これを見て下さい」とトシヤ先生が自分のパソコン画面を二人に見せました。

scene 03「著作物」「著作権」とは?
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写真や小説、音楽など、自分の考えや気持ちを工夫して表現(ひょうげん)したものを「著作物(ちょさくぶつ)」といい、作品を作者の財産(ざいさん)として守る権利(けんり)などのことを「著作権」といいます。写真家の著作権を保護(ほご)し、作品の正しい利用の仕方を伝えている日本写真著作権協会。この協会の常務(じょうむ)理事をつとめる棚井(たない)さんのもとには、写真家や作品の利用者から著作権についての相談がよせられています。「特にSNSの利用が広がってから、質問(しつもん)がたくさんよせられるようになりました」(棚井さん)。

scene 04無断コピーは法律違反になる場合も
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写真を無断(むだん)で使ってしまった人からの相談です。『クレジットが必要な画像(がぞう)とは知らずに使用してしまった』。著作権(ちょさくけん)のことを知らずに、ある写真家のホームページから写真をコピーして自分のブログにのせました。すると、7年間の使用料、21万円が請求(せいきゅう)されたのです。「ほかの人のケースでも、『好きなものが写っていたので自分のブログに使わせてもらった』という人が多い」(棚井さん)。著作物の無断コピーは、悪意がなくても法律違反(ほうりついはん)になることもあります。利用するときは、著作権を持つ人の許可(きょか)が必要です。

scene 05著作物は著作者の“生活の糧”
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自身も写真家である棚井さん。ネット上で自分の写真が無断(むだん)で使われていると知りました。「自分が魂(たましい)をこめて作り上げた作品なので、とても悲しい気持ちになります。一方で、職業(しょくぎょう)写真家は雑誌(ざっし)や広告などの撮影(さつえい)を行っていますが、その作品は生活の糧(かて)となっているものです。使う側からしても、著作者(ちょさくしゃ)の許諾(きょだく)を得れば安心して使えますので、ぜひそういう形で許可(きょか)を得て使っていただきたいと思っています」(棚井さん)。

scene 06犬の写真の使用許可がとれた 
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「そっか…。あの犬の写真をとった人も何か思い入れがあるかもしれないね」とユウタ。「使ってもいいか、まずは聞くところからですね」とトシヤ先生。「でも、どうやって?」とミクが言うと、「あ、さっきの写真、ちょっと見てみるよ」と、ユウタがもう一度画面を開きました。「このSNSならメッセージ送れるかも」とミクが言いました。そして…。ミクとユウタがパソコンを見て笑顔で話しています。「よかったね」。「じゃこれをはって、ひと言加えよう。あの…」。そこへトシヤ先生が入ってきました。「あ、トシ先生。あのワンちゃんの写真、許可(きょか)取れました」とミク。「おぉ、すばらしい!」。

scene 07もし連絡がつかなかった場合は?
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「ダイレクトメッセージでやり取りしたんだ。あの写真を使わせてもらえないかって。そしたらこんな返事が」とユウタがパソコンを見せます。「どれどれ? 放送委員会の利用にかぎり、無償(むしょう)にて使用を許可(きょか)します…よかったね!」。するとミクが、「でも先生、もし連絡(れんらく)がつかなかった場合は、画像(がぞう)を使うのはあきらめるしかないんですか?」と言いました。「大きなルールから言うとそうなりますね」とトシヤ先生。「だからみんな勝手に使っちゃうんだよ。ネット上には作品がいっぱいあるし」とユウタ。「そこも今、問題になっているようなんです」とトシヤ先生が言いました。

scene 08著作権者に連絡がつかない“オーファンワークス”
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SNSや投稿(とうこう)サイトで気軽に作品を発表できる今。ネット上には権利(けんり)をたどりにくい作品“オーファンワークス”があふれています。今、著作権(ちょさくけん)者に連絡(れんらく)がつかないために利用できない作品がふえているのです。オーファンワークスの背景(はいけい)には、著作物の利用の仕方の変化があるといいます。「これまでは著作物を作るのはプロがやることで、それを使うのも一定の技術(ぎじゅつ)があるプロだったのが、だれもが著作物を作り、利用することが可能(かのう)になってきている」と、文化庁(ちょう)著作物流通推進(すいしん)室長の高見さんは言います。

scene 09だれもが著作物を生み出す時代
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楽曲『千本桜(せんぼんざくら)』は、個人(こじん)クリエーターがネットに投稿(とうこう)した作品でした。それがネット上で広がり、CM音楽に使われ、プロの歌手がカバーするなど大ヒットとなりました。だれもが著作物(ちょさくぶつ)を生み出し、ヒットにつなげるチャンスがある時代です。たとえば音楽の場合、以前はプロなどが作った曲の権利情報(けんりじょうほう)は専門(せんもん)の団体(だんたい)が管理していました。その後、ボカロP(音声合成ソフトを使って作曲し、投稿する人)などが生まれ、ネットの音楽配信会社なども権利情報を持つようになりました。

scene 10自分の作品が使われる可能性も
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そこで、両者をとりまとめ、1か所で検索(けんさく)できるよう、データベースを整備(せいび)。今後は個人(こじん)でも情報(じょうほう)を入力できるようにするなど、はば広く権利(けんり)情報を集めて検索しやすくするようなシステム整備を進めているところです。だれもが著作権(ちょさくけん)者になりうる時代。自分の作品が人に使われる可能性(かのうせい)も大いにあります。「そんなつもりで投稿(とうこう)している人は少数かもしれませんが、それもりっぱな作品だと認識(にんしき)をして、そこに著作権が発生しているし、アップすれば使われる。『この作品はこう使ってほしい』というのをぜひ表明してもらいたい」(高見さん)。

scene 11今度は放送委員会に著作権?
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「わたしもたまにイラストをかいてSNSに投稿(とうこう)してる。だれかに使われるとか考えてなかったな」とミク。そこでパソコンに着信音です。「メールだ。放送委員会あて。芽出ヶ丘ケーブルテレビからだ」とユウタ。トシヤ先生が読みます。「そちらのホームページで配信されている『ぼくらの学校紹介(しょうかい)』という番組動画を、弊社(へいしゃ)の番組内で使用させていただきたく…。これはわたしたちに著作権(ちょさくけん)があるってことですね」。「おれらの番組、テレビうつるの?」と喜ぶユウタ。「どんな番組なんですか?」とミク。「あ、企画書(きかくしょ)が添付(てんぷ)されてる」とユウタ。

scene 12著作物の使われ方も要チェック
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企画書(きかくしょ)には、「キッズが作ったオモシロ動画 大人顔負け! キッズが作った面白学校紹介(しょうかい)を1分にまとめてご紹介…」とあります。「オモシロ動画って、おれらフツーにまじめに作ったのに」とユウタ。「先方はこういう使い方をしたいと言っているわけですね。ふーむ」とトシヤ先生。「1分にまとめてって、わたしたちの番組は5分以上あるのに」とミクも不満そうです。「学校のイメージがまちがって伝わったらどうする?」。「ことわるのもありかな。もっとちゃんと話を聞いて決めたいよね」。「著作物(ちょさくぶつ)を使うのって、こんなにいろんなこと考えるんだね」。考えこむ3人です。

アッ!とメディア ~@media~
どうして許可をとるの? ~著作権~
テーマは写真のコピーと著作権。ユウタはネットから無断コピーした写真をSNSに投稿しようとし、注意される。「ネット画像のコピーは皆やってる」と開き直るがなぜ問題?

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