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scene 01『芽出中チャンネル』のニュースラインナップ
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ユウタとミクが、『芽出中チャンネル』のニュースラインナップを決めています。1.ゆるキャラ「めでっち」コラボまんじゅう発売。2.駅前にショッピングモールの建設(けんせつ)始まる。3.芽出ヶ丘のイチおしスポット。この順番にしたのですが、ユウタが「ラインナップの最初にインパクトがほしいな」と言います。「インパクト? 地元密着(みっちゃく)が“売り”なんだからこのならびでいいと思うけど」とミク。「いや、トップニュースは、駅前のショッピングモール」とユウタが順番を入れかえました。「なんで? 『めでっち』のコラボまんじゅうでいいじゃない」とミクがまた順番を入れかえました。

scene 02はでなニュースから始める?
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そこへ、「話し合いは順調ですか?」とトシヤ先生がやってきました。「先生、ニュースの順番ってどうやって決めるんですか?」とミクが聞きます。「はでなニュースをバーンと出したほうがみんな食いつくよね?」とユウタ。「食いつけばいいってもんじゃありませんよね」とミク。「ちょっと待って下さい。ニュースの順番でもめているんですね?」とトシヤ先生。「一回決めたのにユウタが引っくり返すから」。「だって、テレビのニュースだとはでなやつから入るじゃん」。ユウタがパソコンで調べ始めました。「あ、『テレビニュースの舞台裏(ぶたいうら)』。これ参考になるかも」。ユウタが見つけた映像(えいぞう)は…。

scene 03ニュース番組はどうやって作られる?
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ニュース番組はどのように作られるのでしょうか。東京・渋谷のNHKニュースセンター。昼夜を問わずニュースを作っています。ニュースのひと項目(こうもく)は、およそ三つのパートから成り立っています。これから伝えるニュースの前提(ぜんてい)をしめす「前ふりコメント」。ニュースを伝える「VTR」。そして、補足情報(ほそくじょうほう)や解説(かいせつ)を追加し、ニュースへの理解(りかい)を深める「あと受けコメント」です。複数(ふくすう)の項目をならべてニュース番組ができあがりますが、内容(ないよう)はもちろん、ニュースの放送順も大切です。

scene 04今起きていること、そして新たな視点
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2021年5月31日放送の『ニュースウオッチ9』。編集責任(へんしゅうせきにん)者は、記者や各地の放送局からはば広く情報(じょうほう)を集め、まずニュース項目(こうもく)を決めます。「今起きたことも大事ですが、気づいていなかった視点(してん)を伝えてくれるニュースは大事。この二つを組み合わせて考える」と笠間毅(かさま・たけし)さん。この日のニュースのなかでも新型コロナウイルス関連は特に重要だと考え、3項目挙げました。全国の感染状況(かんせんじょうきょう)を伝えるニュース。ワクチンの大規模接種(だいきぼせっしゅ)会場についてのニュース。さらに、海外からのウイルスを未然にふせぐ成田空港の取り組みです。

scene 05ニュースの放送順を考える
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次に、放送する順番を考えます。そのとき一つの参考にするのが、視聴率(しちょうりつ)。前日の番組の結果から、どんな項目(こうもく)の関心が高かったのか確認(かくにん)します。さらに、それぞれのニュースを作る担当(たんとう)者と話し合い、よりわかりやすくなるよう工夫します。こうしてできあがったラインナップ…。トップニュースには、その日の感染(かんせん)者数ではなく、あえてワクチン接種(せっしゅ)の状況(じょうきょう)を選びました。「ワクチンをいつ接種できるのか、そこが多くの人には関心が高いので、1項目めを『ワクチンの接種』にしました」(笠間さん)。

scene 06見る人を勇気づけたい
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さらに、新型コロナウイルス関連のニュースのあとに、パラアスリートの話題を入れることにしました。「ロックダウン下にあったフランス国内では、満足な練習ができないなど、今まさに逆境(ぎゃっきょう)のなかにいます」(ナレーション)。「コロナのことをみんなが思いうかべながら見られる」(笠間さん)。コロナのニュースをパラアスリートの話題につなげることで、見る人を勇気づけたいと考えたのです。同じ内容(ないよう)でも伝える順番によって印象が変わります。ニュースをどう受け取ってもらいたいか。ラインナップも、制作(せいさく)者が意図を持って決めているのです。

scene 07番組のメッセージが伝わるように
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「ラインナップって、番組のメッセージが伝わるように決めてるんだね」とユウタ。「わたしたちの場合、『地元への愛』が伝わるような順番を考えるってことかな」とミク。「だとしたら冒頭(ぼうとう)は…」。「町に住む人の温かさを伝えたい」とミク。「じゃあ、『めでっちまんじゅう』で行こう。次は、『イチおしスポット』かな」。ユウタがラインナップを入れかえます。「めでっちまんじゅう、イチおしスポット、最後に、駅前のモール建設(けんせつ)。伝えたいのは今の芽出ヶ丘の魅力と、これからの芽出ヶ丘!」とユウタ。ミクも満足そうです。

scene 08ユウタが読み上げた原稿
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『芽出中チャンネル』の収録(しゅうろく)です。原稿(げんこう)を読み上げるのはユウタ。「次は、駅前開発のVTRの“受け”ですね。ユウタさん、ここまでいい流れですよ」とトシヤ先生。「オレ、キャスターめざそうかな」と喜ぶユウタ。「準備(じゅんび)オッケー、カメラ回します。では、取材Vが明けたつもり。はい、キュー!」。ミクがキューサインを送り、ユウタが話し始めます。「駅前の空き地に大型ショッピングモールが建設(けんせつ)されるということですが、このモールには大手スーパーや有名チェーン店が入る予定です。これまでは小さな商店街しかなかったので物足りなかった…」。

scene 09感想は話さなくていい?
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するとトシヤ先生が「え?」という顔になりました。ミクも気になったようで、「ちょっと止めます」とカメラを止めました。「小さな商店街じゃ買い物が楽しくないわけ?」とユウタに言うミク。「そりゃ、何でもそろう新しい店のほうがいいじゃん」とユウタ。「今のはだめだと思う。商店街をばかにしているみたいに聞こえて」とミクがきびしく言います。「だってニュースを見てると、キャスターが考えを話すこともあるよね」とユウタ。「今のはユウタの感想でしょ? 話さなくていいと思う」とミク。すると、「そう言えば、報道(ほうどう)番組ではキャスターはどんなことに気をつけているんでしょうか」とトシヤ先生。

scene 10いろいろな角度から見たコメントを
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ニュースキャスターはニュースをわかりやすく伝えることが大切です。コメントはニュースの理解(りかい)をうながすためのもので、一人ではなく、多くの人に相談しながら考えていきます。和久田麻由子(わくだ・まゆこ)アナウンサーも、ニュースのコメントを考えるときには細心の注意をはらうと言います。「番組として伝えたいメッセージ、見る人の気持ち、そしてわたしの考えや意見。その三つが交わるバランスを意識(いしき)して言葉を選ぶようにしています。自分一人が思っていることは、ひとりよがりな考え方かもしれない。いろいろな角度から見ることによって、いろいろな気づきがあるし、考えも深まっていく」。

scene 11情報と意見のバランス…
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「ニュースって、『情報(じょうほう)』と『意見』、両方を発信してるんだね」とミク。ユウタも、「『意見』は個人(こじん)の感想じゃなくて、より『情報』を伝えるためのコメントだったんだね」と気がついたようです。「それを知ってニュースを見ると、見方も変わりそうですね」とトシヤ先生。「わたしはやっぱり、情報だけをシンプルに伝えたほうがいい気がする」とミク。すると、「でもさ、その情報をわかりやすくするためにコメントが必要なんじゃない?」とユウタが言いました。「バランス、むずかしいな…」。話し合いを続けるミクとユウタです。

アッ!とメディア ~@media~
ニュースの順はどう決まる? ~テレビニュース~
ニュース番組を制作中のユウタとミクはラインナップを巡り対立。ニュースの放送順はどう決める?ニュースキャスターが心掛けていることは?NHKのニュースセンターに密着

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