チャプターあらすじを読む
scene 01ネットに上げる動画の撮影
ないようを読む

「来年、わが校で予定されている体育館の建てかえ。これの本当の理由をみなさんごぞんじだろうか。実は推定(すいてい)一兆円を上回る埋蔵金(まいぞうきん)をほり起こすため…」。暗い部屋で、不気味な黒いマントを着たユウタがしゃべり、ミクが撮影(さつえい)しています。そこへトシヤ先生が入ってきました。電気をつけると二人がいたので「うわぁっ!」とびっくり。「あぁ…もう、とり直しだよ」とユウタ。「あぁ、すみません。真っ暗だったのでだれもいないのかと」と言いかけて、「何してたんです、そのかっこう?」とトシヤ先生が聞きました。「ネットに上げる動画をとってたんです」とミクが説明します。

scene 02動画を配信してお金がもらえる?
ないようを読む

「このたび、『ユウタ都市伝説チャンネル』を開設(かいせつ)したんです。バズってもうかったら新しい機材買うから」とユウタが言ったので、「動画を配信してお金がもらえる…? そんないい話があるんですか?」とまたまたトシヤ先生はびっくり。「先生、もしかして、ネット動画って見ない人ですか?」とユウタ。「ええ。新聞や本で情報(じょうほう)を得ることが多いし、テレビやラジオもあるので十分です」とトシヤ先生。「じゃあ、配信のしくみとか?」とミクが聞くと、「いやぁ、まったくうとくて」。すると、「そっか…」とパソコンに向かうミク。「じゃ、これを見て下さい」と見せた映像(えいぞう)は…。

scene 03動画投稿サイトとは?
ないようを読む

わかい世代ではテレビよりも利用時間が長いといわれるインターネット。そのおよそ八割(わり)を、ネット動画の視聴(しちょう)がしめているといいます。たとえば、短い動画が多く、すきま時間で楽しめる『TikTok(ティックトック)』。画面上に流れる視聴者のコメントといっしょに動画を楽しめる『ニコニコ動画』など。これらのサイトを、ここでは「動画投稿(とうこう)サイト」といいます。そのなかの一つが、『YouTube(ユーチューブ)』。2005年にアメリカで生まれたこのサイトは、世界で20億人以上が利用しています。

scene 04だれでも自由にアップロード
ないようを読む

YouTubeにはだれでも自由に動画をアップロードすることができます。なんと一分間に500時間以上の動画が投稿(とうこう)されています。多くの動画は個人(こじん)が作ったものですが、最近では企業(きぎょう)PR、テレビ番組を編集(へんしゅう)したもの、ミュージックビデオ、映画(えいが)の予告など、さまざまな分野で利用されています。テレビタレントでも自分の動画チャンネルを持つ人がふえています。長い時間が使え、編集されず、自分の思いを直接(ちょくせつ)伝えられるメリットがあるからです。国や地域(ちいき)を問わず、世界中で一日当たり10億時間以上の動画が再生(さいせい)されています。

scene 05広告が再生されることでお金を得る
ないようを読む

サイトの運営(うんえい)は、主に広告費でまかなわれています。見たい動画をクリックすると、冒頭(ぼうとう)で広告が流れてくるほか、動画のとちゅうで広告が再生(さいせい)されることもあります。広告費の一部がクリエーターにしはらわれます。利用状況(じょうきょう)が良好など、一定の条件(じょうけん)を満たしたチャンネルのみが、収益(しゅうえき)化できる資格(しかく)を得られます。YouTuber(ユーチューバー)は、広告が再生されることでお金を得ているのです。

scene 06いやなら見なければいい?
ないようを読む

「へぇー、すごい!」と感心するトシヤ先生。「自分が好きな動画をとってお金がもらえるなんて、クリエーターとしてモチベーション上がりまくりですよ」とユウタ。するとミクが、「そうは言うけど、人に迷惑(めいわく)かけておもしろがったり悪口を言ったりする動画は、気分よくないな」と言います。「え? 悪口を言ってお金がもらえるんですか?」とおどろくトシヤ先生。「暴露系(ばくろけい)、迷惑系、いろんな人がいますよ。話をもりすぎてうそっぽいネタもありますし」とミク。「そういうのがおもしろかったりするんだよ。見る人がいるからバズるわけだし、いやなら見なければいいんじゃない?」とユウタ。

scene 07動画配信は“何でもあり”?
ないようを読む

でもミクは、「見なきゃすむのかな。ユウタだって適当(てきとう)なうそをならべてたけど、動画を作る時点でだれかにめいわくかかってるかもよ」と言います。でも、「“何でもあり”っていうのが、動画配信のいいところじゃん」とユウタ。「えっ? 何でもあり!?」とまたおどろくトシヤ先生。「テレビには、放送への苦情(くじょう)を受け付けたり、人をきずつけたりうそをついたりした番組を調査(ちょうさ)する第三者機関がありますよね。そういうの、動画配信にはないということですか?」と言われ、「さぁ…」と口ごもるユウタ。「ちょっと調べてみます」とミクがパソコンで見つけた映像(えいぞう)は…。

scene 08動画の利用規約
ないようを読む

YouTubeには、動画を投稿(とうこう)する人や見る人に向けての利用規約(きやく)があります。そのなかには、YouTubeは13歳(さい)以上でないと利用できないというルールも書いてあります。なぜなら、一般(いっぱん)向けのYouTubeでは子どもにふさわしくない広告が出てきてしまうこともあるからです。13歳未満の子どもには、YouTube Kids(ユーチューブキッズ)というアプリをすすめています。または、保護者(ほごしゃ)が一部の機能(きのう)を制限(せいげん)したアカウントで見る方法もあります。

scene 09みんなが参加者となって作り上げていく
ないようを読む

動画の投稿(とうこう)にも決まりがあります。悪意のある表現(ひょうげん)、暴力(ぼうりょく)的な描写(びょうしゃ)、あやまった情報(じょうほう)など、見る人を不安にさせたり不快(ふかい)にさせたりする動画は上げることができません。アップされた動画はAIや人間が確認(かくにん)し、違反(いはん)があれば削除(さくじょ)します。「だれもがYouTubeに参加して自分を表現する機会を得ている。見ている人は、その動画から新しい知識(ちしき)を得たり、楽しみを得たり、何かに挑戦(ちょうせん)する機会を得る。見る側も作る側も、みんなが参加者となっていっしょに作り上げていく」と、YouTube運営(うんえい)会社の上妻(こうづま)さんは言います。

scene 10利用者どうしの意思表示が大事
ないようを読む

自由な表現(ひょうげん)の場を安心して楽しむために、視聴者(しちょうしゃ)にもできることがあります。たとえば、不正な動画を見つけた場合、運営(うんえい)側に直接(ちょくせつ)報告(ほうこく)することができます。また、動画に対して「高評価(ひょうか)」や「低評価」のボタンをおしたり、具体的な感想や意見をコメント欄(らん)に書きこんだりなど、クリエーターに直接意思を伝えることもできます。動画投稿(とうこう)サイトでの表現の自由は、利用者どうしの意思表示(ひょうじ)があってこそ成り立つのです。

scene 11表現の自由を判断するのは…
ないようを読む

「なるほど。見る側が発信者に直接(ちょくせつ)意思表示(ひょうじ)ができるんですね。動画がいいと思えば『高評価(ひょうか)』マークをおしたり、応援(おうえん)コメントを書いたり」とトシヤ先生。「その代わり、これはだめだと思えば、意見を書きこんだり、運営(うんえい)に報告(ほうこく)したりもできる。表現(ひょうげん)は自由だけど、それを見ている側が判断(はんだん)していくんですね」とミクも言います。「わたしたちが“第三者機関”、ということですね」とトシヤ先生。「えー、責任(せきにん)重大じゃん。第一、ガイドラインがあるっていうのも知らなかったし。さすがにでっち上げはまずいよねぇ…」と考えこむユウタ。

scene 12自由なメディアとして楽しむ
ないようを読む

するとトシヤ先生が、「うそで気を引く動画を作るのは感心しませんが、おもしろいことをあきらめるのはもったいない。せっかく自由なメディアなんですから」と言いました。「うーん。おれのチャンネルでは何を配信したらいいんだろう?」と考えるユウタ。すると、「お二人でおどってみてはいかがですか?」とトシヤ先生が言いました。「おどってみた?」。「おどってみた…」。すると、「わたし、ダンス得意ですよ」とミクが立ち上がりました。「え、本当? 見せて、見せて」。ミクがおどり始めました…。

アッ!とメディア ~@media~
表現の自由はだれが決める?~動画投稿サイト~
テーマは動画投稿サイトYouTube。ユーチューバーにお金が入る仕組みとは?誰でも自由に投稿できるが、皆が安心して表現の場を楽しむために視聴者に出来ることは?

クリップ

教材きょうざい資料しりょう

教材・資料(先生向け)

配信はいしんリスト

今年度こんねんど放送ほうそう

その放送ほうそう