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scene 01生徒会長選挙ポスターの写真
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「はい、笑う。かっこいい顔して」。ユウタがタブレットでミクの写真をとっています。「選挙はポスターが命だよ。勝つ気でやらないと」とユウタ。「わかってる。こう?」とポーズをとるミク。「もっと『生徒会長です』みたいな顔して」。「こう?」。「ま、OK。じゃあ、次」。そこへ、「ミクさん、生徒会長に立候補(りっこうほ)したんですね。がんばって下さい」とトシヤ先生がやってきました。「うーん、勝てる写真がとれない」とユウタ。「どうしたんですか?」とトシヤ先生に聞かれ、「わたしの選挙ポスター、思うような写真がとれないってなやんじゃって」とミク。「先生、どうすればいいんですか?」とユウタ。

scene 02写真とは瞬間を切り取るもの
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「写真としてはどれもおもしろいと思いますけど、選挙ポスターですからね。ミクさんが伝えたいことは何か、それが伝わるようにとるのがいいと思いますよ」とトシヤ先生が言いました。ミクの選挙の標語『調和~みんなで一緒(いっしょ)に未来をつくろう~』。「みんなでいっしょに未来をつくろうって気持ちをよびかけたいな」とミク。「そう言われても、どうとれば何が伝わるのか…」とユウタ。するとトシヤ先生が、「写真とはその瞬間(しゅんかん)を切り取るものですからね。アングルやサイズにも意味があるんですよ。ちょっと写真のイロハをお教えしましょう。これを見て下さい」とパソコンを開きました。

scene 03サイズによって伝わる情報が変わる
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写真は、その瞬間(しゅんかん)を静止画に切り取り、伝えるメディア。サイズや角度やポジションによって、伝わる内容(ないよう)が変わってきます。まずは、サイズ。とりたいものを大きく写す「アップ」。さつえいしたものや人の表情(ひょうじょう)など、細かい情報(じょうほう)が伝わります。同じ状況(じょうきょう)で広い範囲(はんい)を写している「ルーズ」。たとえば“だるまさんがころんだ”で、おにがタッチされる瞬間をさつえいした、という状況が伝わります。このように、サイズによって伝わる情報が変わります。

scene 04伝わり方を変える「カメラの角度、ポジション」
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また、カメラの角度を変えると伝わり方が変わります。上からとると、表情(ひょうじょう)をより印象的に。目の高さで水平にとると、親密(しんみつ)な印象に。下からとると、開放感のある印象になります。カメラのポジションによっても伝わる内容(ないよう)が変わります。高いところからとると、その場所の様子が客観的に。目の高さでとると、自分がその場にいるような感覚に。目より低いポジションだと、奥行き(おくゆき)が感じられ、その場の迫力(はくりょく)が伝わります。写真は、意図を持って切り取られた瞬間(しゅんかん)です。そのときその場で起きていることをすべて表しているものではありません。

scene 05何をどう見せたいか
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「写真は『何をどう見せたいか』でとり方が変わります。ミクさんが伝えたいことをもう少し考えてみましょうか」とトシヤ先生。「みんなでいろんな意見を出し合っていっしょに考えていく生徒会にしたい。だから、“調和”ってところがポイントかな」とミク。「てことは…。アングルは親近感が持てるように水平で、ミクの顔がわかるようにバストショット」とユウタがシャッターを切ります。写真を見て、「いいですねぇ。グッとミクさんの思いが伝わってきます」とトシヤ先生。「でも、ポスターにするには背景(はいけい)が…」とミク。「それはアプリで消せるんじゃない?」とユウタ。「じゃ、家でやってみる」。

scene 06ミクが手を加えた写真は…
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次の日。ミクがポスター写真を持ってきました。「どう、これ? 全力でスローガンをおしだして、調和感満載(まんさい)で仕上げてみました」とミク。写真を見て、「ミクやりすぎだよ。元の写真と全然ちがうじゃん」と笑うユウタ。「ちょっと現実(げんじつ)からはなれすぎているような。ミクさんはスローガンをわかりやすくするために写真に手を加えたわけですよね」とトシヤ先生が言います。「そのつもりですけど」。「だとしたら逆効果(ぎゃくこうか)だよ」とユウタ。「何がいけないの? どう直したらいい?」。「そう言われると…。あ、こんなのがあったよ」。ユウタがパソコンで見つけた映像(えいぞう)は…。

scene 07伝えたい情報を強調する後処理
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写真家の鈴木さや香(すずき・さやか)さん。何気ない生活のワンシーンをシンプルに表現(ひょうげん)する写真に定評(ていひょう)があります。さつえいする瞬間(しゅんかん)を大事にしているという鈴木さんに、どんなときに後処理(あとしょり)が必要になるか聞きました。『おいしくとって下さい』と言われてとったいちごの写真。ところが、『夕方で』と時間の指定をされた場合、処理が必要になります。写真に少し赤みを足すと…。夕方にさつえいしたおいしそうないちごになりました。少し青色を足すと、朝どれのみずみずしいいちごに見せることもできます。伝えたい情報(じょうほう)を強調する処理です。

scene 08写真の後処理の注意点
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しかし、後処理(あとしょり)は気をつけなければいけない点があります。ある男の人の写真。全体に明るくして、はだの質感(しつかん)をなめらかにし、かみの毛もつやつや、歯を白くしました。さらに処理を加え続けると…。「にせ物の筋肉(きんにく)を付けたことになるので、“彼”ではなくなってしまう。真実を伝えたいと思っている人の顔が後処理だらけだったら、『この人、本当に真実を言うのかな』って思う。自分で楽しむ分には後処理は悪いものではない。でも、そのとき『いいな』と思ってとったものを現実(げんじつ)からはなしてしまう。うその世界を作っていくことなのでとても注意が必要」(鈴木さん)。

scene 09素材を生かすように考えてみよう
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「写真に手を加えすぎちゃうと、とった瞬間(しゅんかん)の現実(げんじつ)がなくなっちゃうんだ」とミク。すると、「自分で楽しむ写真はいろんな処理(しょり)をしてもいいと思いますけど、だれかに何かを伝えるための写真だと誤解(ごかい)が生まれることもあるでしょうね。ユウタさんもミクさんも写真をとった時点で、言いたいことが伝わるようにアングルや表情(ひょうじょう)を工夫していましたよね。だとしたらその素材(そざい)を生かすように考えてみたらどうでしょう」とトシヤ先生が言いました。「そうだよミク。もとの写真にもどして考えてみよう」。「そうだね。もう一回チャレンジする!」。

アッ!とメディア ~@media~
事実を写している?~写真~
テーマは「写真」。写真のサイズやアングル、ポジションで、伝わるメッセージはどのように変わるのか?さらに、写真に後処理を加える際の注意点とは?

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