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scene 01新入生向けの学校紹介動画
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ユウタが新入生に見せる学校紹介(しょうかい)動画を作っています。「芽出中のいいところガッツリ紹介してるから。見てみる?」と自信満々のユウタ。「見たい見たい」とミク。「OK。じゃ流すよ」。『新入生のみなさん、芽出ヶ丘中学校へようこそ! まずは芽出中がどんな学校か、在校(ざいこう)生の声を聞いてみましょう』。「生徒どうしすごく仲がいいんです」。「すごく自由な学校。修学(しゅうがく)旅行先も生徒会で決められるしね」。「この制服(せいふく)がカワイイ!」。「図書室や進路指導(しどう)室が充実(じゅうじつ)していて、とてもいい学校だと思います」。「先生がおもしろくてやさしい!」。「体育祭とか文化祭とか行事がすごくもりあがる学校」。

scene 02本音の話はいらない?
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『芽出中ライフを楽しんでいる在校(ざいこう)生の声。いかがですか? みなさんが入学する芽出中では、充実(じゅうじつ)した中学校生活が待っています!』。続いて、『ここからは、各部活動を紹介(しょうかい)しますよ。ヒアウィーゴー!』。すると、「ちょっと待って」とミクが止めました。「何?」。「もっとほかの意見もあったよね」。「うん。でも、いい話以外いらないかなって」とユウタ。「いらない?」。「だって、新入生には芽出中のいいところを知ってもらいたいじゃん。これって、そういう動画でしょ?」とユウタが言います。「そうだけど、生徒の本音みたいな話はいらないのかな」とミクはすっきりしないようです。

scene 03 “使う・使わない”インタビューの基準は?
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そこへトシヤ先生がやってきました。「どうですか? 学校紹介(しょうかい)動画は」。「冒頭(ぼうとう)はできました」とユウタ。「さすがユウタさん、仕事が速い」と先生。するとミクが、「先生、インタビューの“使う・使わない”の基準(きじゅん)って何ですか? いろんな意見があるのに使わないっていいんでしょうか?」とたずねました。「使ってないインタビュー? どんな内容(ないよう)ですか?」とトシヤ先生。「あまりいい話じゃないからカットしたんです」とユウタが言うと、「ちょっとそれ、見てみたい」とトシヤ先生が言いました。

scene 04カットしたインタビュー映像
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ユウタがトシヤ先生に、カットしたインタビュー映像(えいぞう)を見せます。『あなたにとって、芽出中ってどんな学校ですか?』。「学校までの坂道がキツイ。夏なんて朝からあせだく!」。「小テストが多い。朝の学活前とか」。「プールの授業(じゅぎょう)もっとふやしてほしい!」。「女子の制服(せいふく)、スカートとズボンがあるのはうれしいけど、男子より制服代がかかるのはちょっと…」。「このジャージで外を歩くのははずかしいな」。「うーん、芽出中がどんな学校か…。特に特徴(とくちょう)はないんじゃないかな」。

scene 05いい話だけならべるのはちがう?
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「なるほど」とトシヤ先生。「こういう意見は出さなくていいのかな。いい話だけならべるのって事実とちがうような気がする」とミク。「じゃあ事実って何? 楽しそうな学校って思ってもらうのが目的じゃないの?」とユウタ。するとトシヤ先生が、「そもそも編集(へんしゅう)って何でしょうね? わたしもドキュメンタリーを見ていると疑問(ぎもん)だったんです。たとえば、一年間密着(みっちゃく)取材と言いながら30分にまとめてたりしますよね。あれは何をどう編集するんでしょうか」と言います。そして、「あ、この動画、参考になるかもしれません」とトシヤ先生がパソコンで見つけた映像(えいぞう)は…。

scene 06情報をそぎ落としてわかりやすくする
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NHK総合(そうごう)で放送している『あさイチ』の編集(へんしゅう)室。編集ではどのようなことを心がけているのか、番組プロデューサーの石川さんに聞きました。「5分のVTRを作るのに、40倍くらいの素材(そざい)を撮(と)ってくる。すべての情報(じょうほう)を伝えると情報が多すぎてわかりにくいので、情報をそぎ落とすように編集して、わかりやすく伝えることを心がけています」(石川さん)。この日は、ディレクターが作ったVTRの試写が行われます。今回は、髪(かみ)をとかすヘアブラシの特集。ヘアブラシを使ってさまざまな髪のなやみを解決(かいけつ)するという内容(ないよう)です。

scene 07客観的な視点でチェック
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試写にはプロデューサーだけでなく、リポーターなど番組に関わる人たちもリモートで参加。客観的な視点(してん)でチェックし、意見を出し合います。「クリスマスの話題かと思ったらヘアブラシってなったから、何を見るんだっけってわからなくなって」。指摘(してき)されたのは、VTR冒頭(ぼうとう)のシーン。『もうすぐクリスマス…』。クリスマスの話題かと思いきや、続けて紹介(しょうかい)されたのは、『シャンプーのあとけっこうぬけていてびっくりしました』。とつぜん、髪(かみ)の毛に関するインタビューに。何の話が始まったのかわかりづらいので、もっとテーマが伝わるようにしてほしいというのです。

scene 08インタビューの順番を入れかえる
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そこで、街頭インタビューを見直すことにしました。今回話を聞いたのは全部で9人。そのなかから選んだのは、番組の内容(ないよう)にそくしたなやみを話していた3人でした。冬の話題と結びつけるために、順番を入れかえてみることにしました。さらに、インタビューが唐突(とうとつ)にならないよう、映像(えいぞう)を追加。冬の乾燥(かんそう)からくる静電気をイメージしやすくしました。『髪(かみ)ふわーっとマフラーにくっついたりすると、静電気だなとか』。

scene 09試写を重ね、よりわかりやすく編集していく
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「最初にクリスマスとか年末とか、冬の髪(かみ)のこまりごとを強調したほうがいいとなって、試写では3人目だった女性(じょせい)のインタビューをいちばん前に持ってきて、より冬の髪のなやみを印象づけるように編集(へんしゅう)しました」(ディレクターの元浦さん)。このあともさらに試写を重ねて、よりわかりやすく楽しく見られるように編集が進められていきます。テレビをはじめ、わたしたちが目にしているメディアの多くは、編集されたものです。送り手が意図を持って表現(ひょうげん)する作業。それが編集なのです。

scene 10編集には送り手の意図がこめられている
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「編集(へんしゅう)には送り手の意図がこめられているんだね」とミク。「取材したすべてを採用(さいよう)するわけじゃない。編集は伝えたいことにそってわかりやすくまとめていく作業なんですね」とトシヤ先生が言います。「インタビューも順番通りとはかぎらないし、使われないこともある…」とミク。「ほら、だから言ったじゃん」とユウタ。「うーん、これで進めていいってことかなぁ。ちょっと元のインタビュー見せて」とミクが言いました。「うん」。パソコンに向かうミク。すると、「あれ? このインタビュー、続きがある!」と言います。「え?」とトシヤ先生もパソコンをのぞきこみます。なぜか気まずそうなユウタ。

scene 11インタビューで本当に言いたかったことは
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「生徒どうしすごく仲がいいんです」と言った女子は、「けど、上下関係がきびしくて、こわい先輩(せんぱい)もいるから、部活選びは要注意」と続けていました。「この人、生徒どうしの仲がいいって言うだけじゃなくて、本当はそのあとのことを言いたかったんじゃない?」とミク。「そうかもだけど、わざわざ言う必要ある?」とユウタ。ミクは、「この人の言いたいことが変わってる気がする。本当にこれでいいのかなぁ…」と言います。「どうなんでしょうねぇ」とトシヤ先生も考えこみます。「トシヤ先生だったら、どうやるんですか?」と聞かれ、「一度、見直してみてもいいかもしれませんね」と言いました。

アッ!とメディア ~@media~
送り手の意図を伝える~編集~
テーマは「編集」。映像の編集を扱う。インタビュー映像は事実をすべて反映しているのか。編集はどのように行われているのか。NHK総合「あさイチ」の編集の様子を取材。

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