チャプターあらすじを読む
scene 01『これを読むだけ! 超暗記術』という本
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「うーん、どうしよう…。見た人に、『あ、自分もやってみたい! 応募(おうぼ)したい!』って思ってもらいたいんです」。ミクが、放送委員会新メンバー募集のキャッチコピーを考えています。そこへ、「ちょっと聞いて!」とユウタがかけこんできました。「おれ、すごいもん手に入れちゃった!」と本を見せます。『これを読むだけ! 脳(のう)に刷りこむ超(ちょう)暗記術(じゅつ)』というタイトルです。「読むだけでいいんですよ。これさえあればぼくはもう満点しかとらない!」とこうふんするユウタ。「そんなうまい話ある?」と冷静なミク。すると、「これはすごい」とトシヤ先生。

scene 02思わずひきつけられるキャッチコピー
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「暗記シートを使って覚えたら、難問(なんもん)をクリアしながらたたきこむ。なかなかスパルタな参考書ですねぇ」と言いました。「え? 読むだけじゃ…?」とユウタ。「そこまでするから、『超(ちょう)暗記』ってわけだ」とミク。「このキャッチコピーにはわたしも思わずひきつけられましたよ」とトシヤ先生が言います。「どうしておれ、こんなに食いついちゃったんだろう」とがっかりするユウタが、「そもそもキャッチコピーって何だよ」と言いました。「ちょっとこれを見て下さい」とトシヤ先生がパソコンで見つけた映像(えいぞう)は…。

scene 03好奇心をかきたてる表現
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キャッチコピーの表現(ひょうげん)について研究している中央大学教授(きょうじゅ)の飯田朝子(いいだ・あさこ)さんに聞きました。「キャッチコピーとは、見た人をひきつけるために設計(せっけい)された短いフレーズのことです」。広告だけでなく、企業(きぎょう)や人物のイメージを印象づけるためにも使われたりします。キャッチコピーにはより多くの注目を集めるために表見の工夫がされているといいます。まず、好奇心(こうきしん)をかきたてる表現。たとえば、『〇〇とは!?』、『〇〇なのか!?』といった表現です。疑問(ぎもん)文にして、「何だろう?」と興味(きょうみ)をひくねらいがあります。

scene 04ほしい気持ちを刺激する表現
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続いて、ほしい気持ちを刺激(しげき)する表現(ひょうげん)。『今はやりの』や『全米No.1』など、だれもが持っている、知っていることをおしだしたり、反対に『冬季限定(げんてい)』や『先着100名様』など、かんたんに手に入らないことを強調したりする手法です。そして、心配を解消(かいしょう)する表現。『こんなときこの保険(ほけん)に入っていれば安心』、『海外出張(しゅっちょう)、英語が話せないあなたに!』といった、未来に対する不安な気持ちにうったえかける手法です。このように、人の心をひきつけるキャッチコピー。しかし…。

scene 05大げさなことば、根拠のない数字には注意!
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「商品の内容(ないよう)に対して大げさなことばがついているときは注意」(飯田先生)。たとえば、『絶対(ぜったい)やせる!』、『必ずお金持ちになれる』などの強すぎる表現(ひょうげん)や、『99%が満足!』、『3秒に1件(けん)のご注文をいただいています』といった、根拠(こんきょ)のしめされていない数字などには注意が必要です。「これらの表現に出くわしたら、すぐには飛びつかず、『それって本当かな?』といったんうたがってみましょう。なかには法律(ほうりつ)にふれるようなものもふくまれるので注意しましょう」

scene 06記憶に残すための表現
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「わたしは数字を見せられると弱いかも」とミク。「あと、不安をあおるCMってあるよね。『病気になったら』とか」とユウタ。「強く言いきったり想像(そうぞう)させたりすることで、記憶(きおく)に残しているのかもしれませんね」とトシヤ先生。「じゃ、これは?」とユウタがあの本を指差します。「暗記シートで覚えたことを、難問(なんもん)をといてたたきこむって流れを『読むだけ』って表現(ひょうげん)したんじゃない?」とミク。「期待しすぎには気をつけないといけませんね。そういえば、以前みなさんの先輩(せんぱい)がプロのコピーライターに取材した動画があるんです」とトシヤ先生言いました。

scene 07『マッチ売りの少女』のキャッチコピーを考える
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『芽出中放送委員会特別企画(きかく) キャッチコピーの作り方を学ぼう』――ナオキとユウリ。わたしたちがお会いしたのは、コピーライターの坂本和加(さかもと・わか)さんです。坂本さんは、企業(きぎょう)や商品などのキャッチコピーを作ってきました。わたしたちが目にしたことのある作品もあります。「今日、お二人に考えてもらうのは、『マッチ売りの少女』のキャッチコピーです」と坂本さんが言いました。マッチが売れず、悲しい結末をむかえるマッチ売りの少女。そこで、マッチを売るためのキャッチコピーを考えてみよう、というのがテーマです。

scene 08①いいところをさがす
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まずは、マッチのいいところをさがすことから始めます。「明るい」、「つけやすい」などが上がりました。「これを言って、『なるほど』って買ってもらう、アクションを起こしてもらうには何て言えばいいんだろう?」と坂本さん。「明るい」だけでは、街行く人は興味(きょうみ)を持ってくれません。そこで…。

scene 09②街行く人との共通項をさがす
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街行く人の気持ちによりそって、マッチにつながるものはないか、共通項(きょうつうこう)をさがすのだそうです。「マッチを売っていた時期って冬でしたよね?」とユウリ。「冬でしたね」。「寒いじゃないですか? 寒い。『寒いから、おうちの暖炉(だんろ)にマッチ(=火)をつけましょう』とか」とユウリ。街行く人の気持ちになって、冬だから寒いのではと考えました。ここで考えるポイントが…。

scene 10③ポジティブに言いかえる
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「これをポジティブに言いかえると?」と坂本さん。「うれしくなる。あたたかくなる」とユウリ。たとえば、『寒いから暖炉(だんろ)に火をつけましょう』を『暖炉に火をつけてあたたかく』と言いかえる。ポジティブなことばを使うことで、受け取る人にいい印象を持ってもらえるそうです。たしかにそのほうが、興味(きょうみ)がわいてきます。そして…。

scene 11④伝わることばを連想する
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相手に伝わるよう、『あたたかい』から連想することばをさがしてみることに。「あなたの心をもやします」とユウリ。「すてき! ロマンチックだね」と坂本さん。「やったー!」。さらに、「あたためるって、ギューッてハグしてあたためるから、『マッチがハグしてくれる』」とユウリ。「それもおもしろいね。書いてみようか」と坂本さん。最後に…。

scene 12⑤客観的に見て話し合う
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キャッチコピーが書けたら、客観的に見て、みんなと話し合います。いくつか案を出して最終的に気に入ったのが、『マッチがハグしてくれる』。「ハグすることで『何が起きるのかな?』、マッチを使うことで『何が起きるのかな?』という疑問(ぎもん)になる。それで興味(きょうみ)に引っかかってくれると思う」とナオキ。ナオキの作ったキャッチコピーは、『あなたの心を照らしてくれます』。冬の暗くて長い夜に、安心感を持ってもらいたかったそうです。「『自分が言いたいこと』を『あなたにも関係あること』にしてあげると、『おっ?』って思ってもらえることが多くなる」と坂本さんが言いました。

scene 13身近なことにキャッチコピーをつけてみよう
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「キャッチコピー作るのっておもしろいじゃん!」とユウタ。「わたし、ハマりそう!」とミク。「言いかえたり、組み合わせたり。ことばの力を感じますよねぇ」とトシヤ先生も感心しています。ミクが、「放送委員会の新メンバー、どう伝えたら心にささるかな?」と言いました。「そうだなぁ。まずは放送委員会の魅力(みりょく)を伝えないとね」とユウタが言います。「あ、『たいくつな放課後を楽しもう!』」とミク。「楽しい委員会だということが伝わりそうです」とトシヤ先生。「あとは、『かっこいい先輩(せんぱい)がいます』とか」とユウタ。でも、「それはちょっともりすぎかなぁ」とミク。

アッ!とメディア ~@media~
ハートにささることば ~キャッチコピー~
テーマは「キャッチコピー」人の興味をひくためにどのような表現の工夫があるのか。またプロのコピーライターから心にささるキャッチコピーをつくり方について学ぶ。

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