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オープニング
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『地球は放置してても育たない』。これは、地球とつながっているちょっと不思議なゲーム。ミッションをクリアすると、地球がレベルアップするんだとか。でも、みんなにいつも放置されているみたい…。

scene 01今は「レベル1」の地球
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「どうも、地球です。わたしは今、おこっています。わたしは、レベル1の地球です。つまり、今の地球です。わたしがレベル99になったら、こうなるんだって」と見せたフリップには、まほうのアイテムをたくさん身につけた、カラフルな服装(ふくそう)の子がえがかれていました。「なりたいよ! でも、なれないの。なんでなれないか? それは…みんながわたしを放置しすぎだから! おねがい、人類のみなさん! ゲームを起動していっしょにミッションをクリアして下さい! そうじゃないとわたしはずっとレベル1のままだからね。かわいそうだと思いませんか?」。すると…。

scene 02SDGsステージ『海の豊かさを守ろう』
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部屋が明るくなり、画面がスマホになりました。「あ、だれかがゲームを起動してくれた! だれだかわかんないけど、ありがとう! ハロー! わたし、地球。ステージを選択(せんたく)してね」。いろいろなSDGsステージから選んでくれたのは、『海の豊(ゆた)かさを守ろう』。「さっそくいっしょに問題を考えてみよう!」。ところがそこで部屋が暗くなり、ゲームがオフラインになりました。「え? せっかく始めたのにもうゲームやめちゃうの? 待って待って、海で何が起きてるのか知ると楽しいよ~」。するとまたゲームがオンラインになりました。「じゃあさっそく、まほうのつえを使って、ゲームを進めてみよう」。

scene 03地球はごみ箱?
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ポケットからまほうのつえを取り出そうとする地球。ところが出てきたのはペットボトルです。「なんでポケットにペットボトルが入ってるの? えっ、わたしってゴミ箱なの?」。彼女(かのじょ)は地球そのもの。つまり、地球で起こっていることが、同じように彼女の身にふりかかってしまうのです。「こんなことしてる場合じゃない。早くミッションを始めないと! まほうのつえは…あった、あった!」。まほうのつえを手に取った地球は背中(せなか)をかき始めました。背中をかいて呪文(じゅもん)をとなえると、地球の問題をうつしだすことができるのです。「よーし。アスアース、みール!」。

scene 04ミッション「助けよう! 海の生き物」
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今回のミッションの舞台(ぶたい)は、海。実は今、海でおそろしいことが起きています。わたしたちは魚や海草といった水産資源(しげん)をとることで海からのめぐみを受けています。しかし世界ではこの水産資源がへってきています。その理由の一つが、乱獲(らんかく)。国連の調査(ちょうさ)によると、とりすぎの状態(じょうたい)にある水産資源は全体の35%もあり、絶滅(ぜつめつ)のおそれがある種類も出てきています。さらに、海洋汚染(おせん)も問題です。工場や家庭からの汚水(おすい)や船から流れ出る油が、生態系(せいたいけい)のバランスをくずす原因(げんいん)となっています。

scene 05海の生き物たちをおびやかす問題
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そして近年、海の生き物たちをおびやかすさらに深刻(しんこく)な問題が出てきています。オーストラリアの大学などで行われたミズナギドリの調査(ちょうさ)。海鳥のおなかの中を調べると、出てきたのはプラスチック。死んでしまった海鳥のおなかの中からは、112個(こ)のプラスチックが見つかりました。海にただようプラスチックをえさとまちがえて食べてしまったようです。石油などを原料にして作られるプラスチック。じょうぶで軽く、どんな形にも作り変えることができるため、わたしたちの生活に欠かせないものとなりました。これまでに人間が作ったプラスチックの量は、およそ83億トンにものぼります。

scene 068割がうめたて処理されるプラスチック
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東南アジアの国マレーシア。ここは、そのプラスチックが世界中から最終的にたどりつく先の一つ。砂(すな)のように見えるのは、粉々にくだかれたプラスチックごみ。これはすべて、リサイクルの原料にするために海外から輸入(ゆにゅう)されたものです。しかし、よごれていてリサイクルできないものや、量が多すぎて処理(しょり)できないものが不法にすてられています。プラスチックは、もやすと大量のCO2を排出(はいしゅつ)するため、世界では実に8割(わり)近くがうめたてによって処理されます。なかには、ごみとして放置され、野ざらしになっているものもあります。

scene 07「マイクロプラスチック」という問題
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こうしたプラスチックの一部は、雨で流されて川に入り、海へ流れ出るといいます。その量は、毎年およそ170万トン。世界の人口一人当たり、ペットボトル7本分の量のプラスチックごみを海にすてていることになります。海に流れ出たプラスチックは、太陽からの紫外線(しがいせん)や波の力などにより、どんどん細かくなっていきます。このように、5mmより小さくなったプラスチックが、「マイクロプラスチック」です。これを魚たちがえさとまちがえて食べてしまい、プラスチックやふくまれている毒が体にたまるなど、深刻(しんこく)な問題となっています。「わたしの体ってそんなふうになってたの?」。

scene 08マイクロプラスチックを調べるヒントを
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こわくなった地球が思わずお茶をゴクゴク。「はっ! これもまさにペットボトルだ。わたしもいつもお世話になってるんだ。マイクロプラスチックもこわいけど、使ってもいるし、どうしたらいいんだろう?」と考えていた地球。「そうだ! こういうときは“お助けガチャ”だ。“ガチャ”をおしてみて。始めたら心の中で『ストップ!』って言ってみてね」と言いました。『スタート!』。5まいのカードがあります。カードを引いて、マイクロプラスチックを調べるヒントをもらおう! マイクロプラスチックはみんなの身近にも見つけることができます。自分でたしかめてみましょう。「何が出るかな…?」。

scene 09マイクロプラスチックを身近に見つける
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引いたカードはスーパーレア! マイクロプラスチックを研究するすごい博士『プロフェッサー高田秀重(たかだ・ひでしげ)』です。さっそく、マイクロプラスチックの見つけ方を教えてもらいましょう。準備(じゅんび)するのは、スコップ、ガラスのびん、水道水、そしてわりばし。マイクロプラスチックを採集(さいしゅう)する場所は、どこにでもある砂浜(すなはま)。「波打ちぎわよりも陸側でさがして下さい」(プロフェッサー高田)。プロフェッサー高田がさがす場所は、石や貝などが落ちている黒いスジより陸側。これは、マイクロプラスチックが軽いため、陸側に打ち上げられるからです。

scene 10びんに入れて全力でまぜる
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「目印になるものは、タバコのすいがらとかペットボトルのふた。このまわりに必ずマイクロプラスチックがあります」(プロフェッサー高田)。まずはスコップで表面から2~3cmの砂(すな)をすくい、ガラスびんに入れます。そこに、水道水を入れます。ポイントは、びんの下から4分の1が砂、4分の3の高さまで水を入れること。そして、わりばしでかきまぜます。びんの底をかき出すように全力でまぜるのがポイントです。まざったら手を止め、1、2分待ちます。

scene 11自然界にない色や形のものが…
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すると…。かれ枝(えだ)に交じって、何やら色のついたものが出てきました。「ういているもののなかで、赤とか緑とか青とか自然にないような色、カラフルなものが、プラスチックと思っていい」(プロフェッサー高田)。あざやかな色のもの、白や黒でも四角や丸といった自然にはあまりない形だと、マイクロプラスチックの可能性(かのうせい)が高いそうです。とれたものを特殊(とくしゅ)な機械で調べてみると、全部プラスチックであることがわかりました。また、川の河口(かこう)付近でもマイクロプラスチックが見つかることがあります。みんなも調べてみましょう。

scene 12ミッション「ナノプラスチックをくわしく知ろう!」
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「うーん…。あぁ、助けて! 大きなカメが走って追いかけてくる! はっ!」。夢(ゆめ)にうなされていた地球が目を覚ましました。「マイクロプラスチックのミッションがつらすぎて、ついねてしまった」。すると急に部屋が暗くなりました。「あー、ゲームやめないで! わたしが『見て』って言ったのにねちゃったんだもんね。ごめんなさい」。するとまた部屋が明るくなりました。「ありがとう。じゃ続けるね」。二つのミッションを見くらべます。「簡単(かんたん)そうなのは…ナノプラスチック? これなら簡単かも。ちょっと見てみよう」。

scene 131mmよりも小さな「ナノプラスチック」
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海を汚染(おせん)するプラスチック。実は、目には見えない新たなリスクがうかびあがってきました。1mmよりもはるかに小さな「ナノプラスチック」の存在(そんざい)です。ナノプラスチックは、マイクロプラスチックがさらに細かくなってできたものだといわれています。大きさを、空気中を飛ぶ花粉とくらべてみると…。直径がその30分の1以下。とても小さい。ここまで小さいと人間の目には見えず、軽いので空気中もただようことができます。ある研究によると、このナノプラスチックがわたしたち人間の体にも影響(えいきょう)をおよぼすおそれのあることがわかってきました。

scene 14赤ちゃんにも悪影響が!?
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おなかの中の赤ちゃんにお母さんからの栄養や酸素(さんそ)をとどけている、胎盤(たいばん)。その胎盤を使い、ナノプラスチックを流しこむ実験を行うと…。ナノプラスチックが胎盤組織(そしき)の外側の細胞(さいぼう)に入りこんでいました。「ナノプラスチックが胎盤の組織に長い期間あると、大切な機能(きのう)をさまたげ、赤ちゃんに必要な栄養やホルモンが十分にとどかないなど、悪い影響(えいきょう)が出るおそれがあります」(研究者)。人間が生み出したものが、人と海をおびやかす。われわれはプラスチックとどう向き合っていけばよいのでしょうか。

scene 15プラスチックに代わる新しい素材は?
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「これもプラスチック」。地球がごみを分別しています。「でもさ、これもプラスチックなんだよね」。手にしたのは目覚まし時計やボールペン。「プラスチックを使わないってわけにもいかない気がするんだよな。これ全部なくなったら不便すぎるし。そうだ! プラスチックに代わる新しい素材(そざい)を発明すれば! いやいやだれが? いつ? あとどれぐらいかかるの? ねぇ、キミはどう思う?」。ゲームのプレイヤーに問いかけると、ゲームはオフラインに…放置されてしまいました。「だれかいっしょに考えてくれないかな。ねぇみんな、地球は放置してても育たないんだよ」。今日も放置された地球。レベルアップまでの道のりは、まだまだ遠そうです。

地球は放置してても育たない
放置しないで!プラスチックごみ問題
【目標14 海の豊かさを守ろう】地球自らが地球の危機を人類に猛烈に訴える番組。今回のテーマは海のプラスチックごみ問題。SDGsを楽しく学ぼう!

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