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オープニング
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『地球は放置してても育たない』。これは、地球とつながっているちょっと不思議なゲーム。ミッションをクリアすると、地球がレベルアップするんだとか。でも、みんなにいつも放置されているみたい…。

scene 01地球の体が熱いわけは?
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「アチ~アチチ~。最近体がどんどん熱くなってる」。すっかりばてている地球。そこで部屋が明るくなりました。「あ、ゲーム起動してくれた! ハロー! わたし、地球。ステージを選択(せんたく)してね」。SDGsステージから選ばれたのは、『気候変動に具体的な対策(たいさく)を』。ところがそこで暗くなります。「待って! たしかにむずかしい問題かも知れないけど、本当に大切なことなの。だからおねがい、ゲームを続けて」。また部屋が明るくなりました。「ありがとう。わたしの体が熱いのには理由があって、これを見たらわかるの」。地球はまほうのつえを取り出してじゅもんをとなえます。「アスアース、みール!」。

scene 02知ってほしい! 地球温暖化
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日本では、外に出ることさえ危険(きけん)な暑さの日がふえています。2022年には、最高気温35℃以上の猛暑(もうしょ)日が東京で16日もありました。暑くなっているのは日本だけではありません。北極に近いグリーンランドは、地表の大部分が、「氷床(ひょうしょう)」とよばれる氷におおわれています。その氷が暑さによって次々ととけ、海にくずれ落ちています。とけた氷の量は、一年間だけで5320億トン。琵琶湖(びわこ)19個(こ)分の水量です。このまま氷がとけ続ければ、海面が大きく上昇(じょうしょう)。小さな島や、東京などの海ぞいの都市が水害に見まわれるおそれがあります。

scene 03地球温暖化の仕組み
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地球の平均(へいきん)気温は上がり続けていて、150年前とくらべておよそ1.1℃上昇(じょうしょう)しています。この地球温暖化(おんだんか)は、どんな仕組みで起きているのでしょうか。地球は太陽の光によって温められ、熱は宇宙(うちゅう)ににげていきます。しかし、二酸化炭素(にさんかたんそ)などの温室効果(こうか)ガスがふえると、出ていくはずの熱を大気中にとじこめてしまいます。その結果、地球が暑くなっているのです。

scene 04温暖化が引き起こされた原因
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温室効果(こうか)ガスがふえた原因(げんいん)は、人間のライフスタイルの変化。たとえば、移動(いどう)に便利な自動車や飛行機は、石油をもやしてたくさんの二酸化炭素(にさんかたんそ)を出します。くらしに欠かせない電気は多くが火力発電。これも二酸化炭素を多く出します。一方で、二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)してくれる森林は、農地や材料を得るために次々と伐採(ばっさい)されています。人間がより便利で快適(かいてき)な生活を求めた結果、温暖化(おんだんか)が引き起こされたのです。

scene 05温暖化の深刻な被害
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そして温暖化(おんだんか)はさまざまな気候変動と深刻(しんこく)な被害(ひがい)を生み出しています。2019年に起きたオーストラリアの山火事。被害が大きくなった原因(げんいん)の一つが、温暖化です。高温と乾燥(かんそう)によって森の水分が極端(きょくたん)にへり、もえひろがりやすくなったといいます。カンガルーやコアラなど30億以上の動物が犠牲(ぎせい)になりました。こうした大規模(だいきぼ)な山火事が各地で相次ぎ、人や自然に被害をもたらしています。

scene 06温暖化によって台風も強力に
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さらに、最近の研究で、温暖化(おんだんか)によって台風が強力になることもわかりました。2019年に日本をおそった台風19号。各地で堤防(ていぼう)が決壊(けっかい)し、90人以上が犠牲(ぎせい)になりました。この台風を温暖化が進む前の気候で再現(さいげん)したシミュレーション。実際(じっさい)の台風19号とくらべてみると、温暖化によって降水量(こうすいりょう)が10%ほどふえていました。海水の温度が上昇(じょうしょう)すると海面からの水蒸気(すいじょうき)の量がふえ、台風が強力になったり、大雨がふえたりします。温暖化の影響(えいきょう)で、大きな水害がふえているのです。

scene 07ふだんの生活でも二酸化炭素を出している?
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「はぁ~、暑いことでたくさんの異変(いへん)が起きてるの。う~、とにかく暑さをどうにかしないと!」。地球が扇風機(せんぷうき)のスイッチを入れました。「あー、すずしいー。やっぱり電化製品(せいひん)って便利だよねぇ。あ~~~。は! でも便利なものを使うということは、二酸化炭素(にさんかたんそ)をたくさん出しているってことになる…。ねぇ、キミはどうしたらいいと思う?」。でも反応(はんのう)がありません。「じゃあ、ふだんの生活のなかでどれぐらい二酸化炭素を出してるか知ってる? 知らないよね。それがわからないとへらしようもないか。そうだ! こういうときこそ“お助けガチャ”だ!」。

scene 08一年間にひと家族で3.7トン
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“お助けガチャ”のカードを引いてみましょう。温暖化(おんだんか)対策(たいさく)について考えるヒントがもらえます。引いたカードは、“カーボン・ミエール・グラス”。これを使えばわたしたちが出している二酸化炭素(にさんかたんそ)の量が見えるようになります。まずは、家にある電化製品(せいひん)。部屋の明かりを1時間つけておくと、およそ3.2gの二酸化炭素が出ます。次はおふろ。おふろ一杯(いっぱい)分のお湯をわかすと1.3kg。ガソリンで走る自動車は1km走るごとに131g。一年間で見てみると、ひと家族でおよそ3.7トン出しています。では、どうしたら二酸化炭素を出す量をへらせるのでしょう。

scene 09社会全体で二酸化炭素をへらす工夫を
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カーボン・ミエール・グラスを“カーボン・ヘラース・モード”にチェンジ! たとえば、エアコンの冷房(れいぼう)温度を1℃高く、暖房(だんぼう)なら1℃低く設定(せってい)すると、二酸化炭素(にさんかたんそ)の排出(はいしゅつ)量は年間で31kgへります。シャワーを使う時間を1分間へらすと年間65kg。ちなみに日本全体の二酸化炭素排出量は10億6400万トン。世界で5番目です。そのうち家庭から出るのはおよそ15%。発電所や工場、会社、自動車などが80%以上をしめます。社会全体で二酸化炭素をへらす工夫が必要です。そこへ緊急(きんきゅう)ミッション『残された時間は多くない!』がとどきました。

scene 10残された時間は多くない!
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このまま二酸化炭素(にさんかたんそ)を出し続ければ、2030年代には気温が150年前とくらべてプラス1.5℃になるおそれも。さらに温暖化(おんだんか)が進むと、氷がとけ、凍土(とうど)からは温室効果(こうか)ガスが噴出(ふんしゅつ)。森は乾燥(かんそう)によって次々と失われ、森がなくなれば二酸化炭素はさらにふえ、気温が上がります。この悪循環(あくじゅんかん)がくりかえされて、最悪の場合プラス4℃に。そうなれば、かんばつや洪水(こうずい)などの異常(いじょう)気象の頻度(ひんど)が数十倍になるという予想もあります。30億人以上が水不足になり、絶滅(ぜつめつ)する動植物もふえます。

scene 11再生可能エネルギー
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気温上昇(じょうしょう)を1.5℃におさえるには、2030年までに二酸化炭素(にさんかたんそ)の排出(はいしゅつ)をほぼ半分に、2050年ごろには実質(じっしつ)ゼロにする必要があるとされます。この目標を達成しようと世界をリードしているのがヨーロッパの国々です。カギは再生可能(さいせいかのう)エネルギー。太陽光、風力など自然の力を利用した、二酸化炭素を出さないエネルギーです。2030年までに石炭火力発電所をすべて廃止(はいし)し、再生可能エネルギーにおきかえる計画です。

scene 12二酸化炭素を出さないと得をする社会に
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さらに、二酸化炭素を出さないほうが得をする新しい社会を作ろうとしています。たとえば、温暖化(おんだんか)対策(たいさく)をしていない企業(きぎょう)の商品には税金(ぜいきん)をかける。すると、対策に取り組む企業の商品のほうが安くなり、売れやすくなります。こうした取り組みには若者(わかもの)たちも一役買っています。気候変動の危機(きき)をうったえる若者たちの活動がSNSで拡散(かくさん)。世界中から、大人たちに具体的な対策を求める声が上がっています。

scene 13期待される洋上風力発電
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日本も対策(たいさく)を行っていますが、思うように進んでいないのが現状(げんじょう)です。たとえば、海の上に建てた風車で発電する洋上風力発電。海では強い風が安定してふくため、海に囲まれた日本にとって新たな電力源(でんりょくげん)になると期待されています。しかし、風車の建設(けんせつ)や管理にはたくさんの費用がかかり、技術者(ぎじゅつしゃ)も足りていません。漁業への影響(えいきょう)などを考える必要もあり、大規模(だいきぼ)な普及(ふきゅう)への道のりはまだ遠いものがあります。

scene 14二酸化炭素を吸収する取り組み
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海の草アマモ。生長がはやく、たくさんの二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸収(きゅうしゅう)します。こうした海の植物をふやしていく試みが全国各地で広がっています。二酸化炭素を吸収する量は年間518万トンにものぼります。しかし日本で出される二酸化炭素は年間10億トン以上。まずは出す量をへらさなければ焼け石に水です。日本は2030年までに、2013年とくらべて温室効果(こうか)ガスの排出(はいしゅつ)量を46%削減(さくげん)することをめざしています。しかし現状(げんじょう)は17%。残された時間はあと数年です。温暖化(おんだんか)を食い止めるために、今、何ができるのでしょうか?

scene 15本当にもう時間がない…
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「あー、また体が熱い…。どうしてもっと二酸化炭素(にさんかたんそ)とかたくさんへらせないんだろう。このままじゃいけないってみんなわかってるのに。ねぇ、キミはどうしたらいいと思う? むずかしいよね。じゃあ、どうしたらいいかじゃなくて、キミはどうしたい? どうしたいかを考えてみて。その思いや希望の一つひとつは小さいかもしれないけど、たくさん集まれば、今を、そして未来を変える力になるかもしれない。本当にもう時間がないんだ…」。

地球は放置してても育たない
放置しないで!地球温暖化
【目標13 気候変動に具体的な対策を】地球の危機を地球と一緒に考える番組。今回は今回は地球温暖化がテーマ。CO2を減らし、温暖化を防ぐ様々な試みを紹介する。

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