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オープニング
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『地球は放置してても育たない』。これは、地球とつながっているちょっと不思議なゲーム。ミッションをクリアすると、地球がレベルアップするんだとか。でも、みんなにいつも放置されているみたい…。

scene 01「ジェンダー平等を実現しよう」
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「どうも、地球です。わたしには友だちがいます。すごうでの外科医です。どんなにむずかしい手術(しゅじゅつ)でも成功させます。みんなはどんな人を想像(そうぞう)しましたか?」。すると女性(じょせい)の医師(いし)があらわれました。「彼女(かのじょ)がわたしの友だちです。みんなの中で、わたしの友だちを男の人だと思った人いるかな? どうして男の人だと思ったんだろう。よくよく考えたらそれってとても不思議なことだと思わない? 今回は、その不思議に関していっしょに考えてみよう」。SDGsステージから選ばれたのは、『ジェンダー平等を実現(じつげん)しよう』です。地球がまほうのつえを持ってじゅもんをとなえます。「アスアース、みール!」。

scene 02「ジェンダー」とは
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わたしたちは、「男だから」、「女だから」という理由で、知らず知らずのうちに特定のイメージや役割(やくわり)を決めつけてしまうことがあります。たとえば、トイレの案内板。「男は青で、女は赤」と想像(そうぞう)したのでは? 学校の制服(せいふく)なら、女子はスカート、男子はズボンだと想像する人が多いかもしれません。男女のこうしたイメージや役割は、社会の中で少しずつ形作られてきたものです。性別(せいべつ)に対するこのような考え方を「ジェンダー」といいます。ジェンダーは、個人(こじん)の能力(のうりょく)を評価(ひょうか)したり、役割を決めたりするさいに大きなえいきょうをおよぼします。

scene 03ジェンダーによるさまざまな格差
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そのため世界では、ジェンダーによるさまざまな格差(かくさ)が起きています。国連の発表によると、世界全体の国会議員の75%、企業(きぎょう)の役員の73%を男性(だんせい)がしめ、重要な意思決定の場に女性がほとんどいません。一方で、子育てや介護(かいご)、家事といった、生活のために必要だけれども報酬(ほうしゅう)が出ない仕事を女性は男性の3倍もこなしています。ほかにも、女性であることで、賃金(ちんぎん)が男性よりも低い、男性から暴力(ぼうりょく)を受けやすいなどの問題もあります。このようなことから国連は、ジェンダー格差を地球上で最大の不公正の一つに挙げています。

scene 04日本のジェンダー格差の現状は
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では日本のジェンダー格差(かくさ)の現状(げんじょう)はどうでしょう。それを知るためのヒントとなるのが、国際(こくさい)的な機関が発表している「ジェンダーギャップ指数」です。この指数は、男女平等の達成度を国ごとに評価(ひょうか)し、ランキングにしたもの。これによると日本は、146か国中、125位。なぜこれほど順位が低いのでしょうか。主な理由は国や企業(きぎょう)などでの重要な役職(やくしょく)に女性(じょせい)が少ないこと。国会議員は10%、企業の役員は16%と低い割合(わりあい)です。高度な専門職(せんもんしょく)も女性の割合が少ないことが多く、たとえば医師(いし)の場合、女性の割合は23%。これは先進国のなかで最も低い数字です。

scene 05女性だけでなく男性にもえいきょうが
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実際(じっさい)に、女性(じょせい)が不平等なあつかいを受ける事例も起きています。2018年、複数(ふくすう)の大学医学部の入学試験で、合格(ごうかく)するはずだった女子を大学側が不正に不合格にしていたことが発覚しました。男性も「外で働くのは男性」といったジェンダーにえいきょうを受けています。週に60時間以上働く男性の割合(わりあい)は女性の4倍以上。働きすぎで命を落としてしまう「過労死(かろうし)」になるのも95%以上が男性です。さらに、育児休業を取得する男性は17%にとどまっています。男性中心の社会で、女性の子育ての負担(ふたん)はますます大きなものに。これも、女性が社会で活躍(かつやく)するのをさまたげる原因(げんいん)となっています。

scene 06男女の平等を実現するヒントは?
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「男らしく、女らしくって、何なんだろうね。夢(ゆめ)があって、がんばって努力して、やりたい仕事があるのになれないかもしれない。男だから、女だから。それだけでやりたいことができなくなるのは、ものすごくつらくない? そんな地球にはなってほしくないの。じゃ、どうしたらいいのか? あ! “ガチャ”があるからやってみない?」。カードを1枚(まい)引くと、ジェンダーについてもっと知るためのヒントがもらえます。「何が出るかな?」。引いたのはスーパーレアなアイテムカード“ジェンダーの魔導書(まどうしょ)”。ジェンダー平等を実現(じつげん)するためのヒントを教えてくれる魔法の書です。

scene 07世界一男女平等の国アイスランド
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北欧(ほくおう)の島国アイスランド。ジェンダーギャップ指数で14年連続1位にかがやく、世界で最も男女平等の国です。国会議員や企業(きぎょう)の役員の4割(わり)が女性(じょせい)。その背景(はいけい)には女性が働きやすくするための国の制度(せいど)があります。その一つが育休制度。アイスランドの男性の育休取得率(りつ)はおよそ90%。なぜこれほど高いのか。2009年、政府(せいふ)は父親3か月、母親3か月、どちらでも取得できる期間が3か月ある育休制度を導入(どうにゅう)。しかしこれではどちらでも取得できる3か月を母親が取る場合が多くありました。そこで2021年に、父親6か月、母親6か月に変更(へんこう)。父親も母親も平等に育休を取ることをうながしているのです。

scene 08アイスランド-男女平等への第一歩
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実は、アイスランドもかつては男性(だんせい)中心の社会でした。それが大きく変わったのは、1975年10月24日。アイスランドの女性の9割(わり)が仕事も家事も放棄(ほうき)した“女の休日”。この日女性たちは、職場(しょくば)における男女の格差(かくさ)や性別による役割分担(ぶんたん)のかたよりに抗議(こうぎ)の声を上げたのです。この日をさかいにアイスランドの男女平等は大きく進展(しんてん)しました。

scene 09すべての人が平等にくらすために続けられる努力
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1980年には、初めて女性大統領(だいとうりょう)が誕生(たんじょう)。その後、女性だけの政党(せいとう)も生まれ、国会議員や首相にも女性が選ばれるようになりました。さらに、同性婚(どうせいこん)を制度(せいど)化し、同性愛者やトランスジェンダーといった性的マイノリティへの差別を法律(ほうりつ)によって禁止(きんし)しました。世界一男女平等の国、アイスランド。そこには、女性だけでなく、すべての人が平等にくらせるよう努力し続ける人々のすがたがありました。

scene 10日本はどうなっている?
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「すごいなー、アイスランドってかっこいい! 女らしく、男らしくのがんじがらめを打ちやぶろうとしているんだもん。日本にはどうしてそれができないんだろう。何がちがうのかなあ」。すると部屋が暗くなりした。「あ、待って! まだログアウトしないでほしいの。実はこれで終わりじゃないの」。するとまた部屋が明るくなり、ゲーム画面があらわれました。「日本でも、少しずつだけどジェンダー平等が進んでいるの。ちょっと見てみよう」と地球。

scene 11ジェンダー平等実現への動き
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いま、ジェンダー平等を実現(じつげん)するため、若者(わかもの)たちが声を上げ始めています。東京都内のNPO法人の取り組みでは、高校生が実体験の中で感じたジェンダー問題をドラマにし、社会に広くうったえようとしています。監督(かんとく)と脚本(きゃくほん)をつとめた一人、マキさん。人と意見を交わすことが好きで、学校では英語ディベート部に所属(しょぞく)。世界大会にも出場しました。しかし…。「女子だったらそんなに意見バシバシ言ってたら付き合えないよとか言われて。がんばっている活動をそういうふうに否定(ひてい)されるとわたしは苦しみましたね」。

scene 12身近なドラマを通してうったえる
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女性(じょせい)である自分に対する言葉にきずつき、生きづらさを感じていたマキさん。自分の経験(けいけん)をもとに作品を制作(せいさく)しました。--「男子、ズボンでいいな。本当にあたたかそう」。「うちらもズボンはけたらいいのにな。今日先生に聞いてみる?」。「何言ってるのルナ? 寒くても女子といえばスカートでしょ」。--これを見てどのように感じましたか。「寒くても女子といえばスカート」。これも、「女性はスカートをはくもの」というジェンダーがえいきょうしています。マキさんはこのドラマを通して、女性に対するこうした思いこみをあらためて考えてもらうことをめざしています。

scene 13制服の選び方にも変化が
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実はいま、制服(せいふく)の選び方も変わり始めています。東京都内の中学校では、生徒が性別(せいべつ)に関係なくスラックスかスカート、ネクタイかリボンを選べるようになりました。「男子も女子も関係なく、好きな服装(ふくそう)を着られるのはすごくいいことだと思う」(生徒)。こうした取り組みは全国にも広がっています。

scene 14わたしたちにできることは?
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「女らしくって何だろう? 男らしくって何だろう? そう思ってつらくなったことがある人、いるかな? その気持ちは決してまちがいではないからね。自分をせめないでね。みんなが自由に生きられる社会をつくるには、どうしたらいいのかな? 人間らしく、自分らしく生きられる社会をつくるには、どうしたらいいんだろう?」。最後に地球からもう一度クイズです。「わたしの友だちをもう一人しょうかいするね。その友だちは、髪(かみ)の毛が長くて、きれいで、だれにでもやさしくて、保育士(ほいくし)をしてるの。キミはどんな人を想像(そうぞう)した?」。

地球は放置してても育たない
どう実現する?男女の平等
【目標5 ジェンダー平等を実現しよう】地球の危機を地球と一緒に考える番組。今回は社会における男女格差の現状を知り、どうすれば不平等を解消できるのか考える。

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