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(オープニングタイトル)

scene 01平成の大噴火―普賢岳
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わたしは宗定凱(そうてい・がい)博士。防災研究の権威(けんい)だ。志(こころざし)を同じくしている仲間をさがしているのだが…。まぁ、これを見てくれ。長崎県の雲仙(うんぜん)火山。島原(しまばら)半島の中央、南北およそ25kmにわたり山々が連なっている。手前に見えるのは、眉山(まゆやま)。おくに見えるのは普賢岳(ふげんだけ)だ。1990年、この普賢岳で“平成の大噴火(ふんか)”が発生した。ふり注ぐ火山灰(かざんばい)で、町は昼間でも夜のような暗さになった。

scene 02火砕流・土石流の被害
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大きな脅威(きょうい)となったのが、火砕流(かさいりゅう)。高温のガスや岩が山を焼き、ふもとの集落をおそった。さらに、大雨がふって、土石流(どせきりゅう)も発生した。この噴火(ふんか)により、44名が犠牲(ぎせい)となり、2500以上の建物が被害(ひがい)を受けたという。普賢岳の山頂(さんちょう)を見てみると…湯気だ。この火山は生きている! いつ噴火が起ころうとも、自分の身は自分で守り切る。それが、“防災サバイバー”だ。さぁ、出でよ。島原の候補生(こうほせい)たち!

scene 03防災サバイバー候補生たち
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平成の大噴火(ふんか)で大きな被害(ひがい)を受けた地域(ちいき)にくらす中学2年生、いくえ、みはる、しんぺい、こうまの4人。でも、平成の大噴火はかれらが生まれる前のことなんだよな。「学校で学ぶだけだったので、実際の現場に行っていろんな体験をしてみたい」と、いくえ候補生(こうほせい)。過去に学び、未来に備えよ。防災サバイバーの高みをめざせ!

scene 04被災した小学校の校舎
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長崎県島原(しまばら)市。平成の大噴火(ふんか)で特に大きな被害(ひがい)を受けた。まず候補生(こうほせい)たちが向かったのは、噴火の脅威(きょうい)を実感できる場所。旧大野木場(おおのこば)小学校被災(ひさい)校舎。ここはかつて小学校の校舎だった。「窓(まど)ないやん。ここが玄関(げんかん)?」(いくえ)。おぉ、ひどくこわれているな。校舎を見上げながらうしろ向きに歩いていたこうまが、校庭の石にぶつかってしまった。こうま候補生(こうほせい)、想定外をソウテイせよ!

scene 05背後にせまる火砕流
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噴火(ふんか)当時の学校の様子を写した写真。背後(はいご)にせまる火砕流(かさいりゅう)。この日は直撃(ちょくげき)をまぬかれ、生徒や教師は無事ににげることができたものの、三か月後の火砕流で校舎は飲みこまれてしまった。「とても悲惨(ひさん)な光景」(いくえ)。「自分たちの学校がこうなってしまったら大変だなと思いました」(しんぺい)。

scene 06何か月間も何年間も避難を
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噴火(ふんか)による火砕流(かさいりゅう)のおそろしさについて教えてくれる人がいた。雲仙岳(うんぜんだけ)災害記念館の館長、杉本伸一(すぎもと・しんいち)さん。「まったく予想していなかったようなことが起きた。心にも準備ができていないし、実際にどうやればいいかもまったくわからないなかで、あの自然と対峙(たいじ)しなければいけなかった。地域(ちいき)の人はみんな避難(ひなん)をしました。それからずっと火砕流が続くから、結果的に何か月間も何年間も避難をすることになったんです」(杉本さん)。

scene 07過去の大噴火の痕跡
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雲仙火山は歴史上、何度も大噴火(ふんか)をくりかえしてきた。候補生(こうほせい)たちが向かったのは、その痕跡(こんせき)が残っている場所だ。市の中心部にある商店街。すると…。「お墓?」。「亡(な)くなった人たちが」。「供養(くよう)されてるのかな」。「島原大変」。「200年ってめっちゃ前やね」。これは江戸時代に起きた噴火による犠牲者(ぎせいしゃ)をとむらう供養塔(とう)だ。「なんか書いてある」。よく見ると、苗字(みょうじ)のような文字がきざまれている。実は、同じような供養塔が島原半島には45も残っているという。これはいったい、なぜだ?

scene 08江戸時代の噴火の様子を伝える古地図
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調べよ、候補生(こうほせい)たち! やってきたのは島原図書館。みんなをむかえてくれたのは、吉岡慈文(よしおか・ひろふみ)さん。島原の歴史の専門家(せんもんか)だ。「これは、今から231年前に作られた古地図です」。江戸時代に起きた噴火(ふんか)の様子をえがいた貴重(きちょう)な資料を見せてくれた。「赤いのは山がくずれているところ。人がすんでいたところに、土砂(どしゃ)がどっと流れてきた」。寛政(かんせい)4年(1792)、普賢岳が噴火。多くの地震(じしん)も起きた。そして眉山で大規模(だいきぼ)な土砂くずれが発生。山全体の実に6分の1もの土砂がふもとを直撃(ちょくげき)した。

scene 09『島原大変』とよばれた大災害
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そのときの様子が記録されている。吉岡さんがその絵を見せてくれた。「眉山がくずれて、津波(つなみ)が町をおそって、人が大勢流された」。土砂(どしゃ)は海に流れこみ、津波が発生。有明海(ありあけかい)の対岸、熊本をもおそった。合わせて1万5000人もの犠牲者(ぎせいしゃ)を出したこの大災害は、『島原大変』とよばれた。こんな記録まである。「幽霊(ゆうれい)?」。「『大変』で亡(な)くなった人のお墓から幽霊が出てくるといううわさ話が広がって、生き残った人たちは亡くなった人たちを大事に供養(くよう)しようと思って、たくさん供養塔(とう)を建てた」(吉岡さん)。

scene 10なぜ火山の近くに住み続けてきた?
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「自分たちは災害にあっていないから調べたりして知ることしかできないけど、こういう具体的な絵を見たら本当におそろしいなって思いました」(みはる)。島原の美しい風景の中にある小さな島々、九十九島(つくもじま)。これは当時の土砂(どしゃ)の名残りなんだ。「たった1回の噴火(ふんか)で町の風景や文化もがらっと変わってしまう。自然の力ってすごいなって思いました」(しんぺい)。でも人々は、なんでこの火山の近くに住み続けてきたのだろう。その謎(なぞ)を解き明かすことが、防災へのカギとなる。次回へ続く! 全国の防災サバイバー候補生(こうほせい)諸君(しょくん)、また会おう!

キミも防災サバイバー!
File02 噴火の危機!キミならどうする?(前編)
長崎県島原市の中学生が挑むのは、雲仙火山がもたらす噴火の危機。繰り返し噴火の被害に見舞われてきた地域を歩き、「火山とともに暮らす」ための知恵と心構えを学ぶ。

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