(オープニングタイトル)
魔法(まほう)教室のエミたちとマヤたち。二人とも前をよくみていなかったのでぶつかってしまいます。すると二人のあいだに、「ちゅうちゅう」とネズミの妖精(ようせい)が現れました。「いつでも集中、ちゅうちゅうリッキーでちゅう!」。ちゅうちゅうリッキーはエミとマヤに、“集中させるぞ対決!”をしてみるかと言いました。10分間のお話を、聞く人の集中力を保ったまま聞いてもらったほうが勝ち。勝ったほうに魔法石をあげると言います。そして、相手の集中力がひと目でわかる“集中力見えるめがね”を二人にわたしました。
さっそくスタート。「今から話すのは水の魔法のお話です」と話し始めるエミ。でもショウは、全然集中していません。「集中していない相手には声をかけてみよう」とスマイルがアドバイスします。エミはショウに声をかけますが、ショウは、じっとして話を聞くのが苦手なのだと言います。「何かを配る役をショウにたのんでみるといいかもよ」とまたスマイルが言いました。じっとしているのが苦手なショウには、動く仕事を手伝ってもらうと、少し落ち着くかもしれないのです。おかげでみんなの集中力度数もアップしました。
一方、マリオの集中力が心配なマヤ。見ると、やっぱりマリオはほかのことを考えているようで、集中力度数はとても低い数字です。そこでマヤは、マリオのかたをポンポンとたたき、話しかけました。「マリオ、何考えてるの?」。すると、「ごめん。今日はどんなごはんか考えてた」とマリオ。そこでマヤは、「それは置いといて、今はわたしの話、聞いてくれるかな」と言いました。「うん、わかった」とマリオ。ポンポンと体にさわってあげるだけで、われに返って集中力がもどりやすくなるのです。
「じゃあ次は、火の魔法の歴史について話すよ」。話していたエミが気がつくと、みんなの集中力がまた下がってきていました。するとスマイルが、「そんなときは、深呼吸(しんこきゅう)や体を動かして、集中力をもどしてあげよう」とアドバイスしました。深呼吸をすると、「なんかすっきりした!」と、ショウたちはまた集中力度数が上がりました。
「じゃあ最後は、風の魔法について。風の魔法は…」とエミが話していると、スマイルが言いました。「ちょっと待って。みんなの集中力が切れかかってるよ」。見ると、みんなの集中力度数はまたゼロに近づいています。「話を聞いてもらうときは、全体を『はじめ・中・終わり』の3つにわけて、それぞれのときに集中できているか、チェックしたほうがいいよ」とスマイルがアドバイス。そして、「今は『終わり』のところなので、最後にぐっと気持ちをつかむためにゲームをするといい」と言います。集中させるための“マネマネ★集中ゲーム”です。
スマイルがそっとエミに説明します。エミはショウたちに、「みんな、マネマネゲームやろう!」と言いました。エミがあるリズムで手をたたくので、みんなはエミと同じリズムで手をたたくのです。「じゃあいくよ。マネしてね~。パンパン」。「パンパン」。「マネしてね~。パーンパーンパンパンパン」。「パーンパーンパンパンパン」…。全員、マネができていました。みんなの集中力がまた高くなっているうちに、話の続きをします。「ではみんな、最後です。風の魔法の利用方法について話すから、みんな聞いてね!」。
一方、マヤチーム。「じゃあ次は、風の魔法の利用法ね…」。みんな集中して静かに聞いているようなので、安心して話し続けるマヤ。ところがよく見ると、「ゴゴゴゴ」とマリオはいびきをかいてねていました。「ゴゴゴゴ。ゴゴゴゴ…」。ほかのみんなもねています。集中力度数は完全にゼロでした。「ということはこの勝負、エミの勝ちでちゅう!」と、ちゅうちゅうリッキーはエミに魔法石をくれました。
ひみつ基地にもどってきたエミとショウは、本の上に魔法石を置いて、じゅもんをとなえます。「スマイル! スマイル! スマイル!」。すると白いページに文字がうかび上がりました。そこには、「集中するのがむずかしいときは、声をかけたり、深呼吸(しんこきゅう)などで体を動かすといい。話を『はじめ・中・終わり』の3つにわけて、それぞれの時に集中できているかチェックしよう」とありました。
「次はみんなに作文の発表をしてもらいます」と先生が言いました。「えー? 作文の発表?」。今までみんなの前で話したことがないハルトくんは、不安でドキドキしてきました。すると妖精(ようせい)が現れて、「そんなときは深呼吸(しんこきゅう)をして、おまじないをとなえるといいよ」と教えてくれました。「だいじょうぶ、だいじょうぶ。きっとできる、きっとできる」と心の中で言うのです。発表の番になったハルトくん、深呼吸とおまじないで落ち着いて、とても上手に話すことができました。「だいじょうぶ、だいじょうぶ。きっとできる、きっとできる」。