チャプターあらすじを読む
オープニング
ないようを読む

(オープニングタイトル)

scene 01シッチャカとメッチャカ
ないようを読む

「あれ? ここどこ?」。アイが目をさますと、知らない部屋のベッドにいました。となりでねていたぬいぐるみのようなものがとつぜん動き出して、「おいらはシッチャカ」、「わたしは、メッチャカだよ!」と言ったのでびっくり。「どうも~。アイくん、こんにちは」。「え? ぼくのこと知ってるの?」。「うん。何かなやんでいることがあるっていうのも知ってるよ。だってここは、なやみをかかえた子どもがまよいこむ、ゆめの世界ですから~」とシッチャカとメッチャカ。「さあ、おいらたちがなやみを解決(かいけつ)するから聞かせてごらん。ちなみに、しゃべるんじゃなくて歌って!」とシッチャカ。「えっ、歌?」。「サン、ハイ!」。

scene 02アイのなやみは…
ないようを読む

「♪放課後 帰り道 車いすの人がいた キョロキョロそわそわ まわりを見回して なんだかこまってそうでした 声をかけるかなやんだけど 結局 何もしないで帰っちゃった あのあと ずっと後悔(こうかい)してた♪ ハア…」。「あの人にごめんなさいって言いたくてさ…」とアイ。「じゃ、本人に伝えなよ」。「でも、名前も住んでる場所も知らないし」。すると、「そういうときはこれを使えばいいじゃない」とメッチャカが“ココロのでんわ”を取り出しました。「受話器を手に、気持ちを知りたい相手のことを思いうかべる。そうするとその人のココロの中とつながって、何でも本当のことを答えてもらえるんだ」。

scene 03何もしなかったことをあやまるアイ
ないようを読む

受話器を持たされ、「もしもし」と話しかけるアイ。すると、「はーい、ユウです」と返事がありました。「あ、ユウさんっていうんですね。アイといいます。今日は車いすで外出してましたよね?」。「うん」。「そのときにユウさん、なんだかこまっているみたいに見えたんですけど、ぼく結局何もしないで帰ってきちゃったことをあやまりたくて電話しました」。「いいのにそんな」。「声をかけなきゃと思ったんだけど、なんかてれくさいっていうか、はずかしくって…、ごめんなさい」。「ごていねいにありがとう」。メッチャカがたずねました。「ユウさん、今日、何かおこまりだったんですか?」。

scene 04自転車が道にはみ出していて
ないようを読む

「そうなの。細い道で動けなくなったの」とユウさん。「わたし、初めてあの道を通ったんだけど、自転車がね、道にはみ出していっぱいとまってたから、通れなかったの」。「え? 自転車?」と意外に思うアイ。「けっこうあるんだ、そういうこと」とユウさんが言います。「ぼくはあの道、自転車がはみ出て歩きづらいとは感じなかったけど?」とアイが言うと、「じゃ、これで見てみて」とシッチャカが双眼鏡(そうがんきょう)のようなものをアイにわたしました。「え、これで?」。「そう。“まるみえ双眼鏡”で、アイくんが帰ったあとに何があったのか、ユウさんの視点(してん)で見てみよう」とメッチャカ。

scene 05“まるみえ双眼鏡”で見てみると
ないようを読む

まるみえ双眼鏡〈そうがんきょう〉でその道を見ると…。「わあ、せまーい!」とアイ。「あ~あ~、かさ、はみ出してるよ」とシッチャカ。「けっこうよくあるかな。子ども用シートとか、荷物とか、かさとか、せり出してぶつかったりするんだ」とユウさんが言いました。「ふつうに歩いてたら気にならないのに」とアイ。「それで、ちょっと無理して進もうとしたら…」。車いすが自転車にぶつかって自転車が次々にたおれてしまったのです。「ぼくもよく使う道だけど、全然ちがう道みたいでした。すっごくせまく見えた」とアイ。「自転車をとめた人も、まさかだれかをこまらせてるとは思ってないだろうね」とシッチャカ。

scene 06なやみは解決?
ないようを読む

「もちろん、自分で動かせるものは動かしたり、ほかの道を通ったりすることもあるんだけど、今日みたいにどうしてもその道を行かなきゃいけないときは、大変なんだ。じゃ、またね」とユウさんが言って電話は切れました。「ユウさんにあやまれてよかったね。おなやみ解決(かいけつ)?」とメッチャカ。「いやいや、もっと後悔(こうかい)してきたよ」とアイが言いました。「やっぱり声かけてれば手伝えたのに…」と頭をかかえるアイ。するととつぜん、「その通り~」という声が。そして歌も聞こえてきました。「♪もっと知ったら広がるよ。もっと知ったら変われるよ。ジロー博士の豆知識〈まめちしき〉♪」。

scene 07ジロー博士のアドバイス
ないようを読む

急にテレビのスイッチが入り、「はい! かみの毛は自分で切っています、ジロー博士じゃ」と画面にジロー博士があらわれました。「ユウさんのような車いすの人には、日常〈にちじょう〉生活で助けを必要とする場面がほかにもたくさんあるんじゃ。たとえば、歩道や建物の入口にある段差〈だんさ〉。車いすだと、これを登るだけでも大変なんじゃぞ」と言います。「それに、車いすの人は自動販売機〈はんばいき〉のお金の投入口や、背(せ)の高い商品だななど、とどかなくてこまることが多いそうじゃ」とジロー博士。「物を取るだけでもお手伝いになるのか」とアイは気づきました。

scene 08気軽に気軽に声をかけてみよう
ないようを読む

「そのほかにも、ドアをおして入ろうとするとなかなか入れないそうじゃ」。「そうか、車いすにぶつかっちゃうんだ」、「ドアを開けるだけでもお手伝いになるんだね」とメッチャカとシッチャカ。「とにかく、まわりにこまっている人がいたら、声をかけてみたらどうじゃろう。『勇気を持って』という大げさなものでなく、気軽に、気軽に。さらばじゃ!」。そう言うとジロー博士は消えてしまいました。

scene 09声をかけてもことわられたら?
ないようを読む

「気軽に、か…」と考えるアイ。「どう? これで今度こまっている人と会ったら声かけられるね?」とメッチャカ。するとアイは「でもなあ…」とまだなやんでいるようです。「何?」と聞かれ、「だって、声をかけてもことわる人もいるでしょ?」と言います。「ぼく一回見たんだよ。同じ年ぐらいの子が電車でお年よりに席をゆずったとき、『まだ年よりじゃないからいい!』って言われてて」。「ああ」。「そういう人に声をかけたら、いやな気持にさせちゃうかもしれないし…」とまた頭をかかえるアイ。「うーん」。シッチャカとメッチャカも頭をかかえました。そのとき、「うわあっ!」。ココロのでんわが鳴ったのです。

scene 10ことわったとしても悪くは思わない
ないようを読む

おそるおそる電話に出るアイ。「もしもし」。すると、ユウさんからでした。「アイくんさ、さっき、声かけようとしたけどできなかったって言ってたじゃない? それ、『はずかしい』以外にも、ひょっとして『ことわられたら』って考えてたんじゃない?」と言います。「たしかに、自分ができることを手伝われたらいやなのは、障害(しょうがい)のある人もない人も同じだと思う。でもね、ことわったとしても、気にかけてくれたことを悪くは思わないんじゃないかな。少なくともわたしはそう。アイくんがわたしを気にしてくれてたんだって知ってうれしかった」とユウさん。「そうですか」とアイはほっとしました。

scene 11まずは、「おこまりですか?」
ないようを読む

するとメッチャカが、「ユウさん、こまってそうな人には、何て声をかければいいのかな?」と聞きました。「んー。まず、『おこまりですか?』ってのはどうかな?」とユウさん。「その人がこまってないとか、自分でなんとかしようとしているかもしれないから、まず、そうやって聞いてみて」と言いました。「おこまりですか? うんうん」とアイは言ってみました。「で、どのような方法で手伝うか、本人に聞くのがいいのかな? 場合によっては『大人をよんできて』ってこともあるかもしれないし」とユウさん。「そうか。ぼくだけで何かしなきゃいけないわけじゃないのか。気が楽になった」と安心するアイ。

scene 12言葉だけでも助けになる!
ないようを読む

「ほら、気軽に気軽に」とシッチャカとメッチャカ。「エレベーターはあっちですよ、とか教えてもらうだけでも大きな助けになるしね」とユウさん。「そうか、言葉だけでも」と気が楽になったアイ。「気軽に気軽に」。するとみんな、次々にユウさんに質問(しつもん)し始めました…。――ここで目をさましたアイ、元気に飛び起きました。「よっしゃあ!」。果たして…。

u&i
声をかければよかったのに…
アイは学校帰りに偶然、車いすのユウを見かける。何か困っている様子のユウに対し、アイは声をかけずにその場を立ち去ってしまう。そのことをアイはずっと後悔していた…。

クリップ

教材きょうざい資料しりょう

教材・資料(先生向け)

配信はいしんリスト

今年度こんねんど放送ほうそう

その放送ほうそう