(オープニングタイトル)
博士と体育ノ介が川ぞいの土手を散歩(さんぽ)しています。「体育ノ介よ。今までいくつもの試練(しれん)を乗りこえてりっぱに成長(せいちょう)したのう。よし!」。そう言うと、とつぜん博士が走り始めました。「ほっほっほっほっほっ…」。そして立ち止まると言いました。「おーい、体育ノ介! ここまでちょうど50mじゃ。一体何秒で走れるのか、おまえの実力をときはなて! 今日のミッション。『走る』に挑戦(ちょうせん)だ!」。
「『走る』、実行!」。走り始める体育ノ介。しかし、手とあしがのびたままのへんなフォームでスピードが上がらず、幼稚園児(ようちえんじ)にも追いこされてしまいます。「タイムは…」。15秒もかかっていました。「このままではだめじゃ。『走る』をプログラミングせねば。何かいいお手本は…」。パソコンで調べていた博士、「おお、なんときれいなフォームなんじゃ!」とお手本を見つけました。「朝原宣治(あさはら・のぶはる)さん。2008年、北京オリンピック400mリレーで銅(どう)メダルをかくとく。日本屈指(くっし)のスプリンターじゃ。さっそく朝原さんのデータ、ダウンロード!」。
朝原さんが、『走る』のお手本を見せてくれました。「『走る』が、『できるポイント』。『よーい』で前足に体重をかけ、上体をたおす。『ドン!』で地面を強くキック!」。
「少しずつ体を起こして、顔を前に向ける。せすじをのばす!」。
「かかとをおしりに近づけるようにひざを曲げ、前につき出す。足をすばやく大きくふみかえる!」
「うでは大きくふる。前は指が見えるくらいまで。うしろはひじが90度くらいになるまで!」。
「目は正面を見る。下を見ない。スピードを落とさないように、ゴールより遠くをめざして走りぬける!」。
つづいて、体育ノ介の『できないポイント』分析(ぶんせき)です。「『走る』が、『できないポイント』。まずは、上向き大また走り! 体が上を向いとる。歩はばが大きすぎる。朝原さんと大ちがいじゃ! そして下向き小また走り! 歩はばが小さすぎる。しかもなんじゃそのうでのふり方は…。朝原さんの走りを見るのじゃ!」。ここで、博士は体育ノ介に『できるポイント』をインストールしました。
『走る』ができるポイントをチェック。「『よーい』で前足に体重をかけ、上体をたおす。『ドン』で地面を強くキック。完了(かんりょう)! 少しずつ体を起こして顔を前に向ける。せすじをのばす。完了! かかとをおしりに近づけるようにひざを曲げ、前につき出す。足をすばやく大きくふみかえる。完了! うでを大きくふる。前は指が見えるくらいまで。うしろはひじが90度くらいになるまで。完了! 目は正面。下を見ない。スピードを落とさないように、ゴールより遠くをめざして走りぬける。完了! 体育ノ介、ナイスラン! エレガントな走り姿(すがた)じゃ!」。
朝原さんが教えてくれる、『走る』のコツ。「ぼくが子どものころ、速く走ろうとすると、速い選手(せんしゅ)のまねをしてよく走ってました。頭の中に、速い動物とか、走る人のイメージをして走ると、速く走れるかもしれないので、みんなチャレンジしてみましょう!」(朝原さん)。
今日は、体育ノ介と「やってみよう!」。まずは、インストールしたての体育ノ介の『走り』を見てみます。そして、友だちのスタートをタブレットでさつえいし、みんなでチェック。歩はばが小さいという発見がありました。そこで、「どれくらい歩はばを大きくすればいいのか?」を体育ノ介に質問(しつもん)。スタートラインからの足の位置(いち)に合わせて地面においた目じるしで、歩はばをチェックします。うでのふり方をチェックしたグループは、「どのくらい曲げればいいか?」を体育ノ介に質問。指先を目のあたりまで上げるのにびっくりしたようです。
ポイントがつかめたところで、体育ノ介と真剣(しんけん)勝負。クラスで選抜(せんばつ)された5人と体育ノ介の勝負です。はたして体育ノ介は勝てるのでしょうか? 「よーい、ドン!」。体育ノ介も真剣です。ところが…。「あれ? あれあれー? 負けたー!」。体育ノ介は3位でした。でも、「速かったぞー! ほかのみんなの走りも見事じゃった!」と博士。