文豪(ぶんごう)ゲーテが眠る
ワイマールの大公(たいこう)家墓地

ゲーテは生涯の大半をこの地で過ごし
数々の傑作(けっさく)を世に送り出した

魔王(まおう)に誘惑(ゆうわく)され　命を奪(うば)われる
少年の恐怖がつづられた「魔王」

傑作(けっさく)として知られるこの物語詩も
ワイマールで誕生した

1775年　26歳(さい)のゲーテは
ワイマール公の招きでこの街に赴(おもむ)き―――

やがて人生を変える
運命の女性と恋に落ちる

シャルロッテ・フォン・シュタイン

ゲーテより７つ年上の彼女は
すでに子供をもつ人妻だった

ゲーテが通ったシュタイン夫人の家

情熱にあふれ　野性的なゲーテの気性を
繊細(せんさい)に包み込んだシュタイン夫人
若きゲーテは　彼女との
道ならぬ恋におぼれていった

２人の関係は12年余り続き―――

ゲーテは詩作に没頭(ぼっとう)する

「魔王」もこの恋のさなかに誕生した

おまえが好きだ
その美しい姿が私を虜(とりこ)にする

おまえが拒(こば)むなら
力ずくでも連れていくぞ

父さん　父さん　もうだめだ
魔王が僕(ぼく)をつかまえる

８２年の生涯を
ワイマールで閉じたゲーテ

死の直前に謎(なぞ)めいた言葉を残した

もっと光を！