(オープニングタイトル)
「じゃあ、ぼくがおに。いくよ~!」。「にげろ~!」。「モイくんのかげ、ふむぞー」。「ふまれるもんかー!」。がんぺーちゃんたちがかげふみをしてあそんでいます。「えーい!」とジャンプしたがんぺーちゃん、「やったぁ、ふんだよ!」とモイくんのかげをふみました。「あーぁ、ふまれた」とモイくん。「よーし、つぎはルンルンだ!」。がんぺーちゃんがルンルンをおいかけます。そのとき、たいようがすこしかたむきました。すると、「あれれ? いま、ルンルンのかげ…」とがんぺーちゃんがなにかに気づきました。たいようがさらにかたむいて、ルンルンのかげが…。「あれれ?」。
「どうしたの、がんぺーちゃん?」。「あのね、ルンルンのかげがね、いま、びよ~んってのびたの。あっ、ほらまた!」。「ほんとだ!」。三人ならんでかげを見ると…。「かげがどんどん」。「どんどん」。「のびてる~!」。たいようがさらにかたむいていくと、三人のかげもさらにのびていきます。「あははは~!」。そこへ、「あらあら、どうしたんですか? 大さわぎして」とガメ先生がやってきました。「あのね、ぼくたちのかげがね、びよ~んってのびたの」。するとガメ先生が、「あ~わかりました。それは、今日(きょう)が“そらかげ”の日だからですよ」といいました。「そらかげの日? なあに、それ?」。
「“そらかげ”の日は、わたしたちのかげがじめんじゃなくて空にできるんですよ」。「えーっ、空に!?」。「もうちょっとまってみましょう。あさなのに、たいようがいちどじめんにもぐってまた出てきたら、“そらかげ”の日のはじまりです」とガメ先生。「おもしろそう!」。みんなが空を見上げていると、たいようがかたむいて、とうとうしずみました。そしてまたすぐにのぼってきました。「うわぁ!」。「さぁ、“そらかげ”の日のはじまりですよ。あっちの空を見上げてごらんなさい」。ガメ先生にそういわれて見上げると…、おもわず「うわぁ!」とこえを上げるみんな。
「もしかして!」。「がんぺーちゃんのかげだ!」。「うん」。「となりのモコモコしてるのは…おいら!」。「うん、モコモコはモイくんだ。じゃあ、あれは…」。「ルンルン! わぁ、手をふってる」。「ガメさんのかげもありますよ」とガメ先生。空にならんだ4人のかげに「こんにちは~、みんなのかげ~!」とルンルンがよびかけると、かげたちが手をふりました。「わぁ~い」。こんどはモイくんが、「見てて、モイっ! モイモイ~!」とピョンピョンとびはねました。するとモイくんのかげも、「モイっ! モイモイ~!」と上下にうごきます。「あははは、かげがまねっこしてる~」。
すると、「あ、そうだ! ぼくのかげはね…ふわふわふわ~」。がんぺーちゃんが左をむいてふわふわとうごきます。するとかげも、ふわふわと空をとんでいるようです。「わぁ~、とんでる!」。「うん! こんどはこっち。ふわふわふわ~」と右をむくがんぺーちゃん。すると、「あれ? あれれ?」とモイくんとルンルン。「もしかして、かたちがちがう?」とルンルン。「かたち?」。モイくんも、「ほら、いまも! とんでいたときと、かたちがぜーんぜんちがう!」といいます。「ふふふ。おもしろいことに気がつきましたねぇ」とガメ先生。「ね、がんぺーちゃん、もういっかいとんでみて」とルンルン。
「ふわふわふわ~」とがんぺーちゃんが左をむいてうごきます。「こんどははんたい。ふわふわふわ~」と右へ。かげも左をむいたり右をむいたり、ちがうかたちになります。しょうめんにもどって、「どう?」とがんぺーちゃん。「ぜんぜんちが~う!」。「がんぺーちゃんのかげなのに、いろんなかたちになるんだね!」とモイくん。「なんで、なんで?」。「ふっしぎ~!」。「おもしろ~い!」。わいわいもりあがる3人です。そこへガメ先生が、「ちょっと、きゅうけいしましょうかね」とすいとうをもってきました。「はーい!」。
「ゴクゴクゴク、ぷはぁ~」。みんながおいしそうにおちゃをのんでいます。そこへ、「ピョンコロピョーン!」となにかとびだしてきました。「あらあら、あさしゅうかくしたピョンコロピーマンがにげだしてしまったようですね」とガメ先生。すると、「見て見て、ピョンコロピーマンのかげ!」とがんぺーちゃん。空にうかんだピョンコロピーマンのかげが「ピョンコロピョーン!」。そしてピョンコロピーマンがモイくんのあたまにとびのると、「あれ? ピョンコロピーマンのかげがきえた」。
こんどは、「ピョンコロピョーン!」と、ピョンコロピーマンがルンルンにとびうつりました。空にうかぶピョンコロピーマンのかげも、ルンルンのかげのあたまの中へ。「またきえた?」。するとまたピョンコロピーマンのかげがとびだします。「出た!」。「あ、あたまにのった!」。「はは、ルンルンのかげ、がんぺーちゃんにそっくりだ」。「ほんとだね。ぼくが二人いるみたい」。「わたしのかげなのに、わたしのかげじゃないみたい」。――♪なんで なんで? ふっしっぎ おっもしろ~い! まえからのかげとよこからのかげ かたちがちがうの なんで なんで? …かげとかげ かさなると かげがきえるの なんで なんで?…。
「よいしょ、よいしょ」。がんぺーちゃんたちがなにかはこんできました。「これで、“かげあてクイズ”やろう~!」。「じゃあ、さいしょはわたしからもんだい!」とルンルン。「これ、なーんのかげ?」とほそながいかげを見せました。「ほそながくて、とんがり?」。「ろうそく?」。「ちがうよー」とルンルン。「うーん…」とかんがえこむモイくんとがんぺーちゃん。「じゃあ、見てて。ぐるーっとまわすと…」とルンルンがかげをまわします。すると…。「あ~! もしかして、ふで!?」。「せいかーい! ふででした」とルンルン。「あはは、やったー!」。
「じゃあつぎは、おいらからもんだい」とモイくん。「これ、なーんのかげ?」。モイくんが見せたのは…。「なんだろう?」。「わかった! おかしのかん!」。でも、「ブッブー!」とモイくん。「うーん?」。モイくんが、「それじゃあ、ぐるっとまわすよ。ぐる~」。モイくんがかげをぐるっとまわします。「あれれ? もしかして…じょうろ!」とがんぺーちゃんとルンルン。「せいかーい!」とモイくん。「やったぁ!」。
「ようし、さいごはぼく!」とがんぺーちゃん。「もんだい! これ、なーんのかげ?」。がんぺーちゃんが見せたのは、四角(しかく)いかげです。「四角?」。「絵本(えほん)?」。「ちがーう」とがんぺーちゃん。「わかった! きっと、かげは四角いけど、四角いものじゃないんだ!」とモイくん。「え? 四角くないの?」とルンルン。「うーん…」とかんがえこむ二人です。「えへへ。じゃあ、見てて。くる~っと」。がんぺーちゃんがかげをまわします。すると、「あれれ? 三角になった?」とルンルン。
そこで、「あー、わかったぁ!」とルンルンとモイくん。「もしかして…、三角(さんかく)のつみ木!」。「せいかーい!」とがんぺーちゃん。「ほんとうに四角くないものだった!」とおどろくモイくん。するとがんぺーちゃんが、「ねぇねぇ、ちょっとまって。このまま見ていて。こうすると…」と、三角のつみ木をさかさまにしました。「うわぁ! アイスクリームだ!」とルンルンとモイくん。「がんぺーちゃん、すごーい!」。「おいら、かげあそび、もっともっとやってみたい!」とモイくん。「うん、ぼくも、ぼくも~!」。たのしそうながんぺーちゃんたちでした。