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鳥(とり)をのんだおじいさん
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昔、働き者のおじいさんがいました。畑仕事を終わらせ、ひと休みしていると、どこからか美しい鳥の鳴き声が聞こえてきます。それはまるで音楽のようで、うっとりする歌声でした。おじいさんは、「どうせならあのはしばみの枝にとまって歌ってくれないかな」と心の中でねがいました。すると、不思議。鳥がはしばみの枝に飛んできて、歌を歌い始めます。おじいさんはうれしくなって、「どうせならもっと近く、わしの舌先でうたってくれないかな。」そういって舌を出すと、鳥はその上にちょこんと乗っかって、美しい歌を聞かせてくれました。ところが、おじいさんが疲れて舌をちょこんと引っ込めてしまった拍子に、なんと鳥はのどを通って、おなかの中に落っこちてしまったのです。でも、すぐにおなかの中から鳴き声が聞こえてきました。「心配いりません。それより、今おじいさんのおなかの中で、美しい歌を歌いますよ」。
そこへ、大勢の人がやってくるのが見えました。殿様の行列です…。(日本昔話 お話:香椎くに子)