あるところに、バンという名前のコヨーテが住んでいました。バンはとっても怠け者で毎日ゴロゴロ…。働き者の女房といつもケンカばかりしていました。
ある日バンは七面鳥を捕まえにいくことにしました。「あんたに七面鳥が捕まえられるわけがない」とバカにするおかみさんを見返してやろうと、バンはいさんで出かけていきました。そこへ運よく七面鳥の群れに出くわします。群れの中の１羽に、バンは親切にするフリをして近づかせ、うまいこと捕まえてしまいます。でもその七面鳥はやせていたので、バンは、欲張って向こうにいる太った七面鳥もつかまえたくなりました。そこで、そのやせた七面鳥に「オレは今からあの太った七面鳥を捕まえるから、お前は先に一人でオレの家に行って、女房に料理してもらっていろ」と放してしまいます。自由になった七面鳥がそんな命令に従うわけがありません。やせた七面鳥はバンの家に行き…。（アメリカ昔話　お話：香椎くに子）