ねらい

聖徳太子が、身分に関係なく役人に取り立てようと政治の改革に努めたことがわかる。

内容

聖徳太子(しょうとくたいし)が活躍(かつやく)した頃、「豪族(ごうぞく)」とよばれる有力者が力をふるい、土地や人びとを支配していました。親から子へと役割(やくわり)と地位を引きつぎ、能力のあるなしに関係なく、権力(けんりょく)や権限をほしいままにしていました。その弊害(へいがい)を取りのぞき、生まれた家に関わりなく能力ある者を取り立て、天皇(てんのう)のために働く「役人」を作ろうと定められたのが冠位十二階(かんいじゅうにかい)です。位に応じて冠(かんむり)の色が十二色に分けられ、ひとめで地位の高さが分かります。これは、中国や朝鮮の制度を手本にしたものです。それらの国々から外交のための使節が来た時、そして、こちらから使節として行くとき、日本が天皇のもとで、役人の制度がきちんと整った国である、ということを示すことにもなりました。

豪族と冠位十二階
冠位十二階は役人の位を12に分け、位に応じて冠(かんむり)の色を分けるしくみです。氏や姓ではなく個人の能力に応じて役人に取り立てようと定められた冠位です。