ねらい

人びとは天皇のために働き、豪族は、役人として天皇のために仕えたことがわかる。

内容

新しい国への基礎がつくられはじめたころ、天皇と豪族たちとは、どのような関係にあったのでしょうか。天皇は、豪族たちに、人びとをまとめる仕事をあたえていました。豪族たちは、人びとから、天皇にわたる富を集めます。ところが、富を自分たちで勝手に使うようになっていました。こうした中、豪族たちの勢力をおさえ、強い国づくりを目指そうとする人たちが現れました。そして西暦645年6月。乙巳の変が起きました。天皇の子、中大兄皇子が、当時最も力の強い豪族だった蘇我入鹿を殺害したのです。日本書紀には事件から半年後、天皇が「改新の詔」を出し、政治のしくみをかえることを宣言したと書かれています。目指したのは、天皇と人びととのあいだにいた豪族たちを除くことでした。これにより、人びとは天皇のために働き、貢ぎ物は、天皇のもとに直接集まるようになっていきます。これ以降、豪族たちは役人として天皇に仕えることになりました。

改新の詔による変化
新しい国づくりがはじめられた時、天皇と豪族たちはどんな関係だったのか。乙巳(いっし)の変の後、「改新の詔(みことのり)」が出され政治のしくみがかわりはじめた。