ねらい

正倉院の宝物から、聖武天皇が、奈良時代に中国、インド、西アジアなどの大陸の文化を取り入れていたかがわかる。

内容

奈良時代、国際色豊かで、華やかな文化が花開きました。「天平文化」といいます。その代表的な品々が、もともとは東大寺の倉庫だった正倉院に保存されました。聖武天皇が亡くなったあと、光明皇太后によって、聖武天皇が日常用いていた品々などがおさめられ、現在まで大切に保存されています。これは世界にひとつしか残っていない五弦の琵琶。ペルシア風の模様が細工されています。これは鏡です。琥珀や、南方の海の貝、西アジアで採れる石などが細工されています。こちらは聖武天皇が楽しんだといわれる囲碁の盤と石です。これらは、遣唐使(けんとうし)や留学生によって、中国から日本に持ち帰られたものと考えられています。当時の中国には、ヨーロッパや西アジア、インドなどから、さまざまな美術工芸品が伝わっていました。そして、その中国を通じて日本にまで運ばれたのです。奈良時代、日本が世界とつながっていたことがわかります。

正倉院の宝物
奈良時代は国際色豊かで華やかな文化が花開いた。正倉院には、中国を経由して遠くインドやペルシャから伝わった、当時の代表的な宝物が収蔵されている。