ねらい

世阿弥の残したものから、なぜ、能が今に伝わっているかがわかる。

内容

室町(むろまち)時代、「能」を完成させた世阿弥(ぜあみ)は、たくさんの本を書き残しています。これは、代々(だいだい)世阿弥の子孫に伝わる、世阿弥直筆(じきひつ)の本です。「能の本をかくことがこの道の命なり」 世阿弥は、自分が生み出した能の演じ方や心構えを子孫に残そうとしたのです。生涯(しょうがい)を能にささげた世阿弥の思いが伝わってきます。「初心忘(わす)るべからず」 現在に伝わるこの言葉も、世阿弥の言葉です。未熟(みじゅく)なころの芸やその時の気持ちを忘れずに、常に努力をすることが大切だと伝えています。室町時代には、世阿弥のほかにも、猿楽(さるがく)や田楽などの芸を演じるグループが競いあっていました。そうしたなか、世阿弥は、常に自分の芸を高め、「能」という芸術を生み出したのです。

世阿弥がのこしたもの
「能」の完成は室町(むろまち)時代。「能」に生涯(しょうがい)をささげた世阿弥(ぜあみ)の残した書からその心得(こころえ)をみる。
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